Student always!シリコンバレーでご活躍の冨田龍起様にご講演いだきました

2026/10/21

2026年10月9日(金)、情報教育研究支援センター・神戸市経済観光局共催のもと、冨田龍起氏(Vivaldi Technologies, COO)をお迎えし、講演会「世界へ!ー高専生がシリコンバレーで起業するまで」を開催しました。自分にとっての“哲学”を大切に、高専時代から現在まで学びと挑戦をひたむきに続けてこられた冨田氏。誠実で熱意あふれるお話に、会場からは大きな拍手が起こりました。

 

 

以下、イベントレポートを掲載します。

 

  • 冨田氏からの4つのメッセージ

グローバルに学び、働き、ご活躍を続ける冨田氏。講演会では、同氏のこれまでの歩みとともに、変化の大きな時代に“自分らしく生きる”ヒントをお話くださいました。

 

1. 自分の環境を積極的に選ぶ

冨田氏は鹿児島高専機械工学科ご出身。在学中参加したインターンシップでは、仕事の楽しさややりがいに触れました。これまで”点”でしかなかった学校の学びが社会の課題解決へと繋がる、確かな手ごたえを感じたそうです。卒業後電力大手に入社しますが、3年で退職。大きな転機が訪れます。「自分の持つ技術で、社会を良くしたい。自ら行動し、変化を生み出したい」そのためには、旧態依然の日本企業・縦割り社会から飛び出し、自ら環境を変える必要がありました。

“環境が人を変える。自分が尊敬している人、こんなふうになりたいと思える人となるべく多くの時間を過ごし、やりたいこと、なりたい自分に近づくことが大切です”

 

2.学び続ける(Student always!)

海外で働こうと考えた冨田氏が最初に取り組んだのは、勉強でした。北海道大学経済学部へ入学、マネジメントと英語を習得。その後ノルウェーのスタートアップ (Opera Software) に参画します。12年後、同社退職を機に UC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)で経営学修士号を取得。ドットコムバブル、リーマンショック、新型コロナ。世界が劇的に変化する中でも学び続ける冨田氏の姿勢は、自身と会社の価値創造を支える、大切なエンジンとなっています。

 “高専のときにもっと勉強していれば・・と思うこともあった。 ただ、学びの機会はいつでもある。自分の中に哲学を持つ(なんのために、なぜやるのか考える)ことが、会社や自分が苦しいとき、周囲が去ってしまってもなお、誰かを惹きつける力に繋がる”

 

3.人との関係を大切にする

Opera Softwareでは同じ志を持つ仲間たちと共に働き、ベンチャーから大企業へ、多くの夢を実現しました。一方で会社の成長後は、やりたいことがやりたいようにできていたスタートアップ時代を振り返ることも増えたそうです。そんな時、創業メンバーの Jon (Stephenson von Tetzchner) 氏と再会し意気投合。Vivaldi Technologiesを起業。世界450万人のユーザーへ、独自性豊かなサービスを届けています。

“人との関係性のなかに自分がいる。ひとりでできることには限りがあり、世の中にインパクトを与える仕事をするためには、チームワークが何より大切である”

 

4.世界は機会に満ちている

鹿児島出身の冨田氏ですが、学生時代のインターン先である神戸には特別な思いがあると語ってくださいました。阪神・淡路大震災では、神戸市内で震災ボランティアとして活動くださったそうです。冨田氏は近年、若手起業家の育成にも力を入れておられ、神戸市が実施している米国西海岸派遣プログラムでは、研修アドバイザーとしてご協力くださっています。この研修がご縁となり、今回の特別講演会が実現しました。(参考:「LAUNCHPAD SILICON VALLEY」2026年度参加者募集開始)

“世の中に改善できることは山ほどある。それら課題をどうやって自分の技術や知識で改善するか。できること(機会)はたくさんあり、取り組むときはわくわくする”

 

 

  • 学生とのQA

講演会終了後、学生から多くの質問が飛び出しました。一部紹介します。

 

Q: 何がビジネスとして受けるのか?タイミングやニーズの見極め方を知りたい

A:  まずは作ってみる。できるだけ早く(市場で)試す。その繰り返しが大切。

 

Q: なぜ経営に哲学が必要なのでしょうか?

A: 哲学がないと(外からの声に圧されて)ドリフトし、新規性や拡張性が失われてしまう

 

Q: 海外で働くための資金はどうやって準備しましたか?

A: 航空券代だけなんとかバイトで貯めた。着いてからのことはあまり考えてなかったです

 

Q: 困難に直面したとき、どうやって乗り越えたのでしょうか

A: まず目の前のことをがんばる。やれるだけやる。シンプルですが、その繰り返しでした

 

 

最後になりましたが、講演会実施にあたりご協力を賜りました、冨田龍起氏、神戸市経済観光局新産業・科学技術課、神戸市外国語大学の皆様に神戸高専情報教育研究支援センター教職員一同、心から謝意を申し上げます。

 

【講演会概要】

タイトル:特別講演会「世界へ – 高専生がシリコンバレーで起業するまで」

登壇者:冨田龍起氏

日時:2026年10月9日(金)16:40-18:00

場所:神戸高専本部棟2階ホール

主催:神戸高専情報教育研究支援センター、神戸市経済観光局

 

【登壇者プロフィール】

冨田龍起 Vivaldi Technologies, COO. 中部電力退社後、ノルウェーのスタートアップ企業Opera Softwareに参画し、アジア太平洋地域事業を統括。同社株式公開後は副社長として新規事業開発、M&A等に携わり、2012年よりシリコンバレーにて米国子会社社長。2014年Vivaldi Technologiesを共同創業。鹿児島高専機械工学科、北海道大学経済学部卒、UC Berkeley 経営学修士、Grenoble École de Management 経営学博士、Stanford大学SPICEプログラム講師、元Lawrence Berkeley国立研究所アントレプレナーフェロー

 

(情報教育研究支援センター・事務室)