研究室に興味を持つ学生の皆様へ
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はじめに
本ページの内容は主として, 本校電気工学科の学生で, 本研究室への配属を検討している, または迷っている学生に向けたメッセージです.
そのため, 4年生のエンジニアリングデザイン(以下では, プレ卒と略する. )と5年生の卒業研究(以下では, 卒研と略する. )の内容を中心に私の考えを述べていきます.
さらに2019年度には, 自主研究生として1名の学生を受け入れました. 学校のカリキュラム通りではなく, 本研究室の研究に興味がある学生には, 研究室への受け入れも実施していますので,
低学年(1-3年生)にもこのメッセージが届くことを期待しています.
このページを更新すること
私が本校に着任して丸7年が経ち, 4月から8年目になります. その間に2018年度の一年間は海外研修(サバティカル)に行き,
遠隔で学生の研究指導にあたるとともに, 研究者としての自分自身を磨いてきました. そして帰国後バタバタとしているうちに1年が経過しました.
私が何を考え, 振り返り, 次はどう研究指導していこうかと考えながら,
特に, これまでの経験が5年+1年(サバティカル)+1年という区切りになるので, 過去5年を振り返り, 海外で経験したことを活かし, そして未来に向けて, このページを更新しています.
さらに, 仕事(役職:総合情報 副センター長, 担任, 教務副主事, etc), 研究(室)環境, 獲得してきた予算などの状況も変化していきます.
そのため, 自分自身やその周辺を見直し, 常に成長し続けられるようにと考えています.
加筆修正がほとんどかもしれませんが, このページを更新することをそのきっかけにしています.
研究に必要な知識や技能を学ぶこと
どの研究室にもそれぞれの専門分野があります.
そのため, その専門分野に関連した科目をしっかりと履修しておくことは重要だと思います.
本研究室でしたら, 回路がメインなので回路系の科目, 数値計算に必要な数値解析, 回路は制御しないといけないので制御工学やプログラミング系科目,
回路素子の特徴を理解しないといけないので物性系の科目, 実験には計測が必要なので電気計測......
そう考えると, 「研究室配属に向けてどれだけ勉強しておかないといけないのだろうか?」と,かなり敷居が高く感じられるでしょう.
もちろん, 関連科目をしっかり理解しておくに越したことはありませんが, 必要十分条件ではありません.
本研究室に配属される学生に求めることは, これまでの勉強だけではなく, これからの勉強です.
配属されてから必要な知識や技能は練習して習得(修得)してもらいたいと考えています.
そのため, 他の研究室に比べて課題が多いように見えたり, 厳しいように見えたりしますが, あまり萎縮する必要はありません. 気軽に研究室の話を聞きに来て下さい.
知識や技能を学ぶ方法もいろいろあります.
すぐに思い付く方法は2つ:勝手に学びなさいという方法, 1から10まで手取り足取り教えるという方法だと思います.
どちらの方法が優れているという議論はしません. 私はそのちょうど良い所を実現できれば良いと考えています.
勝手に学びなさいという方法は, ほったらかしている訳ではなく, 実践を通して自ら考え学んでいくということです.
その方法により学んだ内容は, 深く自分の糧となり, さらに発展していくことが期待できます.しかし, この方法では, 時間や能力の制約により到達できない場合があります.
一方, 手取り足取り教えるという方法では, 短時間で正確に学ぶことができます.
しかし, ただただ与えられたことを知っただけ, 実施しただけでは, その知識や技能がそれ以上伸びることは難しいのではないでしょうか.
これらの一長一短を理解した上で, 本研究室ではちょうど良い塩梅で必要な知識や技能を学んでもらいたいと考えています.
自主研究(学年問わずご連絡ください)
課外活動と同じように, 本研究室の活動に興味のある方は, ぜひご連絡ください.
冒頭に述べたように, 2019年度は1名(3年生)を受け入れましたし, 2020年度もさらに1名(新3年生)を受け入れ予定です.
活動としては, 後述する5年生の卒研とほとんど同じですが, 成果をコンテストなどに出すことを目標にしています.
プレ卒(4年生後期)
4年生後期のプレ卒では, 「卒研に向けての準備」と「ものづくり」に取り組みます.
本研究室では, 「卒研に向けた準備」として, Linux演習と輪講(勉強会)を考えています.
Linux演習
本研究室のほとんどの計算機(パソコン)はLinuxマシーンです. 1年生の情報基礎, 2-3年生の情報処理で, Linuxを扱ってきたと思います.
しかしながら, それだけで完全に使いこなせることはないでしょう. 上述した通りですが, 配属されてから勉強して習得(修得)して下さい.
まずは文章を書くことから, 次にグラフ(図)を描くこと, 次に…という順に, 一つ一つ慣れて下さい.
全てを一人でこなすことは難しいと思います. 5年生の先輩を教育係として一人ずつに付けますので, その先輩に教えてもらって下さい.
もちろん, ただこなすだけでは身に付かないので, 主体性を持って実践して下さい. このLinux演習に関して, センター広報
[pdf]に詳細を掲載しましたので, 興味があれば参考までにどうぞ.
輪講(勉強会)
全員に関連する分野の輪講(勉強会)を実施します. 輪講では, 毎回交代で4年生が講師を務めます.
他の4年生と5年生と南はその講義を受けて, 全員で質問や議論を交わして進めます.
ものづくり
プレ卒のメインがこの「ものづくり」です. この「ものづくり」の目標は, 次年度のオープンキャンパスの展示(+デモンストレーション)です.
配属された4年生が一丸となって, 電気に関連するものを設計, 製作, 評価します.
どのようなものを製作しても構いませんが, 予算と能力と計画をしっかりと考えて下さい. 必要に応じて, 南や5年生がサポートします.
これまでの
エンジニアリングデザイン演習
卒研(5年生通年)
5年生になると本格的に卒研がスタートします. 4年生から5年生にかけて本研究室に配属が決まっていれば2月に, 5年生から新たに本研究室に配属が決まったら3月に, 卒研テーマを決めます.
卒業する5年生に担当していた卒研内容を話してもらい, それを聞いてもらってから, 個別ディスカッションを通して卒研テーマを決めます.
また, 5年生から研究室を移動してきた学生は, 4年生後期に本研究室で実施している「卒研に向けての準備」を並行して進めてもらいます.
卒研の目的
卒研の目的は何か?
シラバスによると, 「
特定のテーマを設定し, 授業等で修得した知識と技術を総合して自主的かつ計画的に指導教官のもとで研究を行う.
研究を通じて, 問題への接近の方法を理解し, 文献調査や実験, 理論的な考察などの問題解決の手順を修得して, 総合力およびデザイン能力を高める.
また, 研究成果を口頭で発表し論文にまとめることでコミュニケーション能力を身につける. 」ということが卒研の方針です.
要約すると,
1. 研究する(できるようになる),
2. 発表する(できるようになる), ということです.
この目的を達成するためには, 1「文献調査, 実験, 数値計算, 理論」, 2「文章執筆およびプレゼンテーション作成, 口頭発表, 質疑応答」が必要です. 研究室配属されてから, それぞれの能力を習得(修得)してもらいます.
研究テーマ
電力変換制御工学に関連した内容から研究テーマを創出します. 配属された卒研生の希望と南の考えの中で決めていく予定です.
テーマの詳細は, ここでは割愛します. 詳しく知りたい方は直接聞きに来て下さい.
これまでの
卒業論文のタイトル
輪講(勉強会)
4年生の輪講に参加して, 聞き役(指導役)をして下さい.
個別定期ディスカッション
一人一人に週一回1時間を目安に, 定期ディスカッションを設定しています.
定期ディスカッションでは, 個々人の取り組んでいる研究に関して様々なこと(文献報告, 実験状況, そのほかにも備品や消耗品の購入, 学会や論文発表のことなど)を議論します.
もちろん, そのほかに必要に応じて, 私の予定が空いていたら, 不定期にディスカッションも実施しています.
負担に感じるかもしれませんが, まとめていっぺんに進めようとするより, 私がナビゲーションしながら毎週毎週着実に進めていく方が, 確実かつ安心に卒研を実施しやすいと思います.
研究会(三研究室合同ゼミ)
南研究室では, 同分野の道平研究室と茂木研究室と連携しています. そして, 大学の大講座制と同様に, 週一回の研究会(三研究室合同ゼミ)を実施しています.
普段は私と個別ディスカッションを通して卒研を進めてもらいますが,
その進捗や成果, 困っていることなど, 研究に関する様々なことを研究会では発表してもらいます.
発表を通して, 発表の仕方の練習になったり, 分からない聴衆(三研究室のメンバー)への説明の仕方の練習になったりと, いろいろ勉強になります.
卒研に充てる時間
研究室(卒研室, 実験室など)で実働にあたる時間について述べます.
本校の制度上, 時間割に「卒業研究」というコマがあります. この時間は最低限, 研究室に居て下さい. もちろん他の科目と同様に出席も取ります.
この時間は, 学生も教員も確実に時間が確保されています. そのため, この時間を利用して, 各自の実験などに加えて, 輪講や研究会(三研究室合同ゼミ), 個別(不定期)ディスカッションなどを実施します.
(せっかく全員の時間が確保されているので, 個別定期ディスカッションは別日時に設定しています. )
しかし, 卒研を進める上で, この時間割の時間だけでは, 到底足りません. この時間の他にも, 放課後や空き時間を利用して卒研を進めて下さい.
卒研の時間以外は一切研究室に来たくないという方は, 本研究室は合わないと思います.
5年生は時間割の空き時間が多くあります. その時間を自分で考え, 有効に使って下さい. もちろん, 来たいときに来て, 休みたいときに休んで下さい.
ただし, 全く連絡がなく居ないことが多いと, 心配しますので, あらかじめ長期で休む場合はその予定をお知らせ下さい.
もちろん, 卒研室で研究以外のこと(例えば, 勉強, 談笑, パーティなど)をしていても(他の方の迷惑にならない範囲であれば)構いません.
自分の時間を自分で管理することも研究を実施する上で必要な能力になります. 遊ぶときには遊ぶことに集中する, 仕事(勉強や研究)をするときには, 仕事に集中する. 生活にメリハリをつけて下さい.
おわりに
本ページに書いたことは, あくまで一教員・一研究者としての意見に過ぎず, 神戸高専や所属学科の意見ではありません. また, 教員としても研究者としてもまだまだ未熟ですので, 今後の経験を通じて, 卒研についての考え方を随時, 改善していきます.
2020年3月17日 南 政孝
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