373 研究室に興味を持つ学生の皆様へ

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はじめに

 本ページの内容は, 神戸高専 電気工学科4年生以下の学生で, 本研究室への配属を検討している学生や研究室配属を迷っている学生に向けたメッセージです. そのため, 4年生のエンジニアリングデザイン(以下では, プレ卒と略する. )と5年生の卒業研究(以下では, 卒研と略する. )の内容について説明しています. 専攻科から本研究室への配属を検討している学生は個別に対応しますので, ご一報下さい.

研究に必要な知識や技能

 どの研究室にもそれぞれの専門分野があります. そのため, その専門分野に関連した科目をしっかりと履修しておくことは重要だと思います. そう考えると, 「研究室配属に向けてどれだけ勉強しておかないといけないのだろうか? 」と,かなり敷居が高く感じられるでしょう. もちろん, 関連科目をしっかり理解しておくに越したことはありませんが, 必要条件ではありません. 私が本研究室に配属される学生に求めることは, これまでの勉強(だけ)ではなく, これからの勉強です. 配属されてから必要な知識や技能は練習して習得(修得)してもらいたいと考えています. そのため, 他の研究室に比べて課題が多いように見えたり, 厳しいように見えたりしますが, あまり萎縮する必要はありません. 気軽に研究室の話を聞きに来て下さい.

配属の時期と移動

 電気工学科では, 4年生後期から研究室に配属されます. 配属の方法(優先順位)は, 担任の先生の考えで決まりますが, 大抵は成績順がベースになっています. 希望の研究室への配属を望むのであれば, しっかりと勉強しておきましょう. また, 希望が通らなかったとしても, それも何かの縁です. 配属された研究室でしっかりプレ卒, 卒研に取り組んで下さい.

 4年生後期の配属は, プレ卒のものであり, 卒研に向けての仮配属です. とはいうものの, ほとんどの学生さんが5年生の配属も同じ研究室を希望することが多いです. 4年生後期から仮配属されて, 半年間, 研究室でプレ卒に取り組みます. その中で, いろいろな想いがあって, 研究室を移動したい場合も出てくると思います. その場合は, 担任の先生や研究室の先生に相談の上, 5年生からの配属で研究室を移動することが可能です. もちろん, 配属の方法(優先順位)は, 成績順なので, 必ずしも希望通りになるとは限りません. 何度も言いますが, 希望が合おうが合うまいが, 配属された研究室でしっかり取り組んで下さい.

プレ卒(4年生後期)

 4年生後期のプレ卒では, 「卒研に向けての準備」と「ものづくり」に取り組みます. 本研究室では, 「卒研に向けた準備」として, Linux演習と輪講(勉強会)を考えています. (研究室によっては「卒研に向けての準備」をされない所もあります. それぞれの先生のお考えですので, 個別に聞いてみて下さい. )  

Linux演習

 本研究室のほとんどの計算機(パソコン)はLinuxマシーンです. 1年生の情報基礎や2, 3年生の情報処理でLinuxを扱ってきたと思います. しかしながら, それだけで完全に使いこなせることはないでしょう. 上述した通りですが, 配属されてから勉強して習得(修得)して下さい. まずは文章を書くことから, 次にグラフ(図)を描くこと, 次に…という順に, 一つ一つ慣れて下さい. 全てを一人でこなすことは難しいと思います. 5年生の先輩を教育係として一人ずつに付けますので, その先輩に教えてもらって下さい.  

輪講(勉強会)

 全員に関連する分野の輪講(勉強会)を実施します. 輪講では, 毎回交代で4年生が講師を務めます. 他の4年生と5年生と南はその講義を受けて, 全員で質問や議論を交わして進めます. この輪講は, 特別な事情がない限り1年を通して進めます.(新年度の前期までという意味です. )

 これまでの輪講(勉強会)  

ものづくり

 プレ卒のメインがこの「ものづくり」です. この「ものづくり」の目標は, 次年度のオープンキャンパスの展示(+デモンストレーション)です. 配属された4年生が一丸となって, 電気に関連するものを設計, 製作, 評価します. どのようなものを製作しても構いませんが, 予算と能力と計画をしっかりと考えて下さい. 必要に応じて, 教員(私)や5年生がサポートします.

 これまでのエンジニアリングデザイン演習

卒研(5年生通年)

 5年生になると本格的に卒研がスタートします. 3,4月の段階で個別ディスカッションを通してテーマを決めます. また, 5年生から研究室を移動してきた学生は, 4年生後期に本研究室で実施している「卒研に向けての準備」を並行して進めてもらいます.  

卒研の目的

 卒研の目的は何か?
 シラバスによると, 「特定のテーマを設定し, 授業等で修得した知識と技術を総合して自主的かつ計画的に指導教官のもとで研究を行う. 研究を通じて, 問題への接近の方法を理解し, 文献調査や実験, 理論的な考察などの問題解決の手順を修得して, 総合力およびデザイン能力を高める. また, 研究成果を口頭で発表し論文にまとめることでコミュニケーション能力を身につける. 」ということが卒研の方針です.

 要約すると, 1. 研究する(できるようになる), 2. 発表する(できるようになる), ということです.

 この目的を達成するためには, 1「文献調査, 実験, 数値計算, 理論」, 2「文章執筆およびプレゼンテーション作成, 口頭発表, 質疑応答」が必要です. 研究室配属されてから, それぞれの能力を習得(修得)してもらいます.  

研究テーマ

 電力変換制御工学に関連した内容から研究テーマを創出します. 配属された卒研生の希望と南の考えの中で決めていく予定です. 大まかには以下の3種類を想定しています.  上記テーマの詳細は, ここでは割愛します. 詳しく知りたい方は直接聞きに来て下さい.

   これまでの卒業論文のタイトル  

輪講(勉強会)

 4年生後期のプレ卒のところでも述べたように, 5年生前期の間は輪講を続けます. 後期からは, 4年生の輪講に参加して, 聞き役(指導役)をして下さい.

 これまでの輪講(勉強会)  

研究会(研究進捗報告会)

 普段は, 私と個別ディスカッションを通して卒研を進めてもらいます. その中で, 同じ研究室のメンバーにも, 自分が今, どのような研究を進めているのかを発表してもらいます. 発表を通して, 発表の仕方の練習になったり, 分からない聴衆(研究室のメンバー)への説明の仕方の練習になったりと, いろいろ勉強になります.

 さらに, 神戸高専 電気工学科では, 本研究室の他にも電力変換制御工学の研究室(道平研究室と茂木研究室)があります. これらの3研究室で, 合同研究会を実施しています. この研究会の意図も研究室内の研究会と同じように考えています.

卒研に充てる時間

 卒研に充てる時間は, 頭の中で考えている時間を含めると, 四六時中となってしまうので, ここでは, 研究室(卒研室, 実験室など)で実働にあたる時間について述べます.

 神戸高専の制度上, 時間割に「卒業研究」というコマがあります. この時間は最低限, 研究室に居て下さい. もちろん他の科目と同様に出席も取ります. この時間を利用して, 各自の実験などに加えて, 輪講や研究会(研究進捗報告会), 個別ディスカッションなどを実施します.

 しかし, 卒研を進める上で, この時間割の時間だけでは, 到底足りません. この時間の他にも, 放課後や空き時間を利用して卒研を進めて下さい. 5年生は時間割の空き時間が多くあります. その時間を自分で考え, 有効に使って下さい. もちろん,来たいときに来て, 休みたいときに休んで下さい. ただし, 全く連絡がなく居ないことが多いと, 心配しますので, あらかじめ長期で休む場合はその予定をお知らせ下さい.

 自分の時間を自分で管理することも研究を実施する上で必要な能力になります. 遊ぶときには遊ぶことに集中する, 仕事(勉強や研究)をするときには, 仕事に集中する. 生活にメリハリをつけて下さい.

おわりに

 本ページに書いたことは, あくまで一教員・一研究者としての意見に過ぎず, 神戸高専, 学科の意見ではありません. また, 教員としても研究者としてもまだまだ未熟ですので, 今後の経験を通じて, 卒研についての考え方を随時, 改善していきます.


   2015年3月17日 南 政孝
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