モデルと解釈
振動反応や被食者・捕食者関係は同じ数理構造のモデルとして考えることができる.よって,以下,被食者・捕食者関係の数理構造について考えてみよう.
ここでは,被食者・捕食者の関係を単純化して,ロトカ-ボルテラ方程式として扱ってみよう.被食者の個体数をx,捕食者の個体数をyとすると,
dx/dt |
= (出生数) - (餌になる)
= rx - axy = ax・(r/a - y)
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(1) |
dy/dt |
= (餌が見つかる) - (飢え死に)
= bxy - cy = by・(x - c/b).
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(2) |
ここで,rは被食者の出生率,a,bはそれぞれ被食者が餌になって減少する,捕食者が餌を見つけて繁殖する割合,cは捕食者の死亡率である.もし,人間がwの割合で両者を捕獲することを考えると,この方程式は以下のようになる.
dx/dt |
= rx - axy - wx
= ax・(r/a - y - w/a)
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(3) |
dy/dt |
= bxy - cy - wy
= by・(x - c/b -
w/b).
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(4) |
(1),(2)の連立微分方程式の解の特性を調べてみると,y軸のr/aを境に,y < r/aではdx/dt
> 0,r/a < yではdx/dt <
0,また,x軸のc/bを境に,x
< c/bではdy/dt < 0,c/b
< xではdy/dt > 0となっている.
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