解説03:ロトカ-ボルテラ方程式


モデルと解釈

 振動反応や被食者・捕食者関係は同じ数理構造のモデルとして考えることができる.よって,以下,被食者・捕食者関係の数理構造について考えてみよう.

 ここでは,被食者・捕食者の関係を単純化して,ロトカ-ボルテラ方程式として扱ってみよう.被食者の個体数をx,捕食者の個体数をyとすると,

dx/dt

= (出生数) - (餌になる)

= rx - axy = ax・(r/a - y)

(1)
dy/dt

= (餌が見つかる) - (飢え死に)

= bxy - cy = by・(x - c/b).

(2)

ここで,rは被食者の出生率,abはそれぞれ被食者が餌になって減少する,捕食者が餌を見つけて繁殖する割合,cは捕食者の死亡率である.もし,人間がwの割合で両者を捕獲することを考えると,この方程式は以下のようになる.

dx/dt

= rx - axy - wx

= ax・(r/a - y - w/a)

(3)
dy/dt

= bxy - cy - wy

= by・(x - c/b - w/b).

(4)

 (1),(2)の連立微分方程式の解の特性を調べてみると,y軸のr/aを境に,y < r/aではdx/dt > 0,r/a < yではdx/dt < 0,また,x軸のc/bを境に,x < c/bではdy/dt < 0,c/b < xではdy/dt > 0となっている.


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