解説02:被食者・捕食者の関係


種間の相互作用(被食者 - 捕食者系)

現実の記録

 1914〜1923年の10年間で地中海の漁港に水揚げされた,総漁獲高に対する軟骨魚(鮫等)の割合(%)を見てみよう.第1次世界大戦中(1914〜1918)は漁業が控えられ,総漁獲高は減少しているのにも関わらず,軟骨魚,つまり魚を補食する魚の割合が増加している.人間に捕獲されることが減り,普通の魚が増加するかと思いきや,魚を補食している軟骨魚が増加していることがうかがえる.

 次に,カナダのハドソン貿易会社で取り引きされた毛皮数を見てみよう.この数は山に生息するそれぞれの種の個体数を反映していると考えることができる.兎(被食者)と山猫(捕食者)の個体数はほぼ同じ周期で増減しており,かつ,極値が微妙にずれているようにみうけられる.


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