3.シミュレーション解析と試作実験結果
3-1 動作確認
2次側PWM制御DC-DCコンバータの動作確認をシミュレーション解析により行った。シミュレーションに用いた回路の各パラメータは表1に示す通りである。
得られた動作波形を図8に示す。図8(a),(b)はそれぞれ高周波トランス1次側電圧波形、高周波トランス1次側電流波形である。
これらの図より、トランス電圧V1が反転しても、インバータ電流i1は反転せず、急激にゼロまで減少し、環流期間に循環電流が流れていないことが理解できる。
図9にシミュレーションによる出力電圧制御特性を示す。横軸を位相差角φ(deg.)で、縦軸は出力電圧Eoを直流電源電圧Eで正規化した値Eo*を示している。
この図から、2次側PWM制御により出力電圧が負荷に関係なく、線形的に広いPWM範囲で制御されていることが確認できる。
次に、表1とほぼ同様のパラメータを用いて2次側PWM制御DC-DCコンバータを試作した。これより得られた出力制御特性を図10に示す。
この図からも、同様のことが確認できる。
次に、試作実験により得られた実測波形を図11に示す。
これらの波形からも原理通りの動作がなされていることが確認できる。また、これらの波形が図12のシミュレーション波形とほぼ一致することから、シミュレーションにより得られる解析結果も妥当と考えられる。