第3章 ソフトスイッチング技術

3.1 高周波化によるメリット

 電力変換装置の高周波化の実現は、パワーデバイスの性能向上だけでなく、マイクロプロセッサやディジタルシグナルプロセッサ、またA/D、D/A変換器といった周辺機器の高性能化にも依るところが多い。これらを含め、電力変換装置のスイッチング速度の高周波化により得られるメリットとして以下のような事が挙げられる。

●各スイッチング周期内の処理電力を抑えることにより、インダクタンスやキャパシタンス  などの受動素子の小型・軽量化が実現できる。
●スイッチング回数の増加により、リアルタイム制御のような高速制御系による出力電力制 御が実現された。この結果、高品質な出力電力が得られるようになる。
●スイッチング周波数が、可聴周波数領域を超えると、フィルタや高周波トランスの磁歪な どによる騒音が発生せず、低騒音化が実現できる。

 このように、高周波化により得られるメリットは主回路的にも制御回路的にも多く、特にシステムの小型・軽量化や現代制御理論の導入による高機能化、メンテナンスフリー化といった実際応用面上での大きな効果を生んだといえる。



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