5.最大電力追従制御も含めた解析方法
5−5.シミュレーション結果及び比較検討
得られた実データを式(1)に代入し、従来制御方式である山登り制御方式と一定電圧制御方式、提案方式である基準電圧制御方式を用いてDC/DCコンバータを制御し、50秒間のシミュレーションを行った。図15に、各シミュレーションの結果から得られた太陽光発電の出力電圧を示す。また、図16は各シミュレーションから得られた電圧−電力特性を示し、各出力結果の比較を行った。山登り制御方式では常に理想的な電圧を追従できているが電圧変動率が大きく、また一定電圧制御は電圧変動率は小さいが動作電圧は最適電圧とはかけ離れていたことがわかる。しかし基準電圧制御では、電圧変動率も小さく最大電力点を追従できていることがわかる。よってこれらは、各最大電力追従制御方式の特徴が出たものとなった。この結果では、基準電圧制御方式が突然の日射量に伴う追従失敗の危険性を回避する事を確認できていないが、今後詳細に解析を行う予定である。また結果より基準電圧制御において、出力電圧の変動幅も小さく安定して最大電力点に追従していることがわかる。よって、太陽光発電の制御方式として基準電圧制御方式を用いることは有効であると言える。
(a) 山登り制御方式
(b) 一定電圧制御方式
(c) 基準電圧制御方式
図15 各最大電力追従制御のおける太陽電池パネルの出力電圧
(a) 山登り制御方式
(b) 一定電圧制御方式
(c) 基準電圧制御方式
図16 各最大電力追従制御における電圧−電力特性