3.実データの再構成
シミュレーションの際には日射量と表面温度の天候条件が必要となるが、ATPのツールを使用して作成した天候条件では実際の天候条件とかけ離れている。よって本研究ではシミュレーションを実際のものにより近づけるため、ATPのツールで作成した仮想的な天候条件を用いるのではなく、実際の天候条件のデータを使用して解析を行う。
図3 実天候条件を用いたシミュレーション方法
シミュレーション方法は図3に示すように、ATPのプログラムに日射量計や熱電対から得られる日射量と表面温度の実データを組み込むことによって実現する。これにより太陽光発電システムのシミュレーション解析に過渡現象を含めることが可能となる。
しかし、すでに知られているように測定された日射量のデータは方程式(2)に示すような日射量計の応答速度によって歪みを受ける。
ただし、式中のRI(s)=実際の日射量、MI(s)=測定された日射量、G=日射量計のゲイン定数、T=時定数である。本研究で用いた日射量計のパラメータはG=1.0、T=5.67のものを使用した。よって式(2)より実際の日射量RI(s)は式(3)のように定義される。
図4には測定された日射量から実際の日射量への再構成を行った結果を示す。本論文のシミュレーションで使用するすべての日射量データは、測定されたデータを式(3)によって再構成したものを用いる。
シミュレーション方法は図3に示すように、ATPのプログラムに日射量計や熱電対から得られる日射量と表面温度の実データを組み込むことによって実現する。これにより太陽光発電システムのシミュレーション解析に過渡現象を含めることが可能となる。しかし、すでに知られているように測定された日射量のデータは方程式(2)に示すような日射量計の応答速度によって歪みを受ける
図4 日射量データの再構成