g(t)のフーリエ成分をG(f)としましょう。
g(t)をt1だけ移動させたもの(t1だけ遅らせたもの)は、g(t-t1)と書けます。
g(t-t1)のフーリエ成分は、次になります。
これより、時間軸上をずらした信号のフーリエ像関数G(f)の絶対値は、
IG(f)I
になります。
つまり、信号が時間軸上で移動してもしなくても、そのフーリエ像関数の絶対値は変わりません。
従って、フーリエ像関数の絶対値、またはその二乗を使ったスペクトラムのパターンを信号の認識に使うような場合、信号の時間原点のずれを気にする必要が無くなります。
これは、(3.2)フーリエ係数の絶対値の分布は時間原点の移動に無関係、という性質と同じで、信号認識に利用されます。
⇒(FORWARD)(5.2.1)フーリエ変換の性質2(移動則)の利用
また、g(t)とg(t-t1)とのフーリエ像関数G(f)の偏角の差を出せば、それから信号のずれを求めることができます。