解説08:自然現象のモデル化


自然科学におけるモデル化と数学

 授業では以上述べてきたようなことを中心に,振動反応を九鬼が,被食者-捕食者系とシミュレーションを児玉が担当し,最後に自然科学のモデル化と数学の関わりをまとめとして提示している.ここで,赤色で示した部分が,いわゆる,学校での教科として学ぶ部分である.

 このように,自然科学を理解するときにカギとなるのは物事の関連性であり,自然科学の面白さや醍醐味は,数学や物理等のいわゆる学校で勉強する教科がオーバーラップしてくるところ,つまり,それぞれの教科が有機的につながっていく,教科の外側にあるのではないだろうか.勉強を教える側は,この部分の面白みを伝えながら,なぜ,この教科を勉強するのかも示して行かなければならないのではないだろうか.

 もちろん,学校で学ぶ教科をしっかり理解していないと,「自然科学の面白さや醍醐味」以前の問題ではある.

参考文献

  1. 厳佐 庸,「数理生物学入門」,HBJ出版局.
  2. D. バージェス・M. ボリー,「微分方程式で数学モデルを作ろう」,日本評論社.
  3. A. A. ベリーマン,「個体群システムの生態学」,蒼木書房.
  4. 藤井 宏一・嶋田 正和・川端 善一郎,「シャーレを覗けば地球が見える」(シリーズ 共生の生態学2),平凡社.
  5. N. ホール,「カオスの素顔」,講談社ブルーバックス.


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