解説06:害虫の大発生


意外な結果?!(大発生)

 害虫と,これをを捕食する益虫がいる畑に農薬を散布することを考える.農薬を散布すると確かにいったん害虫は減少する.しかし,これをロトカ-ボルテラ方程式で考察してみると意外な結果を招くことが理解できる.

 いったん農薬を散布してしまうと害虫・益虫ともに個体数が減少し,個体数の周期運動の半径,つまり,振れ幅を大きくしてしまう.その結果,定期的に農薬を散布し続けない限りは,害虫の大発生を招いてしまうことになる.この例などは,直感的な感覚と実際にモデルを作って考えた結果とが大きく食い違い,モデル化や数学の意味を説明するための格好の題材と言える.


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