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答えを見る前に
電気計測(E3)および計測工学(D3)の授業中に, 「レポート問題の解答が欲しい」という意見が多く, 解答の一部を作成することにしました.
しかし, そもそもレポート問題には解答をつけるつもりはありませんでした. その理由は授業の中に話した通りです.
ここでは, その話を繰り返さず, 私が大学1回生の頃に感銘を受けた文章を以下に引用します.
この教科書は, 電気回路の演習問題集です.
大学受験を終えたばかりの大学生に向けたコメントですが, 今のあなたたちにも通じるものがあると思います.
この文章を読んだ上で, 解答を参照するようにしてください.
奥村浩志, 佐藤亨, 北野正雄, 電気電子工学基礎演習, (京都大学工学部電気電気工学科, 2004), 第0章. から引用.
--- 引用ここから ---
みなさんは, これまでどのように, 問題集の問題を解いてきましたか?
とにかく答えが求まると, すぐに解答のページを開いて, 正解を探し, たまたま合っていれば,
直ちに次の問題に移っていたのではありませんか. 間違った場合や, 解答途中でも, 正解を覗いてしまうと,
何となく解けた気になってしまいます. こんな様子で問題を次から次にこなしてみても,
実はあまり力はつかないのです.
この習慣からの脱却は大変困難で, 大学でも相変わらず同じ調子で教科書や演習書の問題を解いている人が大半です.
もともと大学の教科書や演習書には, 解答がついていないのが普通でしたが, 最近の学生の要望で,
巻末に解答のついた教科書が増えてきました.
出版社の担当者の話しによると, 答えがないと親から問い合わせもしばしばくるそうです.
さらには, 解答が準備されていない問題は解いても仕方がないという人まで出てくる始末です. 本末転倒の典型ですね.
みなさんが, 将来専門家として取り組むであろう実際の問題には, 解答集といったものはついてきませんから,
その正しさは自分自身で調べなければならないのです.
そこでは, 高校モードの解き方では全く歯が立ちません.
この演習書を利用するにあたっては, 高校モードからギアを切替えて, 答えを求めるだけではなく,
答を吟味し, 正しさを検証するという部分に十分な時間と手間をかけて欲しいと思います.
参考のために検証の手法を列挙してみましょう.
1 再計算
単に計算をもう一度見直すだけなので簡単に行なうことが出来る.
ただし, 導出過程をていねいにノートに書いておかないと, 見直しができない.
2 代入
方程式を解いたような場合は, 解を元の方程式に代入すれば, 正しさが簡単にチェックできる.
3 次元
時間や電流といった次元をもつ量の計算の場合, 両辺, あるいは各項の次元が合っているかチェックするのは,
簡単かつ有効. 途中での間違い探しにも使える.
4 特別な場合
ある変数に特殊な値を代入して, より簡単な問題に帰着させてみる. たとえば回路の場合, ある抵抗の値を0や
無限大にして, 矛盾が出ないか調べてみる. 2,3の場合について一致すれば, 答えに自信が持てる.
5 対称性
問題に何らかの対称性がある場合, 結果の式にそれに対応した対称性が現れているか調べる. 双対性も対称性の一種である.
6 定性的振る舞い
答から一歩しりぞいて, 正であるべきものが負の値をとる, 実数であるべきものが複素数である,
有限であるものが発散している, など常識に照らしておかしいところがないか調べる.
「この答, 物理的に見ておかしい. 」というのは, この種の判断である.
7 独立な解法
できるだけ異なった方法で同じ問題を解いてみる.
独立した方法で答が一致すればかなりの確率で正しいといえる. かなりエネルギーを要する作業であるが,
もっとも生産的な方法であろう. 「一流の科学者は1つの問題を5つの方法で解くことができる人」ともいわれている.
1つの問題を多角的に追求する過程でしばしば新しい発見が生まれる.
どの方法を選ぶかは, 問題の性質や状況に依存しますが, 要は, 1つ1つの問題を大切にして,
いろいろな方向から眺めたり, 触ったりしてみる, 自分の答えに納得するまでは, 安易に答え合わせをしない,
ということを心がければいいのです.
--- 引用ここまで ---
以下に上げる解答は略解ですので, その解答のみをテストで回答しても点数はありません
途中の過程を重要視してます.
解答例
- 通年 電気計測 (E3 必修), 計測工学 (D3 必修) (2013/12/6), (演習問題)
演習問題 誤植 問10(c) ×$\frac{P}{Q}$○$\frac{P}{Q_{2}}$
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