5.最大電力追従制御も含めた解析方法
5−2.最大電力追従制御

 太陽光発電から効率よく電力を得るためには最大電力追従制御が必要であり、従来から提案されている制御方式において山登り制御方式と一定電圧制御方式の2種類が報告されている。
 山登り制御方式は、実際に太陽光発電から出力される電圧・電流を検出し電流を小刻みに変動させ、制御前と制御後の電力を比較し、動作点を最大電力点まで追従させる方式で、常に理想的な動作点を追従できるという特徴を持っている。しかしながら、制御の構成が複雑で日射量の変動に伴う追従失敗の危険性が高いと報告されている。また一定電圧制御方式は動作点の電圧を一定値に固定してコンバータを動作させる方式で、特徴として制御方式が簡単で安定しているがほとんどの時間で出力電圧と太陽光発電の最適電圧が異なる。そこで本研究では、従来の制御方式とは異なる基準電圧制御方式と呼ばれる新しい制御方式を提案する。
 基準電圧制御方式は図11に示す概念図にそって制御を行う。この方式は太陽光発電のパネルの表面温度を検出し、その表面温度における太陽光発電の最適電圧を基準電圧として決定させ、その電圧から最大電力点の検出を行う。制御の特徴としては、急変する日射量に依存しない表面温度を基準として最大電力点を求めるため、追従失敗の可能性もなく理想に近い動作点に追従することができる。よって、基準電圧制御方式は山登り制御方式の持つ常に理想的な動作点を追従できるという特徴と一定電圧制御方式の持つ安定した制御性を持つという特徴の両方の利点を兼ね備えた制御方式であると言える。



図11 提案する基準電圧制御方式の概念図

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