(3)フーリエ級数

(BACKto)フーリエ変換目次

(3.1-1)フーリエ級数の性質1の応用  

フィルター出力とフーリエ級数

 フィルターで、ある周波数領域の信号を通さないようにしたときの応答は、
フーリエ級数において、通さない周波数領域のフーリエ係数をすべて0とすればよい、ということになります。
たとえば、矩形波を基本波(n=1の正弦波)しか通さないようなフィルターに通せば、
下図のN=1の場合の信号が出てきます。
また、二次高調波(n=2の正弦波)まで通すようなフィルターに通せば、
下図のN=2の場合の信号が出てきます。


歪み率(全高調波歪み率THD)の定義

 電圧増幅器、電力増幅器、あるいはAD変換器などでは出力の忠実性が重要です。
しかし構成素子の非線形性のため信号に歪みが生じ忠実度が落ちます。
ある周波数の正弦波を入力とするとき、出力が歪むということは、出力に基本波のほかに高調波もあるということを意味します。
 どのぐらい歪みがあるかを、
基本波の実効値に対する基本波を除く全高調波の実効値の比、
つまり、基本波のrms(root mean square:二乗平均の根)に対するその他の全高調波による合成波のrmsの比、
で表し、これを、 全高調波歪み率(THD:Total Harmonic Distortion)といい、次の二つが用いられます。

 全高調波歪み率とは、基本波のエネルギに対する基本波を除く全高調波のエネルギの比とも言えます



(FORWARD)(3.2)フーリエ級数の性質2