(BACKto)フーリエ変換技術目次

(5.4)フーリエ変換の性質4(たたみこみ)


(5.4.3)フーリエ変換の性質4(たたみこみ)の利用3(打ち切り窓)

 窓関数

 フーリエ周波数解析するために信号を取り込む場合、無限に長い時間の信号を取り込むわけにいきませんから、ある時間間隔で打ち切らざるをえません。
 打ち切るための関数を窓関数、または打ち切り関数といい、以下の二つ(矩形の窓関数、Hanningの窓関数)がよく使われます。
 下図は、矩形の窓(Dirichlet'sWindowディリクレ窓)関数とそのフーリエ成分です。
計測時間Aの信号、ということは、このような打ち切り関数を掛けられた信号、ということです。
打ち切り関数の周波数関数の特性がそのまま周波数分解能の特性になっています。
このような窓関数で打ち切られた信号のフーリエ成分は、元の信号g(t)のフーリエ成分G(f)と打ち切り関数w(t)のフーリエ成分W(f)とのたたみこみW(f)*G(f) になります。
 下図は、Hanningの窓関数0.5(1+cos(2πt/A))とそのフーリエ成分です。
この窓関数のフーリエ成分は、同じ打ち切り間隔の場合、ディリクレ窓関数のフーリエ成分と比べて、中心周波数辺りの成分0までの幅が2倍と広く、また振動は中心周波数から離れると速く小さくなることが判ります。
従って、周波数分解能が要求される場合には、このような窓が掛けられます。
 そのほかにHamming、Blackman、Kaiser(ケーザー)の窓が有名です。  ⇒各種窓関数の特性

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