科 目 | 電子応用 ( Applied Electronic Engineering ) | |||
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担当教員 | 髙田 崚介 准教授 | |||
対象学年等 | 電子工学科・5年・前期・選択・2単位【講義】 ( 学修単位II ) | |||
学習・教育 目標 |
A4-D2(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
さまざまな入出力装置を利用して人の五感や人の振る舞いに作用し,コンピュータと情報をやり取りできる装置である「ヒューマン・インタフェース」について設計・評価方法を学び,実例を交えてヒューマンエラーの種類を学ぶ.そのために必要な人間の情報処理モデルも学ぶ. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-D2】 人間の情報処理モデルが理解できる. | 2 | 【A4-D2】 ユーザインタフェース設計を理解できる. | 3 | 【A4-D2】 ユーザインタフェース評価を理解できる | 4 | 【A4-D2】 ヒューマンエラーの種類と原因,対策が理解できる. | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | ヒトの感覚器メカニズム,その処理について理解しているかを中間試験・定期試験・レポートにて評価する. | |
2 | 適切なユーザインタフェースの設計方法を理解できているか,中間試験・定期試験・レポートにて評価する. | |||
3 | 適切なユーザインタフェースの評価方法を理解できているか,中間試験・定期試験・レポートにて評価する. | |||
4 | ユーザの入力に誤りが含まれていた場合の原因とその対策ついて理解できているか,中間試験・定期試験・レポートにて評価する. | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験70% レポート30% として評価する.試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする. | |||
テキスト | 「イラストで学ぶヒューマンインタフェース」,北原義典(講談社) 配付プリント |
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参考書 | 「イラストで学ぶ認知科学」,北原義典(講談社) 「誰のためのデザイン?,D.A.ノーマン(新曜社) 「失敗から学ぶユーザインタフェース 世界はBADUI(バッド・ユーアイ)であふれている」,中村聡史(技術評論社) 「認知バイアス辞典」,山崎,宮代,菊池(フォレスト出版) |
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関連科目 | D3「計測工学」,D4「応用数学,数値解析」,D5「電子計測」 | |||
履修上の 注意事項 |
本科目では,机上での理論の理解に加え,学生自らが積極的に実践をおこなうことを期待する. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | ヒューマンインタフェース概論 |
人間が道具を使い始めたときから「ユーザインタフェース」という概念は生じていた.この言葉は,特に近年はコンピュータと人の会話手段を指して用いられている.これまで学んだ電子工学からコンピュータについて説明し,人のためのコンピュータおよびそのかかわり方を学ぶ. | |
2 | コンピュータとヒューマンインタフェース |
コンピュータの進化によって,より人が使いやすいインタフェースが登場した.特にグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の登場は革命的であり,身近に利用されている.GUIを発展させた種々のインタフェースもあり,これらインタフェースの歴史的変遷を学ぶ. | |
3 | 人間の情報処理モデル |
近年は人間の感覚器(センサ)およびその情報処理過程が明らかになってきている.我々の体自身のインタフェースについて学び,特にヒックの法則,フィッツの法則,キーストロークレベルモデル等,我々の特性を明らかにしたモデルを学ぶ. | |
4 | ヒューマンエラーとBADUI |
コンピュータの操作のエラーには,コンピュータ自身に起因するエラーおよびユーザに起因するエラーが存在する.このうちユーザ起因のエラーの事例およびその理由について学び,対策方法を学ぶ.また,ついついエラーを誘起してしまう世の中に溢れるBADUIの事例を学ぶ. | |
5 | 人間中心設計 |
ユーザインタフェースの上位概念としてユーザエクスペリエンス(体験)中心的な設計が叫ばれている.ユーザにとって「気持ち良い」インタフェースとはなにか,どのように設計すればよいかを学ぶ. | |
6 | 入出力系設計 |
ユーザとコンピュータが相互に情報を伝えるための入出力インタフェースについて,その種類および特性を学び,適切な入出力インタフェースを選択・評価する方法について学ぶ. | |
7 | 演習 |
これまでの授業に関連した,アプリケーション制作演習を行う. | |
8 | 中間試験 |
第1~7回までの内容について試験する. | |
9 | 中間試験の返却・解説と概論 |
中間試験の返却・解説を行うとともに,10回目~14回目に扱うトピックスについて概要を説明する. | |
10 | インタラクション系設計 |
ユーザとコンピュータが双方向に入出力を行う「インタラクション」について,適切な分析・設計ができるように事例を交えて解説する. | |
11 | ユーザのアシストとユーザビリティ評価 |
ユーザが望む体験を提供するために,ヘルプやチュートリアルのようなマニュアル的な習熟手法から,明示的・暗黙的にユーザをAI等が補助する方法を学ぶ.またユーザインタフェースを設計・実装した際に,その使用感やエラー率を正しく評価することで,改善を図ることができる.評価の指標や手法,解析方法を学ぶ. | |
12 | VRとメタバース |
メディアの歴史を学び,メディアの一例として近年隆盛しているバーチャルリアリティ(仮想現実感)やメタバースの定義や事例や,メディアを通した人間の体験や知覚への影響を学ぶ. | |
13 | GUIデザイン演習 |
第2回で学んだGUIについて,視覚的な理解が簡単であり,ユーザの受容性が高く,ヒューマンエラーをコントロールしやすいという特徴を学ぶ.また,GUIで実装されるウィジェットの種類やメタファに基づくアイコン設計を学ぶ.さらに,Figmaを用いたGUIプロトタイピング演習を行う. | |
14 | インタラクションの拡張 |
近年,技術の進歩によりVRやAR,ウェアラブルコンピューティング等の様々な形のインタラクションが登場している.各種インタラクションについて特徴や今後の展望を学ぶ. | |
15 | 総括 |
これまで学んだヒューマンインタフェースについて総括する. | |
備 考 |
前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後の自己学習が必要である.本科目は事前に授業の内容をテキストを用いて予習し,事後に授業で学んだトピックスに関連する事例の調査をレポートにまとめ,報告する必要がある. |