【 2025 年度 授業概要】
科   目 有機化学Ⅰ ( Organic Chemistry I )
担当教員 小泉 拓也 教授
対象学年等 応用化学科・2年・通年・必修・2単位【講義】 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-C1(100%)
授業の概要
と方針
有機化合物(アルカン,シクロアルカン,アルケン,アルキン,芳香族化合物,有機ハロゲン化合物)の構造と命名,物理的性質,合成法,反応性などを中心に有機化学の基本的な事項および理論を学習する.アルコールの構造と命名について学習する.



1 【A4-C1】 有機化合物の構造と結合について理解でき,飽和炭化水素(アルカン,シクロアルカン類)の命名法を修得する.
2 【A4-C1】 不飽和炭化水素(アルケン,アルキン類)の命名法を修得し,構造・合成法・性質・反応について理解できる.
3 【A4-C1】 芳香族化合物(ベンゼンおよびその誘導体)の命名法を修得し,構造・合成法・性質・反応について理解できる.
4 【A4-C1】 立体化学に関する基礎知識を修得し,光学異性体の構造・命名が記述できる.
5 【A4-C1】 有機ハロゲン化合物の命名法を修得し,構造・合成法・性質・反応について理解できる.
6 【A4-C1】 アルコール類(アルコール,フェノール)の命名法を修得し,構造について理解できる.
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1 飽和炭化水素の命名法や反応理論を理解し説明できるか,小テストと演習問題解答レポートと前期中間試験で評価する.
2 不飽和炭化水素の命名法や反応理論を理解し説明できるか,小テストと演習問題解答レポートと前期定期試験で評価する.
3 芳香族化合物の命名法や反応理論を理解し説明できるか,小テストと演習問題解答レポートと後期中間試験で評価する.
4 立体化学に関する定義,光学異性体の構造・命名が記述できるか,小テストと演習問題解答レポートと後期中間試験および後期定期試験で評価する.
5 有機ハロゲン化合物の命名法や反応理論を理解し説明できるか,小テストと演習問題解答レポートと後期定期試験で評価する.
6 アルコール類の命名法,構造について理解し説明できるか,小テストと演習問題解答レポートと後期定期試験で評価する.
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成績は,試験80% レポート10% 小テスト10% として評価する.試験成績は4回の試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.なお,原則として未提出レポートがあった場合は不合格とする.
テキスト 「ハート基礎有機化学」:H.ハート・L.E.クレーンら 共著・秋葉欣哉ら 共訳(培風館)
参考書 「化合物命名法-IUPAC勧告に準拠-第2版」:日本化学会命名法専門委員会 編(東京化学同人)
関連科目 C1 化学, C2 無機化学I, C2 分析化学I
履修上の
注意事項
応用化学科の基礎科目の一つです.試験のためだけの知識としないようにしてください.

【授業計画( 有機化学Ⅰ )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 有機化学のガイダンス,原子の電子構造
有機化学の領域や本質について興味ある話題を提供しながら解説する.化学の基本である原子の電子構造を電子殻や原子軌道理論を使って説明する.
2 有機化合物の構造と結合(1)
化学結合(イオン結合,共有結合,配位結合)について解説する.分子式や構造式の書き方について解説する.基本的な飽和炭化水素の命名法(IUPAC命名法)を解説する.
3 有機化合物の構造と結合(2)
原子価,構造異性,形式電荷,共鳴構造について解説する.基本的な飽和炭化水素の命名法(IUPAC命名法)を解説する.
4 有機化合物の構造と結合(3)
炭素原子のσ結合とsp3混成軌道について解説する.種々の反応性を持つ官能基について解説する.基本的な飽和炭化水素の命名法(IUPAC命名法)を解説する.
5 アルカンとシクロアルカン(1)
飽和炭化水素化合物であるアルカンの構造と命名法(IUPAC命名法),シクロアルカンの構造と命名法(IUPAC命名法),アルカンの物性と非結合性分子間相互作用について解説する.
6 アルカンとシクロアルカン(2)
アルカンの立体配座,シクロアルカンの立体配座について解説する.アルカンとシクロアルカンの酸化反応について解説する.
7 アルカンとシクロアルカン(3)
アルカンとシクロアルカンのハロゲン化反応,およびラジカル置換反応について解説する.
8 中間試験
1週目から7週目までの内容で中間試験を行う.
9 中間試験解答,アルケン(1)
中間試験解答を解説する.不飽和炭化水素(アルケン)の構造と命名法について解説する.
10 アルケン(2)
アルケンの結合であるπ結合とsp2混成軌道について解説する.cis-trans異性体について解説する.
11 アルケン(3)
アルケンへの求電子付加反応とMarkovnikov則について解説する.
12 アルケン(4)
アルケンの酸化反応について解説する.共役ジエンの付加反応とDiels-Alder反応について解説する.
13 アルキン(1)
アルキンの構造と命名について解説する.
14 アルキン(2)
アルキンのsp混成軌道,アルキンへの求電子付加反応について解説する.
15 アルキン(3)
アルキンの酸性度について解説する.
16 芳香族化合物(1)
芳香族化合物の構造と命名(IUPAC名,慣用名)を解説する.芳香族化合物の共鳴構造と軌道モデルについて解説する.
17 芳香族化合物(2)
ベンゼンの共鳴エネルギーについて解説する.芳香族化合物における求電子置換反応について解説する.
18 芳香族化合物(3)
芳香族化合物における求電子置換反応に対する置換基の反応性と配向性について解説する.置換基の誘起効果と共鳴効果について解説する.
19 芳香族化合物(4)
芳香族ジアゾニウム化合物の合成法と利用法について解説する.
20 芳香族化合物(5)
多環式芳香族化合物,複素環式芳香族化合物の構造と命名を解説する.
21 立体化学(1)
キラリティ,対掌体,不斉炭素について解説する.R-S表示法,E-Z表示法について解説する.
22 立体化学(2)
Fischer投影式について解説する.ジアステレオマーおよびメソ化合物について解説する.
23 中間試験
16週目から22週目までの内容で中間試験を行う.
24 中間試験解答,立体化学(3)
中間試験解答を解説する.立体化学と化学反応性および光学分割法について解説する.
25 有機ハロゲン化合物(1)
有機ハロゲン化合物の構造と特徴,および命名(IUPAC名,慣用名)を解説する.有機ハロゲン化合物の合成法について解説する.
26 有機ハロゲン化合物(2)
有機ハロゲン化合物における求核置換反応(SN2とSN1)について解説する.
27 有機ハロゲン化合物(3)
有機ハロゲン化合物における脱離反応(E1とE2)について解説する.
28 有機ハロゲン化合物(4)
有機ハロゲン化合物における求核置換反応と脱離反応の競争反応について解説する.
29 有機ハロゲン化合物(5)
多ハロゲン置換された脂肪族化合物について解説する.
30 アルコール,フェノール
アルコール,フェノールの命名法,分類,構造について解説する.アルコール,フェノールの水素結合について解説する.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.