科 目 | 技術者倫理 ( Mechanical Engineering Ethics ) | |||
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担当教員 | 福井 智史 教授 | |||
対象学年等 | 機械工学科・5年R組・後期・必修・1単位【講義】 ( 学修単位I ) | |||
学習・教育 目標 |
D1(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
科学技術の発展は,人類の生活を豊かにするが,時に予期せぬ事故や公害をもたらす.本講義では,基礎的な技術者倫理を学び,技術者が果たすべき社会的責任について理解することで,技術者に求められる倫理観を身に着ける. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【D1】 技術者は,専門職として重大な社会的責任を負っていることを理解できる. | 2 | 【D1】 科学技術は,予期せぬ形で人間や自然を害する可能性があることを理解できる. | 3 | 【D1】 各種学協会が定めている行動規範,および技術者の説明責任など,技術者倫理において必須の基礎的事項を理解している. | 4 | 【D1】 ナノテクノロジー,バイオテクノロジー,および情報技術など,新興分野における技術者倫理の概要を理解している. | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 講義中のケーススタディと討論をもとに,適宜レポートを提出させ評価する.加えて,中間試験・定期試験でも評価する. | |
2 | 講義中のケーススタディと討論をもとに,適宜レポートを提出させ評価する.加えて,中間試験・定期試験でも評価する. | |||
3 | 講義中のケーススタディと討論をもとに,適宜レポートを提出させ評価する.加えて,中間試験・定期試験でも評価する. | |||
4 | 講義中のケーススタディと討論をもとに,適宜レポートを提出させ評価する.加えて,中間試験・定期試験でも評価する. | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験70% レポート30% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.試験成績は後期中間試験と後期定期試験の平均点とする. | |||
テキスト | 「はじめての技術者倫理」:北原 義典 (講談社) | |||
参考書 | 「技術者入門」:松島 隆裕 (学術図書出版社) | |||
関連科目 | 一般教養科目 | |||
履修上の 注意事項 |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 概要:技術者倫理とは |
倫理学の学問体系に触れ,技術者倫理とは「専門職倫理」であることを理解する.現代社会において技術者が身につけるべき倫理の概要を学び,「科学技術の果たすべき役割」について討論する. | |
2 | 科学技術の発展とその功罪 |
技術者倫理の導入として,科学技術の発展とその功罪について,時系列で学ぶ.環境問題などを例として,「どう科学技術の負の側面を最小化するか」について討論する. | |
3 | 技術者倫理と専門性 |
技術者倫理の前提として,技術者としての専門性を高めることが,社会的責任を果たすことに繋がることを学ぶ.公害問題などを例として,「どうすれば防ぐことが出来たか?」について討論する. | |
4 | 行動規範 |
技術者倫理の歴史を概観し,各協会・団体が定める「技術者の行動規範」が成立するに至るまでの過程を学ぶ.加えて,リスク管理に関するケーススタディと討論を行う. | |
5 | 研究倫理(1) |
近年,研究機関では,研究活動における捏造・改ざん・盗用などが大きな問題になっている.研究において求められる倫理を学び,ケーススタディとして「STAP細胞事件」について討論する. | |
6 | 研究倫理(2) |
近年,いくつかの企業で,製品についてのデータ改ざん・捏造など大規模な不正が発覚した.企業の開発の現場で求められる倫理を学び,実際にあった不正をケーススタディとして討論する. | |
7 | 説明責任 |
技術者が,消費者である公衆に対して果たすべき「説明責任」について学ぶ.原子炉での事故をケーススタディとして,説明責任について討論する. | |
8 | 中間試験 |
中間試験を行い理解度を確認する. | |
9 | ヒューマンエラー |
ヒューマンエラーは根絶できないことを理解し,対策を学ぶ.証券システムの欠陥をケーススタディとして,ヒューマンエラーについて討論する. | |
10 | 化学と倫理 |
化学物質による薬害事件・環境汚染,および化学物質を規制・管理する法律について学ぶ.化学物質を扱う上での倫理について,いくつかの薬害事件をケーススタディとして討論する. | |
11 | ナノテクノロジーと倫理 |
ナノテクノロジーは新興分野であり,その有用性と危険性については,明らかでない部分が多い.ナノテクノロジーの技術としての現状を学んだ上で,将来的に懸念される問題について討論する. | |
12 | バイオテクノロジーと倫理 |
バイオテクノロジーにおける倫理は,生命の尊厳の問題から個人情報に関わる問題をはらみ,さらに宗教観・文化まで関わってくることを学ぶ.ケーススタディとして,実際に行われている遺伝子操作実験について討論する. | |
13 | 情報技術と倫理 |
情報通信技術,ビッグデータ解析,バーチャルリアリティ,そして人工知能など,比較的新しい情報技術に関わる倫理を学ぶ.ファイル共有ソフトの事例をケーススタディとして討論する. | |
14 | 環境保全 |
現代の技術者は,「持続可能な開発」に貢献しなければならないことを学ぶ.日本におけるダム開発を例として,環境保全について討論する. | |
15 | 科学技術の多様化 |
科学技術の複合化・学際化によって生まれる倫理的問題を学ぶ.ここまでの全ての講義のまとめとして,「科学技術の果たすべき役割」について総合的に討論する. | |
備 考 |
後期中間試験および後期定期試験を実施する. 状況に応じて再試験を実施する場合がある. |