科 目 | 環境工学 ( Environment Engineering ) | |||
---|---|---|---|---|
担当教員 | 福井 智史 教授 | |||
対象学年等 | 機械工学科・4年E組・後期・必修・1単位【講義】 ( 学修単位III ) | |||
学習・教育 目標 |
D1(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
科学技術の発展に伴い,大量生産,大量消費,大量廃棄型の社会が構築された.その反面,地球温暖化,大気汚染,海洋汚染,廃棄物問題等,多くの地球環境問題も発生している.ここでは,これら地球環境の現状を理解し,このような問題が発生したメカニズム及びこれらを抑制する技術について学ぶことにより,工学技術者として地球環境と共生していくために必要な知識を習得する.本講義は,担当教員の実務経験を踏まえて,環境工学の基礎と現状について教授する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【D1】 環境問題全般に関する現状,基礎知識及び関連する法規について理解できる. | 2 | 【D1】 地球温暖化,大気汚染等,「空気」に関する環境問題及びその対策技術について理解できる. | 3 | 【D1】 水質汚染,海洋汚染等,「水」に関する環境問題及びその対策技術について理解できる. | 4 | 【D1】 ごみ,有害廃棄物等,「廃棄物」に関する環境問題及びその対策技術について理解できる. | 5 | 【D1】 陸および海洋における環境問題(排ガス,海洋汚染,CO2等)及びその対策技術について理解できる. | 6 | 【D1】 原子力技術の現状と放射能対策技術について学び,その処理方法を理解する. | 7 | 【D1】 人間社会を営む上での環境問題及び対策について学び,安全・安心な生活を目指す. | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 環境問題全般に関する現状,基礎知識及び関連する法規について理解しているか,小テスト・レポートとプレゼンテーション・討論で評価する. | |
2 | 地球温暖化,大気汚染等,「空気」に関する環境問題及びその対策技術について理解しているかレポートとプレゼンテーション・討論で評価する. | |||
3 | 水質汚染,海洋汚染等,「水」に関する環境問題及びその対策技術について理解しているか,レポートとプレゼンテーション・討論で評価する. | |||
4 | ごみ,有害廃棄物等,「廃棄物」に関する環境問題及びその対策技術について理解しているか,レポートとプレゼンテーション・討論で評価する. | |||
5 | 自動車や船舶に関する環境対策技術について理解しているか,レポートとプレゼンテーション・討論で評価する. | |||
6 | 原子力技術の現状と放射能対策技術について理解しているか,レポートとプレゼンテーション・討論で評価する. | |||
7 | 環境問題及び対策について理解しているか,レポートとプレゼンテーション・討論で評価する. | |||
8 | ||||
9 | ||||
10 | ||||
総 合 評 価 |
成績は,レポート50% プレゼンテーション50% として評価する.成績は,レポート50%,プレゼンテーション・討論50%として評価する.100点満点で評価し,60点以上を合格とする.プレゼンテーションは発表要旨と発表内容で評価する. | |||
テキスト | ||||
参考書 | 「環境工学入門」:鍋島淑郎,森棟隆昭,是松孝治共著(産業図書) ECO検定(公式テキスト):東京商工会議所 |
|||
関連科目 | 熱力学I,II(4年・5年),流体工学(4年・5年),エネルギー変換工学(5年) | |||
履修上の 注意事項 |
資格・検定による学習到達度の向上を目指す.公害防止管理者・技術士(衛生工学部門,環境部門),3R・低炭素社会検定(3R部門,低炭素社会部門),ECO検定の取得・合格を推奨する. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
---|---|
1 | ガイダンス,環境工学序論 |
シラバス説明および環境工学と社会との関わりについて概観する. | |
2 | 地球および我が国の環境の現状 |
日本及び世界の環境問題の現状について学ぶと共に,なぜこのような問題(3Eのトリレンマ)が生じたのか,その原因について考える.さらに,このような問題の解決のために,どのような取り組みが行われているかについて学習する. | |
3 | 持続可能な社会への取り組み |
SDGs(持続可能な開発目標)の意義,制定の背景などの学習を通じて,将来の産業発展に対する考え方の重要性や国際的協力のあり方を考える. | |
4 | 地球温暖化,オゾン層の破壊,酸性雨,森林の減少 |
地球温暖化について,オゾン層の役割,その破壊の原因と対策について,また酸性雨の原因とその被害状況について,森林の減少に関し,その原因と現状について学ぶことにより,地球環境保全の重要性とエネルギー消費との関連について学習する. | |
5 | 環境基本法・基準・条約 |
我が国の環境問題に関する法律・法令や,世界各国での条約などについて学習する. | |
6 | 産業廃棄物処理問題 |
廃棄物がどのように処理されているか,また,各国における廃棄物処理の現状について学習することにより,廃棄物処理の排出抑制やリサイクルの重要性について理解を深める. | |
7 | 大気汚染と防止技術 |
大気汚染源となっている様々な工業プラントや輸送機等から排出される大気汚染物質の現況と,これらを軽減・防除する技術について学習する.さらに,世界各国で行われている大気汚染防止のための規制動向や防止対策について学習する. | |
8 | 自動車の環境問題と対策技術 |
主に現行の自動車に搭載されているガソリンエンジンやディーゼルエンジンから排出される大気汚染物質の生成プロセス,その規制動向及び対策技術について学習する.さらに,自動車から排出されるCO2を削減する方法として,燃費改善や石油系以外の燃料の使用について理解を深める. | |
9 | 環境対策自動車の最新技術について |
将来の自動車の脱炭素エネルギー利用への転換や省エネルギー化など,最近の環境調和を目指した環境対応型自動車の技術について学習する. | |
10 | 水質汚濁と水処理技術 |
日本及び世界の河川・湖沼・海洋における水質汚染状況と,上水道,下水道の浄化方法として行われている代表的な水の処理方法について学習すると共に,このような状況に至った原因と改善するための規制状況について学習する. | |
11 | マイクロプラスチック問題 |
河川・海洋などで急速に顕在化しているマイクロプラスチック問題について,具体的な事例を示してそれらの原因及び対策について学習する. | |
12 | 騒音・振動問題と防止技術 |
騒音・振動問題は生活問題としても多岐に及んでいる.具体的な事例を示してそれらの原因及び対策について学習する. | |
13 | 原子力技術の現状と放射能汚染対策 |
科学技術の向上とともに原子力発電が安全なエネルギー供給として求められてきたが,原発事故による放射能汚染が大きな環境問題となっている.そこでその技術と放射能汚染との関連を学習する. | |
14 | 最新の環境対策技術について |
二酸化炭素回収技術やバイオエネルギー,さらには宇宙ゴミなどに関連する最新の環境対策技術について学習すると共に,地球環境の将来について考える. | |
15 | 総まとめ |
これまでに学習した内容について総括する. | |
備 考 |
中間試験および定期試験は実施しない. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 15 時間の事前・事後の自己学習が必要である.与えられたテーマでのプレゼンテーションを行うこと,およびレポートを必ず提出すること. |