2024 年度流体力学Ⅱ シラバス

【 2024 年度授業概要】
科　　　目			流体力学Ⅱ ( Fluid Mechanics II )
担当教員			福井智史教授
対象学年等			機械工学科・4年E組・後期・必修・1単位【講義】 ( 学修単位I )
学習・教育目標			A4-M2(100%)
授業の概要と方針			水や空気といった流体の流れは，わたしたちのまわりに無数に存在しており，流れを利用した装置や機器が数多くある一方で，流れによる種々の現象が問題となる場合も多い．本科目では，流れに関する基礎知識を習得したうえで，流体機械の設計や空力設計を流体力学的な根拠に基づいて行うための基本的な知識および方法を学ぶ．
到達目標		1	【A4-M2】流れにおける運動量の法則を理解し，応用することができる．
		2	【A4-M2】流れにおける角運動量の法則を理解し，応用することができる．
		3	【A4-M2】流れにおける角運動量の法則を理解し，応用することができる．
		4	【A4-M2】相似法則について理解し，応用することができる．
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評価方法と基準	到達目標毎	1	曲がり管や平板に作用する流体力，ペルトン水車や衝動タービン，プロペラや風車などに対して運動量の法則を応用することができるか，後期中間試験，レポート，演習で評価する．
		2	遠心ポンプやフランシス水車，スプリンクラーなどに対して角運動量の法則を応用することができるか，後期中間試験，レポート，演習で評価する．
		3	境界層，はく離，抗力と揚力など粘性流体の外部流れが理解できているか，後期定期試験，レポート，演習で評価する．
		4	流れにおける相似法則が満たされる条件を理解し，各種無次元数を状況に応じて使い分けることができるか，後期定期試験，レポート，演習で評価する．
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	総合評価		成績は，試験80%　レポート20%　として評価する．試験成績は，中間試験と定期試験の平均点とする．100点満点で60点以上を合格とする．
テキスト			「機械工学演習シリーズ1演習水力学」：国清・木本・長尾共著(森北出版)
参考書			「改定新版流体工学」：古屋・村上・山田共著(朝倉書店) 「新版流体の力学」：中山泰喜著(養賢堂)
関連科目			M4R「流体力学I」，M5E「熱流体工学」，AM1「熱流体計測」，AM2「流れ学」
履修上の注意事項

【授業計画（流体力学Ⅱ ）】
週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	運動量の法則の導入
1	質点の力学における運動量の法則を流体に適用した場合の法則について解説する．さらに最も簡単な応用例として，曲がり管に作用する流体力を求める方法を解説し，演習を行う．
2	運動量の法則の応用
2	平板や曲板に作用する流体力を運動量の法則を用いて求める方法を解説し，演習を行う．
3	運動量の法則の応用
3	流体のエネルギーを利用するペルトン水車および衝動タービンに対して運動量の法則を応用する方法を解説し，演習を行う．
4	運動量の法則の応用
4	噴流による推力や，プロペラおよび風車の原理に対して運動量の法則を応用する方法を解説し，演習を行う．
5	角運動量の法則，角運動量の法則の応用
5	質点における角運動量の法則とそれを流れに適用した場合の法則について解説する．さらに遠心ポンプに角運動量の法則を適用する方法を解説し，演習を行う．
6	角運動量の法則の応用
6	フランシス水車に対して運動量の法則を応用する方法を解説し，演習を行う．
7	運動量の法則・角運動量の法則のまとめと演習
7	前半の知識を総復習し，とくに重要な内容について演習を行う．
8	中間試験
8	前半の知識の習得を，中間試験により確認する．
9	中間試験の解答・解説，前半の復習
9	中間試験の解答・解説を行うとともに，前半の知識を総復習する．
10	境界層とはく離，円柱周りの流れ
10	粘性流体の流れにおいて物体周りに必ず存在する低速の領域である境界層について，その構造について説明し，境界層のはく離がどのように生じるか解説する．また，理想流体と実在流体では，粘性の有無によって円柱周りの流れにどのような差異が生じるか解説する．
11	物体の抗力
11	流れが物体に及ぼす流れ方向の力には，物体周りの圧力によるものと摩擦によるものがあり，これらを合わせて抗力と呼ぶことや，抗力係数を用いた一般的な抗力の表し方を学ぶ．また，効力を低減する方法について解説する．
12	翼と揚力および抗力，揚力と循環
12	翼の各部名称や，翼に作用する揚抗力の基本的な特性を説明する．また，翼のまわりには循環が存在することにより揚力が生じるとも言えるが，これを表したクッタ‐ジューコフスキーの定理や，回転物体のまわりに循環が生じることで揚力が発生するマグナス効果について解説する．
13	流れにおける相似則
13	流れにおいて相似則が成り立つ条件や，相似則を表す各種無次元数について解説する．さらに，解析対象に応じて，相似則が成り立つ無次元数を導出する方法を学ぶ．
14	相似則の応用，ポンプにおける相似則
14	相似則の実際の応用例や，ポンプにおける相似則について解説し，演習を行う．
15	まとめと演習
15	後半の授業内容の総復習し，とくに重要な内容について演習を行う．
備考	後期中間試験および後期定期試験を実施する．事前学習では，事前に公開する資料や教科書を参考に予習ノートを作成し，理解が難しい点を整理しておく．事後学習では，授業中に実施した演習を復習し，解答を作成することで，確実に内容を理解しておくこと．なお，状況に応じて再試験を実施する場合がある．