【 2024 年度 授業概要】
科   目 画像処理 ( Image Processing )
担当教員 尾山 匡浩 准教授
対象学年等 電子工学科・5年・前期・選択・2単位【講義】 ( 学修単位II )
学習・教育
目標
A4-D4(100%)
授業の概要
と方針
高度情報化時代の進展とともに,画像処理技術は産業や医療,その他多くの分野で急速に発展している.本講義では,2次元ディジタル信号処理としての観点からディジタル画像を処理,解析及び理解する技術について講義する.



1 【A4-D4】 ディジタル信号処理の2次元拡張としてディジタル画像処理を捉えることができる.また,各種画像について理解することができる.
2 【A4-D4】 画質改善のための濃度変換,平滑化やエッジ強調のための各種空間フィルタについて理解できる.
3 【A4-D4】 2値化画像処理の内容を理解できる.
4 【A4-D4】 画像認識のためのパターン認識処理の内容を理解できる.
5 【A4-D4】 フーリエ変換などの直交変換について理解できる.
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1 ディジタル画像処理の本質を理解出来ているかを中間試験,定期試験,レポートで評価する.
2 濃度変換や空間フィルタの内容を理解出来ているかを演習課題,レポート,中間試験,定期試験で評価する.
3 2値化画像処理の内容を理解できているかを演習課題,レポート,中間試験,定期試験で評価する.
4 各種パターン認識手法について理解できているかを演習課題,レポート,定期試験で評価する.
5 画像解析のためのディジタルフーリエ変換が理解できているかを演習課題,レポート,定期試験で評価する.
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成績は,試験70% レポート10% 演習課題20% として評価する.試験点は,中間試験と定期試験の平均で評価する.総合評価100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 配布プリント
参考書 「ディジタル画像処理」:酒井幸市(コロナ社)
「ディジタル画像処理」:CG-ARTS協会
「画像処理アルゴリズム」:斎藤恒雄(近代科学社)
「C言語で学ぶ実践画像処理」:井上誠喜他(オーム社)
関連科目 プログラミングI,プログラミングII,ソフトウェア工学
履修上の
注意事項
本授業では画像処理プログラムを作成する演習課題が出題される.このため,D2「プログラミングI」,D3「プログラミングII」の内容を十分復習しておくことが必要である.

【授業計画( 画像処理 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 イントロダクション,ディジタル画像処理,画像表示プログラムの解説
本講義の全体の流れについて説明する.また,ディジタル画像処理の基礎を講義する.さらに,演習課題用サンプルプログラムを提示し,その説明を行う.
2 濃度変換
濃度変換の必要性について学ぶ.また,非線型濃度変換,ヒストグラムを用いた濃度変換等について講義するとともに演習を行うことで理解を深める.
3 空間フィルタ(1)
空間フィルタの基本的な概念と平滑化のための平滑化フィルタについて学び,演習を行うことで理解を深める.
4 空間フィルタ(2)
エッジ強調のための1次及び2次微分フィルタ,これを用いた画像鮮鋭化フィルタ,画像の特徴抽出フィルタ等について講義し,演習を行うことで理解を深める.
5 二値化画像処理(1)
閾値処理,閾値決定処理,近傍,孤立点除去や穴埋めのための膨張・収縮処理,ラベリング処理ついて講義し,演習を行うことで理解を深める.
6 二値化画像処理(2)
画像の細線化,チェインコード,境界線追跡等について講義,演習を行うことで理解を深める.
7 幾何学変換
画像の大きさや形,位置などを変換する幾何学変換の方法について学び,演習を行うことで理解を深める.
8 中間試験
第1週〜第7週の内容の中間試験を行う.
9 試験返却と問題解説およびパターン認識(1)
中間試験の返却および解説を行う.また,パターン認識処理の概要について学ぶ.
10 パターン認識(2)
画像における特徴量や画像間の距離を求める手法に関して例を挙げて説明し,演習を行うことで理解を深める.
11 パターン認識(3)
パターン認識の代表的な手法として,テンプレートマッチングが挙げられる.このテンプレートマッチングについて学ぶとともに,演習を行うことで理解を深める.また,DPマッチングの概要についても説明する.
12 ハフ変換
画像中から直線や円を検出するための代表的な方法であるハフ変換について講義する.
13 直交変換(1)
直交変換の例として,ディジタルフーリエ変換や2次元フーリエ変換について説明し,画像への適用方法について学ぶ.
14 直交変換(2)
フーリエ変換を用いた各種フィルタについて講義し,演習を通して理解を深める.
15 生体情報としての医用画像
生体情報を画像化する機器としてCTやPET,MRIが挙げられる.これらの撮影原理について紹介する.


前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後の自己学習が必要である.事前学習では,次回の授業内容に対応する教科書のページを読み,各自で理解できなかったことを整理しておくこと.また,事後学習では,課題レポートやプログラミング演習課題を課すため,指定の期日までに完成させて提出すること.