科 目 | 高分子化学 ( Polymer Chemistry ) | |||
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担当教員 | 根本 忠将 教授 | |||
対象学年等 | 応用化学科・4年・通年・必修・2単位【講義】 ( 学修単位III ) | |||
学習・教育 目標 |
A2(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
1) 高分子の合成,構造ならびに物性に関する基本的な知識の修得およびそれらの基礎知識を相互に関連付けながら理解できるように講義を行う. 2) 機能性高分子等,近年注目されている高分子材料について紹介する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A2】 高分子の合成原理や構造ならびに物性についての基本的な知識を修得している. | 2 | 【A2】 高分子化学における合成法や高分子の構造,物性を相互に関連付けて理解している. | 3 | 【A2】 高分子の機能化ならびに材料への応用についての基礎知識を修得している. | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 高分子の合成,構造ならびに物性についての基本的理解度を前期中間試験,前期定期試験,後期中間試験,後期定期試験およびレポートで評価する. | |
2 | 高分子化学における合成,構造および物性について相互に関連付けながら理解しているかを前期中間試験,前期定期試験,後期中間試験,後期定期試験およびレポートで評価する. | |||
3 | 高分子の機能化ならびに材料への展開に関する基本的な知識を修得しているかを後期中間試験,後期定期試験およびレポートで評価する. | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験90% レポート10% として評価する.2回の中間試験,定期試験を100点満点で評価し,それの平均点を90点満点に換算する.各レポートは10点満点で評価し,それの平均点をレポート点とし,併せて100点とする.60点以上を合格とする.ただし,未提出のレポートがあった場合は不合格とする. | |||
テキスト | 「基礎高分子科学 第2版」:高分子学会 編(東京化学同人) | |||
参考書 | 「高分子化学I 合成」:中條善樹 著(丸善出版) 「高分子材料強度のすべて〜ビギナーからベテランまでの強化書〜」:成澤郁夫 著(S&T出版) 「高分子の構造と物性」:松下裕秀 編著・佐藤尚弘・金谷利治ら 共著(講談社) 「高分子の合成(上)ーラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合」:遠藤剛 編(講談社) 「高分子の合成(下)ー開環重合・重縮合・配位重合」:遠藤剛 編(講談社) |
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関連科目 | C2 有機化学I,C3 有機化学II,C4 有機化学III,C3 物理化学I,C2 無機化学I,C3 無機化学II,C3 分析化学II | |||
履修上の 注意事項 |
上記の関連科目に関する内容を復習して講義に臨むことが好ましい. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 概論 |
授業全般に関する説明を行う.高分子の概念について講義する. | |
2 | 高分子の分類 |
高分子物質の起源による分類,合成法による分類,形態による分類について講義する. | |
3 | 高分子の化学構造 |
高分子の主鎖構造によるコンフォメーションの違い,高分子化合物の高次構造について講義する. | |
4 | 逐次重合−重縮合I |
重縮合反応の概念,ポリアミド等の縮合系高分子について講義する. | |
5 | 逐次重合−重縮合II |
工業的に合成されているエンジニアリングプラスチックやシリコーンについて講義する. | |
6 | 逐次重合−重付加・付加縮合 |
重付加および付加縮合の概念,ポリウレタン,エポキシ樹脂,フェノール樹脂等について講義する. | |
7 | 逐次重合−重合条件と分子量 |
重合条件と得られる高分子の分子量の関係について講義する. | |
8 | 中間試験 |
1週目から7週目までの内容で中間試験を行う. | |
9 | 中間試験の返却・解答,連鎖重合−ラジカル重合I |
中間試験の返却・解答を行う.ラジカル重合の概念およびその素反応について講義する. | |
10 | 連鎖重合−ラジカル重合II |
ラジカル重合の素反応,ならびにモノマーの反応性について講義する. | |
11 | 連鎖重合−ラジカル重合III |
連鎖移動反応や停止反応,ラジカル禁止剤について講義する. | |
12 | 連鎖重合−ラジカル重合IV |
共重合における概略やその分類について講義する. | |
13 | 連鎖重合−ラジカル重合V |
共重合におけるモノマーの反応性比(Q,e値)と共重合体における組成比について講義する. | |
14 | 連鎖重合−イオン重合I |
イオン重合(カチオン重合,アニオン重合)におけるモノマーおよび反応開始剤について講義する. | |
15 | 連鎖重合−イオン重合II |
リビング重合および開環重合について講義する. | |
16 | 高分子の構造 |
高分子化合物の集合体および液相での構造について講義する. | |
17 | 高分子の熱的特性 |
高分子化合物のガラス転移温度や融点,結晶化について講義する. | |
18 | 高分子の物理的性質I |
高分子化合物の熱的特性を踏まえた上で,その粘弾性について講義する. | |
19 | 高分子の物理的性質II |
高分子の力学特性(ひずみと応力,ゴム弾性)について講義する. | |
20 | 機能性高分子I |
機能性高分子の概念,高分子繊維について講義する. | |
21 | 機能性高分子II |
電子・電気材料の一つである導電性高分子について,その原理等について講義する. | |
22 | 機能性高分子III |
フォトレジスト材料の合成や機能について講義する. | |
23 | 中間試験 |
16週目から22週目までの内容で中間試験を行う. | |
24 | 中間試験の返却・解答,機能性高分子IV |
中間試験の返却・解答を行う.吸水性高分子の原理,働きおよび作成法について講義する. | |
25 | 機能性高分子V |
液晶高分子の基本構造・性質・合成方法について講義する. | |
26 | 機能性高分子VI |
高分子膜について,原理を説明するとともにその働きや作成法を講義する. | |
27 | 機能性高分子VII |
ポリマーアロイの原理やその機能について講義する. | |
28 | 高分子複合材料 |
複合化することで単体では得られない機能が期待できる高分子複合材料について説明する. | |
29 | エラストマー |
代表的なエラストマーであるゴムの種類や性質,加工法について講義する. | |
30 | 高分子の分解とリサイクル |
高分子の分解機構について講義を行い,マテリアルリサイクルへの影響についても説明する. | |
備 考 |
前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する. 本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の事前・事後の自己学習が必要である.事後学習では,講義時に配布する課題について指定された期日までにレポート提出すること. |