2024 年度応用構造工学Ⅱ シラバス

【 2024 年度授業概要】
科　　　目			応用構造工学Ⅱ ( Advanced Structural Mechanics II )
担当教員			上中宏二郎教授
対象学年等			都市工学専攻・1年・後期・選択・2単位【講義】
学習・教育目標			A4-AS1(50%), A4-AS2(50%)
JABEE 基準1(1)			(d),(g)
授業の概要と方針			本講義では，土木，建築構造物の主要なコンクリート構造と鋼材とコンクリートを一体化した鋼・コンクリート複合構造について学ぶ．まず，前半のコンクリート構造では，曲げ，せん断が作用する場合を学修する．つぎに，後半では，複合構造物を建築と土木構造物に分類し，その力学特性について学修する．
到達目標		1	【A4-AS2】鋼材，コンクリートの材料特性が理解できる．
		2	【A4-AS1】軸力，曲げせん断を受けるRC部材の終局強度算定ができる．
		3	【A4-AS2】塑性ヒンジによるモーメント再分配の計算ができる．
		4	【A4-AS1】合成はりと重ねはりのたわみの計算ができる．
		5	【A4-AS1】鋼とコンクリートの付着強度の計算ができる．
		6	【A4-AS2】全塑性状態における鋼・コンクリート合成柱の耐力計算ができる．
		7
		8
		9
		10
評価方法と基準	到達目標毎	1	鋼材とコンクリートの材料特性の理解度をレポートで評価する．
		2	曲げせん断を受けるRC部材の終局強度の理解度をレポートで評価する．
		3	塑性ヒンジによるモーメント再分配の理解度を定期試験，レポートで評価する．
		4	合成はりと重ねはりのたわみの計算の理解度を定期試験で評価する．
		5	鋼とコンクリート間の付着強度の理解度を定期試験で評価する．
		6	全塑性状態における鋼・コンクリート合成柱の耐力計算を定期試験，レポートで評価する．
		7
		8
		9
		10
	総合評価		成績は，試験90%　レポート10%　として評価する．総合評価は100点満点中60点以上を合格とする．試験90%の内訳は，定期試験90%である．
テキスト			講義時に配付するプリント
参考書			「鉄筋コンクリートの解析と設計　第2版」吉川弘道，丸善「鉄筋コンクリート構造，建築学の基礎2」市之瀬敏勝，共立出版「鉄骨鉄筋コンクリート構造計算規準」，日本建築学会，丸善「コンクリート充填鋼管構造」松井千秋，オーム社
関連科目			構造力学I，II， III， IV，コンクリート工学I， II，材料学
履修上の注意事項			本講義を理解するためには，本科で学んだコンクリート工学，および構造力学の知識が必要となります．講義は先述の科目を理解していることを前提条件として進めていきますので，しっかりと復習をし，受講してください．

【授業計画（応用構造工学Ⅱ ）】
回	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	鉄筋コンクリート構造，鋼・コンクリート複合構造の特徴
1	講義内容，課題，評価方法など教科内容を説明する．
2	コンクリートと鉄筋の複合材料力学(1)
2	コンクリートと鉄筋の応力-ひずみ関係について説明する．2次元，3次元場のフックの法則について学習する．
3	コンクリートと鉄筋の複合材料力学(2)
3	鉄筋とコンクリートによる複合材料としての材料力学特性について学習する．
4	コンクリートと鉄筋の複合材料力学(3)，コンクリート系実験式
4	RC柱部材の帯鉄筋に作用する応力と軸圧縮力との関係について説明する．コンクリートの各種実験式と単位換算について学習する．
5	高さが変化する場合のRC部材のせん断力，せん断応力
5	高さが変化する場合のRC部材のせん断力，せん断応力について学習する．
6	曲げ，軸力，せん断を受ける部材
6	曲げ，軸力，せん断を受ける柱部材の終局強度について学習する．
7	モーメント再分配と極限解析(1)
7	塑性ヒンジの形成とモーメント再分配について学習する．
8	モーメント再分配と極限解析(1)
8	塑性ヒンジの形成とモーメント再分配について学習する．
9	材料特性
9	von Misesの降伏条件，Trescaの降伏条件について学習する．
10	鋼・コンクリート合成はり(1)
10	完全合成，非合成，不完全合成はりについて学習し，完全合成はりと非合成はりの変形，応力の計算方法について学習する．
11	鋼・コンクリート合成はり(2)
11	完全合成，非合成，不完全合成はりについて学習し，完全合成はりと非合成はりの変形，応力の計算方法について学習する．
12	鋼・コンクリート合成はり(3)，鋼とコンクリートの付着面の応力伝達機構(1)
12	ずれ止めの特徴について学習し，それらの算定方法について学習する．
13	鋼とコンクリートの付着面の応力伝達機構(2)，鋼・コンクリート合成柱(1)
13	様々なずれ止めの付着せん断特性について学習する．また鋼・コンクリート合成柱の特徴について説明する．
14	鋼・コンクリート合成柱(2)
14	日本建築学会で提案されている短柱の終局強度について学習し，土木構造物へ用いた場合のとの比較を行う．
15	完全合成はりの設計
15	完全合成はりの終局強度について学習する．
備考	後期定期試験を実施する．本科目の修得には，30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後自己学習が必要である．事前学習：本科で修得した構造力学I，II， III， IV，コンクリート工学I，IIを復習しておく．事後学習：本講義を復習する．