| 科 目 | 応用倫理学 ( Applied Ethics ) | |||
|---|---|---|---|---|
| 担当教員 | 李 明哲 非常勤講師 | |||
| 対象学年等 | 全専攻・2年・後期・選択・2単位【講義】 | |||
| 学習・ 教育目標 |
C3(50%), D1(50%) | |||
| JABEE 基準1(1) |
(a),(b) | |||
| 授業の概要 と方針 |
科学技術が驚異的に進展する現代では,「ヒトにしかできないこと」の模索が必要です.応用倫理学は,生命の価値や,幸福の在り方,社会での承認など「ヒトゆえに考えざるを得ないこと」にたいして様々なアプローチをおこないます.そこでは,たんなる個人のこだわりではなく,「他者」との対話をとおした批判的な吟味を大切にします.授業方法としては,ディスカッションを多く取り入れ,プリントによる講義で補足します. | |||
| 到 達 目 標 |
1 | 【C3】 新しい科学技術の社会的応用には,倫理的問題の解決が不可避であることを理解する. | 2 | 【D1】 科学技術の諸問題を技術者の倫理的責任の問題として理解し,それについての自分の意見を矛盾なく展開できる. | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 応用倫理学の諸問題についての理解度を定期試験で評価する. | |
| 2 | 応用倫理学の諸問題についての考察力を授業レポートや定期試験で評価する. | |||
| 3 | ||||
| 4 | ||||
| 5 | ||||
| 6 | ||||
| 7 | ||||
| 8 | ||||
| 9 | ||||
| 10 | ||||
| 総 合 評 価 |
成績は,試験60% 授業中のミニレポート(グループディスカッションでのやりとり)40% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする. | |||
| テキスト | 授業プリントを使用する. | |||
| 参考書 | 『教養としての応用倫理学』浅見昇吾,盛永審一郎編(丸善出版) ほかにも講義で随時紹介する. |
|||
| 関連科目 | 工学倫理,現代思想文化論 | |||
| 履修上の 注意事項 |
テーマごとに,グループディスカッションに集中して取り組み,関心と知識を高めていきましょう. | |||
| 回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
|---|---|
| 1 | イントロダクション |
| 「哲学・倫理学」のイメージについて,意見交換し,考えを深める.「モラルジレンマ」という概念について,かんたんな事例検討をとおして理解を深める. | |
| 2 | 応用倫理学とは? |
| 規範倫理学(具体例をとおして),応用倫理学それぞれの特徴について理解する. | |
| 3 | 情報社会と情報倫理 |
| SNSなど身近な事例から,プライバシーの権利やインターネットにおける誹謗中傷など,情報社会における倫理問題を学ぶ. | |
| 4 | 医療情報について |
| がん告知やインフォームドコンセント,「知らないでいる権利」など,医療現場で必要な情報倫理を学ぶ. | |
| 5 | 生命倫理と自己決定権(1) |
| 生命倫理で必要な,人間の「尊厳」や「パーソン」概念,「ケアの倫理」などの論点を理解する. | |
| 6 | 生命倫理と自己決定権(2) |
| 延命治療を止める=消極的安楽死(尊厳死)と,致死薬を投与する=積極的安楽死の区別を学ぶ.これを踏まえ,ディスカッションで,この問題で問われていることを考える. | |
| 7 | 市場社会と生命倫理 |
| 医療資源配分の問題や,脳死と臓器移植の問題などの理解を深める. | |
| 8 | 生殖と家族の倫理(1) |
| 不妊カップルが第三者に卵子や子宮を提供してもらう「代理母出産」および,ドナー型精子バンクによる人工授精の問題を学ぶ | |
| 9 | 生殖と家族の倫理(2) |
| 妊娠中から胎児の染色体異常の有無を調べる,「出生前診断」にかんする倫理的問題を考える. | |
| 10 | 市民社会と技術倫理(1) |
| 公害や製造物責任,バリアフリーなどの事例をとおして,「技術者倫理」とは何かを考える. | |
| 11 | 市民社会と技術倫理(2) |
| AIやロボット,ゲノム編集など,新たな科学技術をめぐる倫理的問題を学ぶ. | |
| 12 | 技術の発達と動物倫理 |
| 肉食や動物実験にともなう倫理的問題を学び,動物倫理について理解を深める. | |
| 13 | 自由主義と環境倫理 |
| 地球温暖化,放射性廃棄物などの環境問題などを題材に,「世代間倫理」などを学ぶ. | |
| 14 | 民主主義と合意形成 |
| 貧富格差や,分配と正義の問題について,具体事例や思想家の議論をとおして学ぶ. | |
| 15 | まとめ |
| これまでの内容をまとめ,グループディスカッションをおこなう. | |
| 備 考 |
後期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後自己学習が必要である.事前学習としては,各回テーマについて自分の知っていることや気になることを整理しておく.インターネットで情報収集する場合は,その情報源(新聞記事や論文など)を確認しておく.事後学習としては,グループディスカッションと講義内容を振り返り,自分が初めて得た見解や,改めて考え直した点を整理しておく. |