科 目 | 哲学 ( Philosophy ) | |||
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担当教員 | 李 明哲 非常勤講師 | |||
対象学年等 | 全学科・5年・通年・選択・2単位【講義】 ( 学修単位I ) | |||
学習・ 教育目標 |
C3(80%), D2(20%) | |||
JABEE 基準1(1) |
(a),(b) | |||
授業の概要 と方針 |
私たちが日常で無意識に受け入れたり信じたりしている法則や常識の中には,大きな哲学的問いが含まれています.この授業では,有名な哲学者たちが,独自の視点と方法で考え抜いた〈問いと答え〉の連鎖を概観し,哲学において「なぜそれが問題となるのか」「どうしてそういう考え方をするのか」などの思考パターンを学んでいきます. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【C3】 日常に隠された哲学的問いを自分で見つけ出し,哲学的に考えるためのモデルを獲得すること. | ||
2 | 【D2】 哲学に欠かせない思考法や概念についての理解を深め,自分の考えをより明確に表現できるようになること. | |||
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評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 日常に隠された哲学的問いを自分で見つけ出し,哲学的に考えるためのモデルを獲得することができるか,小テストと定期試験で評価する. | |
2 | 哲学に欠かせない思考法や概念についての理解を深め,自分の考えをより明確に表現できるか,小テストと定期試験で評価する. | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験80% 小テスト20% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.小テストは,授業で登場する,哲学の基本的概念を正しく理解していることを確認するために実施する.その理解のもと,試験では,自分なりの考えに結びつける. | |||
テキスト | なし. | |||
参考書 | 貫成人『哲学マップ』ちくま新書,2004年 熊野純彦『西洋哲学史 近代から現代へ』岩波新書,2006年 畠山 創『大論争! 哲学バトル』 KADOKAWA,2016年 その他,授業で紹介します. |
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関連科目 | 倫理 | |||
履修上の 注意事項 |
なし. |
回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | イントロダクション 哲学を学ぶとはどういうことか? |
生活で「当たり前」とされることを具体例にしながら,「哲学」という学問がどのように問い,考えるのかについて,おおまかなイメージが得られるようする. | |
2 | 古代ギリシア哲学:ソクラテス登場まで |
古代ギリシアの哲学者たちによる独特な世界観や自然観を理解できるようにする. | |
3 | 古代ギリシア哲学:ソクラテス,プラトン |
「無知の知」や「対話」を通じて,「~とはなにか?」という本質に迫ろうとするソクラテスの考えを理解できるようにする.また,その弟子であるプラトンが提唱した「イデア」という概念を学ぶ. | |
4 | 古代ギリシア哲学:アリストテレス |
「目的因」などが登場する理論哲学から,「美徳」を追い求める実践哲学まで,幅広いアリストテレスの哲学のエッセンスを学ぶ. | |
5 | 中世哲学:トマス・アクィナスなど |
「神学と哲学」の関係をテーマに活躍した中世の哲学者たちが,後世に与えた影響力などを理解できるようにする. | |
6 | ここまでのまとめ 小テスト |
ここまでの哲学概念などの理解度を確認し,復習する. | |
7 | 近世哲学:デカルト(1) |
「我 思うゆえに 我あり」で有名な「方法的懐疑」について,理解できるようにする. | |
8 | 近世哲学:デカルト(2) |
「主観/客観」という二項対立の世界観や,「心身問題」など,デカルト哲学のエッセンスを理解できるようにする. | |
9 | 大陸合理論:ライプニッツ |
「1+1=2」など数学的認識は,人間の生まれ持って得た知性,それとも生まれた後に得る経験,どちらによって成り立つのか.知性を重視する大陸合理論に分類される哲学者,ライプニッツによる「モナド論」などの哲学の要点を理解できるようにする. | |
10 | 大陸合理論:スピノザ |
大陸合理論でありながらも,これまでのキリスト教的世界観にはとどまらないスピノザの「神=自然=世界」という哲学の要点を理解できるようにする. | |
11 | イギリス経験論:ホッブズ,ロック |
経験を重視するイギリス経験論の哲学を学ぶ.ホッブスの政治哲学や,「知性は経験によって成り立つ」とするロックの哲学の要点を学ぶ. | |
12 | イギリス経験論:バークリー |
すべての存在は,経験的な知覚によって説明されなければならないとする,バークリーの哲学の要点を理解できるようにする. | |
13 | イギリス経験論:ヒューム |
人間とは「知覚の束」であるとして,因果関係や「自我」についても否定した,ヒュームの哲学の要点を理解できるようにする. | |
14 | ここまでのまとめ 小テスト |
ここまでの哲学概念などの理解度を確認し,復習する. | |
15 | ディスカッション |
学んだ内容を自分の言葉でどのように表現し,思考するかを試すディスカッションをディベート形式で行う. | |
16 | 前期までの振り返り |
前期で学んだ古代から近代までの哲学を振り返り,後期の準備にする. | |
17 | カント(1)認識論 |
イギリス経験論と大陸合理論を調停したことでも知られる,カントによる「カテゴリー」という概念と,その認識論の要点を理解できるようにする. | |
18 | カント(2)倫理学 |
倫理学の3大アプローチ「義務論」としても知られるカント倫理学の要点を理解できるようにする.とりわけ,人間の理性から命じられる道徳法則による,自律的な規範のあり方の重要性について. | |
19 | カント(3)美学と自然哲学 |
美学の概念,生物学が確立した時代を生きたカントだからこそたどり着いた,「判断力」という能力の可能性について,理解できるようにする. | |
20 | ここまでのまとめ 小テスト |
ここまでの哲学概念などの理解度を確認し,復習する. | |
21 | ドイツ観念論:フィヒテ,シェリング,ヘーゲル |
自我や自然など,世界すべてを観念的な原理で説明しようとした三人の哲学者たちの要点を学ぶ.ヘーゲルの「弁証法」など. | |
22 | 近代の不安:ショーペンハウエル,キルケゴール,フェオイエルバッハ |
工業化が進む時代のなかで,一人ひとりのかけがえのなさや,現実社会による影響力を哲学に取り込もうとしはじめた,三人の哲学者たちの要点を学ぶ.ショーペンハウアーの悲観主義(ペシミズム)など. | |
23 | 近代の終わり:マルクス,フロイト,ニーチェ |
経済活動や労働から人間の生き方を説いたマルクス,無意識など心理的作用から自我へアプローチしたフロイト,近代までの西洋哲学の固定的概念を破壊しようとしたニーチェなどを学ぶ. | |
24 | 現象学と実存思想:フッサール,ハイデッガー |
世界大戦前後に現れた,現象学やドイツ実存思想のエッセンスを学ぶ.フッサールによる認識論,ハイデッガーによる「本来的実存」など. | |
25 | 現象学と実存思想:サルトル,メルロ=ポンティ |
サルトル「自由という刑」,メルロ=ポンティ「身体図式」など,フランス実存思想の要点を理解できるようにする. | |
26 | ここまでのまとめ 小テスト |
ここまでの哲学概念などの理解度を確認し,復習する. | |
27 | 分析哲学のはじまり:ラッセル,ヴィドゲンシュタインなど |
ラッセルによる「記述理論」や,ヴィドゲンシュタインの「言語ゲーム」など,現代論理学や言語分析からはじまる,現代哲学の一片を知る. | |
28 | 構造主義のはじまり:ソシュール,レヴィ=ストロースなど |
言語や社会,心理の分析から,戦後の哲学に大きな影響与えた「構造主義」の要点を学ぶ. | |
29 | 東洋思想 |
仏教,儒教,道教など,古代からの東洋思想や,それを受けて日本で発生した独自の思想などについて,概要を学ぶ. | |
30 | ディスカッション |
学んだ内容を自分の言葉でどのように表現し,思考するかを試すディスカッションをディベート形式で行う. | |
備 考 |
前期定期試験および後期定期試験を実施する.・小テストを2回実施する. |