2020 年度応用物理シラバス

【 2020 年度授業概要】
科　　　目			応用物理 ( Applied Physics )
担当教員			大多喜重明教授
対象学年等			都市工学科・4年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・教育目標			A2(100%)
JABEE 基準1(1)			(c),(d)
授業の概要と方針			「力学」問題に，「振動」，「波の伝搬」分野も加えた内容について理解する．具体的問題を取り上げて理解度を上げることを試みる．また，自然現象のうち，電気磁気的現象を理解する上で重要な基礎的概念を修得し，それを現実の問題に応用する能力を養う．
到達目標		1	【A2】力学で用いるベクトルの基本法則の意味を理解し，極座標系で記述された問題を解くことができる．
		2	【A2】質点の力学に関する基本法則の意味を理解し，重力や中心力などが作用する系にこの法則を適用して解くことができる．
		3	【A2】振動に関する基本法則の意味を理解し，振動系にこの法則を適用して解くことができる．
		4	【A2】剛体の力学に関する基本法則の意味を理解し，剛体の運動問題に関してこの法則を適用して解くことができる．
		5	【A2】電荷間に働くクーロン力，近接作用としての電界，電位などの関係を理解する．
		6	【A2】電流や電気抵抗の概念とその取り扱い方を理解する．
		7	【A2】連続的に分布する電荷がつくる電場やコンデンサーについて理解し，ガウスの法則を用いて電場の計算ができるようになる．
		8	【A2】静磁場におけるローレンツ力，ビオーサバールの法則，アンペールの法則について理解する．
		9	【A2】ファラデーの電磁誘導の法則を理解し，誘導起電力や誘導電流の計算ができるようになる．
		10	【A2】マクスウェル方程式と電磁波の定式化について理解する．
評価方法と基準	到達目標毎	1	ベクトルの基本法則を理解しているかどうかを試験およびレポートによって評価する．
		2	質点の力学に関する問題の解を求められるかどうかを試験およびレポートによって評価する．
		3	振動に関する問題の解を求められるかどうかを試験およびレポートによって評価する．
		4	剛体の力学に関する問題の解を求められるかどうかを試験およびレポートによって評価する．
		5	電荷間に働くクーロン力，近接作用としての電界，電位などの関係を理解しているかどうかをを試験およびレポートによって評価する．
		6	電流や電気抵抗の概念とその取り扱い方を理解しているかどうかを試験およびレポートによって評価する．
		7	連続的に分布する電荷がつくる電場の計算やコンデンサーについて理解し，ガウスの法則を用いて電場の計算ができるかどうかを試験およびレポートによって評価する．
		8	ローレンツ力，ビオーサバールの法則，アンペールの法則について理解しているかどうかを試験およびレポートによって評価する．
		9	ファラデーの電磁誘導の法則を理解し，誘導起電力や誘導電流の計算ができるかどうかを試験およびレポートによって評価する．
		10	マクスウェル方程式と電磁波の定式化について理解しているかどうかを試験およびレポートによって評価する．
	総合評価		成績は，試験85%　レポート15%　として評価する．100点満点とし60点以上を合格とする．試験成績は中間試験，定期試験の平均点とする（前期中間試験の代わりの課題の評価は試験85%に含む．再試験を行い，その点数も考慮する．）
テキスト			「基礎からの物理学」：山本貴博（裳華房）「基礎物理学演習」：後藤憲一・小早川恵三・國友正和（共立出版）
参考書			「力学」：原島鮮著（裳華房）「電気磁気学」：石井良博著（コロナ社）「100問演習電磁気学」：今崎正秀著（共立出版）「ビジュアルアプローチ　力学」：為近和彦著（森北出版）「ビジュアルアプローチ　電磁気学」：前田和茂・小林俊雄著（森北出版）
関連科目			物理
履修上の注意事項			関連科目は1年および2年の物理である．本教科は1，2年の物理の内容を踏まえ，その応用および1，2年で触れなかった範囲を講義する．授業に対する理解がその都度完結するよう，予習・復習を必須とする．理解の定着をはかるため，毎回レポート課題を宿題として課す．

【授業計画（応用物理）】
回	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	運動の表し方1
1	質点の概念，位置と座標系（デカルト座標系，極座標系，円柱座標系），ベクトルの基本定理（単位ベクトル，位置ベクトル，変位ベクトル，スカラー積，ベクトル積）について学習する．
2	運動の表し方2
2	速度と加速度の表し方，計算方法，接線成分と法線成分の表現方法について学習する．
3	運動の表し方3
3	2次元極座標系について理解し，2次元極座標系による速度と加速度の表現，円運動と面積速度について学習する．
4	運動の法則
4	ニュートンの運動の3法則と運動方程式の立て方と解き方について学習する．
5	単振動
5	単振動の運動方程式について学習する．
6	減衰振動と強制振動
6	減衰振動と強制振動について学習する．
7	束縛運動
7	束縛力（抗力，張力）について理解し，束縛運動（斜面をすべる物体の運動，単振り子）の運動方程式について学習する．
8	中間試験の代わりの課題
8	中間試験の代わりの課題に取り組む時間とする．
9	力学的エネルギーとその保存則（仕事とエネルギー）1
9	仕事，保存力とポテンシャル，運動エネルギーと仕事の関係，力学的エネルギー保存則について学習する．
10	力学的エネルギーとその保存則2，角運動量とその保存則
10	前回の続き．その後，角運動量とその保存則について講義する．
11	非慣性系での物体の運動
11	慣性系と非慣性系，並進座標系，回転座標系，様々な慣性力について理解し，慣性系と非慣性系での運動について学習する．
12	質点系の力学
12	運動量保存の法則，力積，弾性衝突・非弾性衝突，重心，角運動量と力のモーメント，角運動量保存則について学習する．
13	剛体の力学1
13	慣性モーメント，剛体のつりあいと運動に関する基本定理について学習する．
14	剛体の力学2
14	慣性モーメント，剛体のつりあいと運動に関する基本定理について学習する．
15	定期試験解答
15	試験の解答と解説を行う．
16	タコマ・ナローズ橋の落下事故について
16	タコマ・ナローズ橋の落下事故についての解説と演習を行う．
17	力学のまとめ1
17	剛体の力学についての問題演習と復習を行う．
18	力学のまとめ2
18	剛体の力学についての問題演習と復習を行う．
19	力学のまとめ3
19	剛体の力学についての問題演習と復習を行う．
20	力学のまとめ4
20	剛体の力学についての問題演習と復習を行う．
21	電磁気学の4つの原理とマクスウェル方程式1
21	低学年で学んだこととこれから学ぶことの関係とこれから学ぶことの概要の解説と演習を行う．
22	電磁気学の4つの原理とマクスウェル方程式2
22	低学年で学んだこととこれから学ぶことの関係とこれから学ぶことの概要の解説と演習を行う．
23	中間試験
23	後期のこれまでに学んだ範囲について出題する．
24	中間試験の解答
24	中間試験の解答
25	電磁気学の第1の原理
25	クーロンの法則の解説と演習を行う．
26	電磁気学の第1の原理と第2の原理
26	ガウスの法則，ビオ・サバールの法則，磁束密度に対するガウスの法則の解説と演習を行う．
27	電磁気学の第2の原理と第3の原理1
27	ビオ・サバールの法則，アンペールの法則の解説と演習を行う．
28	電磁気学の第2の原理と第3の原理2
28	アンペールの法則，ファラデーの電磁誘導の法則の解説と演習を行う．
29	電磁気学の第4の原理
29	マクスウェルの変異電流の法則とアンペール・マクスウェルの法則，電磁波の解説と演習を行う．
30	定期試験解答
30	試験の解答と解説を行う．
備考	本科目の修得には，60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である．前期定期試験，後期中間試験および後期定期試験を実施する．（前期中間試験はその代わりの課題に変更）