科 目 | 電気回路III ( Electric Circuit III ) | |||
---|---|---|---|---|
担当教員 | 津吉 彰 教授 | |||
対象学年等 | 電気工学科・4年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III ) | |||
学習・教育 目標 |
A4-E1(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
本科目では1−3年で学んだ電気回路の復讐を行うとともに,交流回路,直流回路にわたる瞬時値解析(過渡解析)について学ぶ.そのために必要な回路の定理,回路素子の特性を理解させ,回路の方程式を導く事ができるようにさせる.通常の数学的な微分方程式を理解させた上で,ラプラス変換を導入し,回路の微分方程式の解法を学ばせる.また,回路の解析のために必要な式の導出過程を整理するために状態方程式の概念を導入する.回路網関数を利用した回路の表現を理解させる. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-E1】 回路解析に必要な微分方程式が解ける. | 2 | 【A4-E1】 KVL,KCLを用いて回路の過渡解析に必要な式が導出できる. | 3 | 【A4-E1】 標準状態方程式の導出ができる. | 4 | 【A4-E1】 回路網関数の導出ができる. | 5 | 【A4-E1】 回路の定理を駆使し,回路の簡単化ができる. | 6 | 【A4-E1】 回路方程式の導入のためのグラフ理論を理解し,簡単な回路を解析できる. | 7 | 【A4-E1】 ラプラス変換を利用して回路が解析できる. | 8 | 【A4-E1】 過渡解析に必要な定常解が求められる. | 9 | 【A4-E1】 交流回路の定常解析ができる. | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 回路解析に必要な微分方程式として1階,2階の微分方程式の問題を解ける事を小テストならびに試験で確認する. 基本的な問題のおおよそ70%正答を基準とする. | |
2 | 具体的な回路について,KVL,KCLを用いて回路の過渡解析に必要な式が導出できる事を小テストならびに試験で確認する.基本的な問題のおおよそ70%正答を基準とする. | |||
3 | 複雑でない回路について標準状態方程式の導出ができる事を小テストならびに試験で確認する.基本的な問題のおおよそ70%正答を基準とする. | |||
4 | 複雑でない回路について回路網関数の導出ができる事を小テストならびに試験で確認する.基本的な問題のおおよそ70%正答を基準とする. | |||
5 | やや複雑な回路をより単純な回路へ,回路の簡単化ができる事を小テストならびに試験で確認する.基本的な問題のおおよそ70%正答を基準とする. | |||
6 | 回路方程式の導入のためのグラフ理論を理解し,簡単な回路を解析できる事を小テストならびに試験で確認する.基本的な問題のおおよそ70%正答を基準とする. | |||
7 | 具体的な問題についてラプラス変換を利用して回路が解析できる事を小テストならびに試験で確認する.基本的な問題のおおよそ70%正答を基準とする. | |||
8 | 具体的な問題について過渡解析に必要な定常解が求められる事を小テストならびに試験で確認する.基本的な問題のおおよそ70%正答を基準とする. | |||
9 | 交流回路の問題について小テストならびに試験で確認する.基本的な問題のおおよそ70%正答を基準とする. | |||
10 | ||||
総 合 評 価 |
成績は,試験85% 小テスト15% として評価する.100点満点で60点以上の評価で合格とする.前期中間試験20%,前期定期試験,後期中間試験25%,後期定期試験30%の比率で試験の成績とする.上記に関わらず,後期定期試験で100点満点で60点以上の成績を収めたものは60点以上の評価とする. | |||
テキスト | 「よくわかる電気回路」:津吉彰(電気書院) | |||
参考書 | 「電気回路基礎ノート」:森真作(コロナ社) | |||
関連科目 | 電気回路I,II,電力工学I,II | |||
履修上の 注意事項 |
回路解析で使用する微分方程式の解法について熟知しておく必要がある.ノートは試験の持ち込み資料として認める場合があるので,きちんと保管しておく事. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
---|---|
1 | 交流回路の基礎とフェーザ法(第2章) |
第2章の基礎事項を学び,交流回路の計算を復習する. | |
2 | 交流回路の基礎とフェーザ法(第2章) |
1回目の内容の小テストを行う.交流電力の計算,ベクトル軌跡を学ぶ. | |
3 | 過渡解析 微分方程式(R-L回路)(第6章) |
R-L回路について,KVLから微分方程式を導出し,解く. | |
4 | 過渡解析 微分方程式(R-C回路)(第6章) |
R-C回路について,KVLから微分方程式を導出し,解く. | |
5 | 微分方程式(RLC回路)(第6章) |
RLC回路について,KVLから微分方程式を導出し,解く. | |
6 | 回路の方程式の導出練習 |
学生に黒板に回路を描かせ,その回路についてその場で回路の方程式を導かせる演習を行う. | |
7 | 演習,小テスト |
これまでの内容に対し簡単な演習,小テストを行い,到達度を確認する. | |
8 | 中間試験 |
交流回路の計算,基本的な回路の過渡応答について,微分方程式であらわされた回路方程式を導き,解けるか試験で確認する. | |
9 | 復習 |
試験の結果を見て,弱点を復習する. | |
10 | 回路方程式,初期条件の導出(第6章−4) |
電荷保存則,磁束保存則による初期条件の導出を学ぶ. | |
11 | ラプラス変換を用いた解析演習(第7章−1) |
回路方程式を導出し,ラプラス変換を用いて,微分方程式を解く練習をする. | |
12 | 演習,小テスト |
ラプラス変換の演習,小テストを行い,微分方程式がとけるかどうか確認する. | |
13 | ラプラス変換を用いた回路解析(第7章−2) |
微分方程式の導出を必要としないラプラス変換による解析法について学ぶ. | |
14 | 演習 |
過渡解析全般に対し,演習を行う,結果に対してグラフを書くなど回路の過渡現象を実感するような演習に力をいれる. | |
15 | これまでの復習 |
過渡解析全般に対し,演習を行う. | |
16 | 前期末定期試験の解説,復習 |
試験の結果を見て,弱点を復習する. | |
17 | ラプラス変換を用いた過渡解析の演習 |
ラプラス変換を用いた過渡解析の演習をし,習熟度を確認するため小テストを実施する. | |
18 | インパルス,インディシャル応答 |
ラプラス変換による回路解析において,インパルス,インディシャル応答の意義を学ぶ. | |
19 | 任意の波形の応答(第7章−2) |
複雑な波形に対する応答の解析方法について学ぶ. | |
20 | 回路網関数(第8章−3) |
電圧伝達関数を中心とした回路網関数を学び,演習問題を解く. | |
21 | 演習,小テスト |
電圧伝達関数を中心とした回路網関数の演習をし,小テストを行う. | |
22 | 状態方程式の導出(第9章) |
状態微分方程式の導出方法について学び,その意義を知る. | |
23 | 演習,小テスト |
状態微分方程式の導出について演習を行う. | |
24 | 中間試験 |
これまでに講義した過渡解析全般や伝達関数,電気回路IIの内容について試験を実施し,習熟度を確認する. | |
25 | 試験解説,3年の電気回路IIの復習(第5章) |
試験の解説を行い弱点復習,特に3年の電気回路IIの復習を行う. | |
26 | 分布定数回路の意味,解析方法,2端子対回路網について学ぶ.(第8章−4) |
分布定数回路,2端子対回路網の解析のため,伝送行列などについて学ぶ. | |
27 | 電気回路I,IIの復習(回路の定理)(第3章) |
回路の定理など電気回路の復習を行う. | |
28 | 電気回路I,IIの復習(交流回路の応用)(第4章) |
交流回路の応用を復習する. | |
29 | 電気回路I,IIの復習 |
各種練習問題を取り上げ演習させる. | |
30 | 全範囲復習 |
試験を控え,全範囲を復習する. | |
備 考 |
本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である. 前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.前期中間試験50点,前期定期試験,後期中間試験75点,後期定期試験100点の比重で成績を評価する.後期定期試験で60点以上の成績を収めたものは,それまでの成績に関わらず合格とする.レポートは評価に含めないが提出状況が不良であれば再試験の受験を許可しない. |