科 目 | 応用無機化学I ( Applied Inorganic Chemistry I ) | |||
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担当教員 | 松井 哲治 教授 | |||
対象学年等 | 応用化学科・5年・前期・必修・2単位 ( 学修単位II ) | |||
学習・ 教育目標 |
A4-C2(100%) | |||
JABEE 基準1(1) |
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g) | |||
授業の概要 と方針 |
応用無機化学は2,3年生の無機化学の講義で学んだ事柄の工業的な応用としての無機工業化学について学習する分野である.応用無機化学Iでは無機酸(硫酸・硝酸・塩酸・リン酸)およびアンモニアの工業的な製造法およびその理論などについて学習する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-C2】 無機酸(硫酸・硝酸・塩酸・リン酸)およびアンモニアの製造原理,製造技術の歴史,工業的価値,等を理解できる. | ||
2 | 【A4-C2】 無機化学製品製造に関する,製造プロセス,装置材料,環境対策,等について理解できる. | |||
3 | 【A4-C2】 製造技術に関しての化学反応,転化率,反応率およびエネルギーの計算,等演習を理解できる. | |||
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評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 無機酸やアンモニアの製造法の原理や製造技術の特徴が理解できているか中間試験及び定期試験で評価する. | |
2 | 無機化学製品製造法において,製造プロセス,装置の特徴,環境対策など理解できているか中間試験及び定期試験で評価する. | |||
3 | 関係する化学反応,原料の転化率,反応率やエネルギー計算などが理解できているかレポート,中間試験及び定期試験で評価する. | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験85% レポート15% として評価する.レポートで製造理論に関する理論式の誘導や計算問題を課する.100点満点で60点以上を合格とする. | |||
テキスト | 「無機工業化学ー第2版」 : 塩川二朗編 (化学同人出版) |
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参考書 | 「無機工業化学 第4版」:安藤淳平,佐治 孝共著(東京化学同人) 「無機工業化学」:安藤淳平,佐治 孝共著(東京化学同人:出版) |
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関連科目 | 無機化学I,無機化学II,物理化学Iおよび化学工学関連科目 | |||
履修上の 注意事項 |
2,3年生で学習する無機化学や4年生の物理化学I(特に反応速度論)と化学工学を十分学習し,理解を深めることが大切である. |
回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 工業化学総論(化学工業の特徴,資源とエネルギー,課題)について |
まず,化学工業の定義を解説する.次に,無機化学工業に属する工業の種類を説明する.特に,狭い意味の無機化学工業の内無機酸やソーダ,肥料を扱い,最後にセラミックスを題材として解説する.化学工業の特徴は,装置産業であることや資源・エネルギーと関係深く,地球環境との課題を抱えてきた歴史も解説する. | |
2 | 硫酸工業:製造法の概要と原料について |
まず,硫酸製造技術の発達の歴史を解説する.次に重要な方法として硝酸式と接触式を解説する.また,原料に関して解説する. | |
3 | 硫酸工業:接触式製造法の理論(化学平衡・反応速度・触媒) |
主に接触式の製造理論をとりあげて,化学平衡,反応速度の面から解説する.そして,この反応で使用する触媒に関しても概要を解説する. | |
4 | 硫酸工業:接触式の理論および装置・操業に関する演習問題 |
接触式の設備の特徴や操業に関して解説し,物質収支計算や理論も含めて演習を行なう. | |
5 | 硝酸工業:製造法の概要,アンモニア酸化法の理論(化学平衡論) |
硝酸製造法の技術的発展と用途について解説する.次いでアンモニア酸化法による製造法の基礎理論を解説する. | |
6 | 硝酸工業:アンモニア酸化法の理論(反応速度と触媒) |
アンモニア酸化法の理論を反応速度論を用いて解説する.また,触媒についても詳述する. | |
7 | 硝酸工業:反応装置,環境問題に関する演習問題 |
反応装置の特徴と環境への影響を解説する.簡単な理論や製造法の演習を行なう. | |
8 | 中間試験 |
1週から7週目の範囲で試験を行う. | |
9 | 中間試験解答,塩酸工業:製造法の概要,製造理論 |
まず中間試験の解答を行なう.塩素と水素からの塩酸製造法について概要を解説する.塩素爆鳴気反応であること,その特徴点を解説する. | |
10 | 塩酸工業:反応装置,演習問題 |
塩素爆鳴気反応以外の塩酸の製法の解説を行なう.反応装置の特徴を解説後,簡単な演習を行なう. | |
11 | リン酸工業:製造法の概要,湿式法および乾式法リン酸製造法の理論 |
リン鉱石からのリン酸製造法は湿式法と乾式法があるが,湿式法をとりあげて基礎理論も解説する.リン酸の製造法では,石膏の製造が深く関係することも説明する. | |
12 | リン酸工業:各種製造法の特徴,反応装置などに関する演習問題 |
湿式法の各種製造法の特徴を解説する.また,装置の特徴も説明する.簡単な演習を行なう. | |
13 | アンモニア工業:製造法の概要,合成理論 |
まず,アンモニア合成技術の歴史的変遷を解説する.次に,主な用途や工程の概要を説明する.温度や圧力の関係を主に化学平衡の上から基礎理論を解説する. | |
14 | アンモニア工業:合成ガスの製造 |
反応速度や反応速度の面から基礎理論を解説する.また,触媒の関係を説明する. | |
15 | アンモニア工業:合成装置と条件などに関する演習問題 |
合成装置の特徴や合成条件について解説する.簡単な演習を行なう. | |
備 考 |
本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する. |