科 目 | 計測工学 ( Mechanical Measurement Engineering ) | |||
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担当教員 | 菊谷 功,石垣 博行 | |||
対象学年等 | 機械工学科・4年C組・通年・必修・2単位 ( 学修単位III ) | |||
学習・教育 目標 |
工学系複合プログラム | JABEE基準1(1) | ||
A-4-3(100%) | (d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g) | |||
授業の概要 と方針 |
機械装置の研究開発,設計,製造,運転に至る各過程の生産活動ならびに技術管理を行う際に必要な機械計測の基礎知識を習得するとともにその実践力を育て る。本稿では,機械工学で主として扱う物理量の計測について機械工学系科目の内容と関連させて学び,計測が生産活動と深く関係していることを理解させる。 | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A-4-3】 計測の目的ならびに単位の体系を理解している。 | ||
2 | 【A-4-3】 測定値の誤差ならびに精度の定義,種類を理解するとともに有効数字の意味を理解してその取り扱いができる。 | |||
3 | 【A-4-3】 計測系の一般的構成ならびにその特性評価の方法を理解して汎用的機器を用いた計測系の構築ができる。 | |||
4 | 【A-4-3】 長さ測定において誤差の原因となる一般的事項を理解して適切な長さ計の選択ならびに使用ができる。 | |||
5 | 【A-4-3】 汎用的長さ計の機構ならびに測長器の設計原理を理解して設計に応用することができる。 | |||
6 | 【A-4-3】 生産現場において適切な角度測定器を選択して部品の角度を測定することができる。 | |||
7 | 【A-4-3】 時計あるいは周波数の測定方法を理解して,実験等においてそれらを使用することができる。 | |||
8 | 【A-4-3】 回転計の種類ならびに原理を理解して,設計に応用することができる。 | |||
9 | 【A-4-3】 質量の概念を理解して精密測定のための補正ができる。 | |||
10 | 【A-4-3】 天秤の設計原理と測定方法の関係が理解できる。 | |||
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 計測の目的ならびに単位についての理解度を試験で評価する。 | |
2 | 測定値の誤差,精度の定義,有効数字の意味を理解し,計算処理ができるかを試験で評価する。 | |||
3 | 計測系の一般的構成ならびにその特性評価の方法を知り,目的に応じた計測系の構築を汎用的機器を用いて構築することができるかを試験で評価する。 | |||
4 | 長さ測定における一般的事項を理解して,目的に応じた長さ計の選択,使用ができるかを試験で評価する。 | |||
5 | 測長器の設計原理を理解して,長さ計の設計に応用できるかを試験で評価する。 | |||
6 | 角度測定器の原理ならびに種類を知り,生産現場において目的に応じてそれが使用できるかを試験で評価する。 | |||
7 | 時間あるいは周波数の測定方法を理解して,実験等においてそれが使用できるかを試験で評価する。 | |||
8 | 回転計の種類ならびにその原理を理解して,その知識が設計に応用できるかを試験で評価する。 | |||
9 | 質量の概念を理解して,その知識が精密測定へ活用できるかを試験で評価する。 | |||
10 | 天秤を用いて,測定機器の設計原理と測定方法の関係が理解できているか試験で評価する。 | |||
総 合 評 価 |
成績は,試験100% として評価する。100点満点で60点以上を合格とする。 | |||
テキスト | 「機械計測」:谷口修(養賢堂) |
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参考書 | 「機械計測」:岩田耕一ほか(朝倉書店) 「計測システム工学の基礎」:西原主計/山藤和男(森北出版) |
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関連科目 | 工学系基礎科目全般 | |||
履修上の 注意事項 |
計測工学は,他の工学系基礎科目と深く関連するので他の授業ならびに教科書も参考に学習すること。 |
回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 計測の基礎 |
計測の目的ならびに本授業で扱う内容について概説する。 | |
2 | 測定値 |
基本量と組立量の関係,単位の体系について学ぶ。 | |
3 | 誤差と精度 |
測定値の誤差と精度の定義ならびに種類について理解する。 | |
4 | 有効数字と近似計算 |
測定結果を表す有効数字の意味ならびにその計算処理の仕方について学ぶ。 | |
5 | 測定の方式 |
測定方式の一般的分類について理解する。 | |
6 | 計測系の構成 |
計測系の一般的構成について理解する。 | |
7 | 計測系の静特性と動特性 |
計測系の一般的特性とその評価方法について学ぶ。 | |
8 | 中間試験 |
到達目標の達成度をチェックし中間評価する。 | |
9 | 長さの標準 |
長さの基本単位と工業的に実際に用いられる長さの基準について学ぶ。 | |
10 | 長さ測定の一般的事項 |
長さ測定において共通的かつ基本的な誤差の原因のうち,温度の影響ならびに測定力の影響について述べる。 | |
11 | 同上 |
線度器や端度器の支え方ならびに多種多様な長さ計から目的に応じたものを選択する際の一般的留意事項について述べる。 | |
12 | 拡大機構をもつ長さ計 |
マイクロメータ,ダイヤルゲージを例に長さ計の拡大機構における工夫について学ぶ。 | |
13 | 標準尺を持つ測長器の設計原理 |
アッベ式測長器の設計原理を理解する。 | |
14 | 角度の標準 |
角度の基本単位と工業的に実際に用いられる角度の基準について学ぶ。 | |
15 | 角度の測定,輪郭および面の測定 |
サインバー,タンジェントバーなど生産現場でよく用いられる角度測定の方法について学ぶとともに,機械部品の幾何形状の測定方法について学ぶ。 | |
16 | 時間の標準 |
時間の基本単位について理解するとともにその測定原理について学ぶ。 | |
17 | 時間の測定(1) |
時計を構成する等時性機構ならびに時計の種類について学ぶ。 | |
18 | 時間の測定(2) |
短時間の測定方法についての先人の工夫を学び理解することで工学的設計のセンスを涵養する。 | |
19 | 周波数の測定(1) |
周波数の測定は時間測定と同義であることを理解し,その測定法を分類,整理する。 | |
20 | 周波数の測定(2) |
合致法,リサージュ図形,共振現象など利用した周波数測定法について学ぶ。 | |
21 | 回転計(1) |
機械装置においてしばしば必要となる回転速度の測定は周波数測定の応用であることを理解し,その種類について学ぶ。 | |
22 | 回転計(2) |
遠心力回転計,曳航式回転計,発電式回転計などを取り上げて,その測定原理をすでに学習した物理現象を関連させて理解する。 | |
23 | ストロボスコープなど |
生産現場で広く利用される回転計として,ストロボスコープならびにカウンタ形式,アナログ形式のものなど分類,整理する。 | |
24 | 中間試験 |
到達目標の達成度をチェックし中間評価する。 | |
25 | 質量・重量および力の標準 |
質量,重量ならびに力の概念について理解し,それらの単位ならびに基準について理解する。 | |
26 | 浮力の補正 |
質量測定の基本概念を理解し,その精密測定のための浮力の補正について学ぶ。 | |
27 | 天秤の設計原理 |
天秤の感度ならびに振動周期について解析的に考察し,静的ならびに動的特性の改善の観点からその設計原理を理解する。 | |
28 | 置換法,二重秤量法 |
質量の測定器「天秤」を例に,測定の高精度化は測定機器と測定方法の開発が互いに補完しあっていることを理解する。 | |
29 | 実用的な秤,工業用秤 |
皿秤,台秤などの機構的な仕組みを理解することにより,先人の工夫を学ぶ。 | |
30 | 力およびトルクの測定 |
実験研究でしばしば必要となる力およびトルクの測定の方法ならびに注意事項について概説する。 | |
備 考 |
中間試験および定期試験を実施する。 |