2005 年度国語シラバス

【 2005 年度授業概要】
学習・教育目標			工学系複合プログラム	ＪＡＢＥＥ基準１（１）
科　　　目			国語 ( Japanese Language and Literature )
担当教員			土居文人
対象学年等			都市工学科・3年・通年・必修・2単位
学習・教育目標			－	－
授業の概要と方針			第１、２学年で行った、一般教養としての国語の基礎的学習の発展編として、さらに高度な文章読解法・文章表現法について講義と実践を行う。批評については、いくつかの方法を提示して具体的に批評を執筆する。また、日本文化の特徴と問題点について、最新の話題を提供しつつ議論する。
到達目標		1	速読・熟読の両方により、的確かつ創造的に文章を読解し、その文章を要約できる。
		2	根拠を示し、文体と内容の整合性の保たれた、論理的で文意の明快な説明を書くことができる。
		3	批評のための知識を習得している。
		4	日本語・日本文学・日本文化の特性について理解している。
		5	内容・構成・文体の整合性の取れたエッセイを執筆できる。また、芸術作品を適切な方法でわかりやすく批評できる。
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評価方法と基準	到達目標毎	1	速読・熟読の両方による、的確かつ創造的な文章読解力を身につけているか、定期試験で評価する。
		2	明確な根拠を示し、文体と内容の整合性の取れた、論理的で文意の明快な説明を書くための知識・方法を身につけているか、定期試験で評価する。
		3	批評のための知識を身につけているか、定期試験で評価する。
		4	日本語・日本文学・日本文化の特性についての知識と理解度を、定期試験で評価する。
		5	各自でテーマを選んでエッセイを書くレポート、また、各自の選んだ芸術作品・作者についての批評を書くレポートを提出させ、表現力・文章構成力・内容を評価する。
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	総合評価		到達目標1,2,3,4に関する、2回の定期試験の平均値を90％、到達目標5に関するレポートを10％として評価する。ただし、出席状況の悪い者は不合格とする。
テキスト			「高等学校　現代文」：竹盛天雄ら編（第一学習社）プリント教材
参考書			「日本語表現のレッスン」：長沼行太郎ら著（教育出版）「文章読本」：向井敏著（文春文庫）「日本文学の歴史　10」：ドナルド・キーン著（中央公論社）「シリーズ・日本語のしくみを探る④ 日本語学のしくみ」：町田健編・加藤重広著（研究社）「ハリーと千尋時代の子どもたち」：山中康裕著（朝日出版社）
関連科目
履修上の注意事項			・関連科目：第2学年「国語」。第3学年「国語」は、第2学年で習得した現代日本文化・日本の古典文学・漢文学・国語表現に関する知識と技術を総合して、日本文化の特徴と諸問題についての考察と、より高度な国語表現の実践へとつながる科目となる。・関連科目：第4学年「国語」。

【授業計画（国語）】
週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	日本語を書くトレーニング(1)
1	自己ＰＲの方法について説明する。自己ＰＲの実例を示し、その問題点について、グループで討論する【グループワーク】。ジャンル別漢字プリントを配布し、宿題とする。
2	日本語を書くトレーニング(2)
2	志望動機を書く方法について説明する。志望動機の実例を示し、その問題点について、グループで討論する【グループワーク】。
3	現代のエッセイの鑑賞(1)
3	エッセイの原義と本質について解説する。教科書のエッセイを熟読し、構成・内容・文体について理解する。
4	現代のエッセイの鑑賞(2)
4	教科書のエッセイを熟読し、構成・内容・文体について理解する。
5	様々な「文体(style)」－自分の文体を発見する
5	様々な種類の文体の具体例を示し、解説する。文体についての理解を深める。
6	悪文とは何か
6	文章が悪文になる条件を、具体例を示しつつ解説する。悪文をわかりやすい文章に書き直す。
7	速読の方法－問題提起と結論、キーワード
7	速読と要約の方法を、具体例を示しつつ説明する。ワープロソフトの要約機能の方法と問題点を考える【グループワーク】。
8	速読の実践－教科書のエッセイの速読と要約(1)
8	グループで教科書のエッセイを速読し、要約を作成する【グループワーク】。
9	速読の実践－教科書のエッセイの速読と要約(2)
9	第8週で速読した教科書のエッセイについて、グループワークで作成した要約、ワープロソフトの要約機能による要約、教員が作成した要約を比較し、方法と内容について考える。
10	エッセイの作成法(1)
10	エッセイを作成する手順を解説する。
11	エッセイの作成法（2）
11	評論用語とその性質について解説する。
12	批評の方法
12	「印象批評」「規範的批評」「記述的批評」を中心とした、批評の方法について具体例に即して解説する。
13	現代小説概説
13	村上龍と村上春樹の小説の比較を通して、現代小説家と現代小説の抱える問題について解説する。（村上龍「インザ・ミソスープ」、村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」を取り上げる予定である）
14	文芸批評とユング心理学（1）
14	普遍的無意識、元型（アーキタイプ）などのユングの提示した概念と、それを小説・映画などの作品の解釈に使うことの意義と問題点について、具体例に即して解説する。
15	文芸批評とユング心理学（2）
15	普遍的無意識、元型（アーキタイプ）などのユングの提示した概念と、それを小説・映画などの作品の解釈に使うことの意義と問題点について、具体例に即して解説する。
16	文芸批評とユング心理学（3）
16	普遍的無意識、元型（アーキタイプ）などのユングの提示した概念と、それを小説・映画などの作品の解釈に使うことの意義と問題点について、具体例に即して解説する。ジャンル別漢字プリントを配布し、宿題とする。
17	詩の作成法と分析法（1）
17	詩の作成法と分析法を説明し、教科書の詩を鑑賞する。
18	詩の作成法と分析法（2）
18	詩の作成法と分析法を説明し、教科書の詩を鑑賞する。
19	詩の作成法と分析法（3）
19	詩の作成法と分析法を説明し、教科書の詩を鑑賞する。
20	伝承される作品の条件
20	昔話が伝承される理由など、具体例に即して、作品が時間の浸食に耐えて伝承されていくための条件について解説する。
21	日本語を書くトレーニング（3）
21	Ｅメールの書き方について説明する。Ｅメールの実例を示し、その問題点についてグループで話し合う【グループワーク】。
22	近代日本と文学（1）恋愛の発見
22	夏目漱石の小説における漱石の恋愛観を通じて、西欧文学が日本近代文学に与えた影響「恋愛の発見」について解説する。
23	近代日本と文学（2）個の発見
23	近代の自然主義小説、私小説を取り上げつつ、西欧文学が日本近代文学に与えた影響「個の発見」について解説する。
24	夏目漱石の考えたこと（1）
24	教科書所載の夏目漱石の小説「こころ」を読解、批評する。
25	夏目漱石の考えたこと（2）
25	教科書所載の夏目漱石の小説「こころ」を読解、批評する。
26	夏目漱石の考えたこと（3）
26	教科書所載の夏目漱石の小説「こころ」を読解、批評する。
27	日本語概説（1）
27	世界の言語の中での日本語の特徴、日本語の歴史について概説する。
28	日本語概説（2）
28	世界の言語の中での日本語の特徴、日本語の歴史について概説する。
29	日本文化の特徴（1）
29	対抗文化（カウンター・カルチャー）に現れた天才が、新しい文化を創造してきた日本文化の歴史について、概説する。
30	日本文化の特徴（2）
30	世界を席巻する、日本の表象文化（浮世絵、アニメーション、映画など）の歴史と評価、そして今後の可能性について考察する。
備考	・定期試験を実施する。・中間試験は実施しない。