科 目 | 経済学 ( Economics ) | |||
---|---|---|---|---|
担当教員 | 高橋 秀実 | |||
対象学年等 | 電子工学科・5年・通年・選択・2単位 | |||
学習・教育 目標 |
工学系複合プログラム | JABEE基準1(1) | ||
C3(100%) | (a),(b) | |||
授業の概要 と方針 |
現代日本経済の諸テーマを多面的に検証する。時事経済記事・データを紹介し、最新の経済テーマ・トピックスを採り入れ、経済動向を視野に入れつつ、現代日本経済の全体像を浮き彫りにする。転換期としての日本経済の現状と課題を把握し、技術者として日本経済を広い視野から分析し判断しうる見識を養成する。 | |||
到 達 目 標 |
1 | 【C3】 戦後日本経済の歩みを理解する。高度経済成長を可能にした要因を分析する。1980年代以降のバブル発生と崩壊の過程を検証し、銀行不良債権拡大・金融不安に至ったメカニズムを分析する。 | 2 | 【C3】 終身雇用・年功序列等日本型雇用慣行の変化、フリーター増大・労働形態多様化の社会的意味、失業率・雇用動向などを理解する。労働基準法に規定された労働者の権利を理解する。 | 3 | 【C3】 少子化・高齢化の現状と原因を分析する。少子化・高齢化が財政・税制・社会保障に及ぼす経済的影響・問題点を検証し考察する。 | 4 | 【C3】 技術革新と産業構造の変化の関連を理解する。技術者の観点から今後の新たな技術革新の潮流を考察する。 | 5 | 【C3】 日本の貿易・海外生産の現状と課題を、日中経済関係など様々な観点から分析する。グローバリゼーション・地域経済統合が進展しつつある現代世界経済の中で日本が置かれている状況と課題を把握する。 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 試験・レポート・提出物により評価する。 | |
2 | 試験・レポート・提出物により評価する。 | |||
3 | 試験・レポート・提出物により評価する。 | |||
4 | 試験・レポート・提出物により評価する。 | |||
5 | 試験・レポート・提出物により評価する。 | |||
6 | ||||
7 | ||||
8 | ||||
9 | ||||
10 | ||||
総 合 評 価 |
試験成績50%、レポート・提出物50%で総合評価する。 | |||
テキスト | 「日本経済100の常識 2005年版」:日本経済新聞社編(日本経済新聞社) |
|||
参考書 | 「平成15・16・17年 経済財政白書」:内閣府(国立印刷局) 「10年デフレ」:斉藤精一郎(日本経済新聞社) 「バブルの経済学」:野口悠紀雄(日本経済新聞社) 「世界経済入門 第三版」:西川潤(岩波新書) 「日本経済図説 第三版」:宮崎勇(岩波新書) |
|||
関連科目 | ||||
履修上の 注意事項 |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
---|---|
1 | 序論:日本経済の現状と課題 |
21世紀初頭の日本経済が置かれている現状と課題を、戦後体制と対比させて問題提起する。 | |
2 | 高度経済成長 |
1950・60年代の高度経済成長時代における重化学工業の発達を検証する。 | |
3 | 高度経済成長 |
高度経済成長を可能にした諸要因を様々な視点から分析し考察する。 | |
4 | オイルショック |
1970年代オイルショックの及ぼした経済的影響、日本企業の対応を分析し考察する。 | |
5 | 日米貿易不均衡と貿易摩擦 |
1980年代レーガノミクスによる米国の財政・貿易赤字、日本の貿易黒字拡大による日米貿易不均衡、貿易摩擦を分析し考察する。 | |
6 | バブル経済 |
1985年プラザ合意以降80年代後半の株価・地価高騰、バブル経済化の過程とその原因を分析し考察する。 | |
7 | バブル崩壊 |
1990年代株価・地価暴落、バブル崩壊に至った過程とその原因を分析し考察する。 | |
8 | 10年デフレと金融不安・銀行不良債権問題 |
1990年代バブル崩壊後のデフレ経済、金融不安を招いた銀行の不良債権問題を分析し考察する。 | |
9 | IT革命とグローバリゼーション |
1990年代以降世界経済の構造変化を生じさせた要因として、情報通信を基盤とする技術革新(IT革命)と、世界市場の一体化(グローバリゼーション)を考察する。 | |
10 | 労働・雇用 |
完全失業率・有効求人倍率の概念、近年の失業率の推移など、雇用の現況を把握するための基礎知識を習得する。 | |
11 | 労働・雇用 |
終身雇用制・年功序列型賃金・企業別労働組合など、戦後日本の雇用の特徴を検証し考察する。 | |
12 | 労働・雇用 |
能力主義・成果主義賃金への転換など、雇用制度に関する現代的潮流を考察する。 | |
13 | 労働・雇用 |
労働時間・休日・賃金など、労働基準法が規定する労働者の権利を理解する。 | |
14 | 労働・雇用 |
フリーターの増加の現状を分析し、雇用形態の多様化とその問題点を考察する。 | |
15 | 前期総括 |
前期の授業内容を総括する。 | |
16 | 景気 |
GDP(国内総生産)・経済成長率など基礎概念を確認する。景気の現状を考察するための判断材料たる景気動向指数を理解し、景気動向を考察する。 | |
17 | 企業 |
資本主義経済の根幹を成す株式会社制度、資金調達手段としての株式を理解する。 | |
18 | 少子化・高齢化 |
経済白書などの統計から日本の少子化・高齢化の現状を分析し考察する。 | |
19 | 少子化・高齢化 |
晩婚化・未婚化及び経済的理由による出生率低下などの諸観点から、少子化の原因を分析し考察する。 | |
20 | 少子化・高齢化 |
財政・税制・社会保障など様々な面に及ぼす少子化・高齢化の経済的影響を考察する。 | |
21 | 財政 |
公共財の提供・所得の再分配・景気の調整などの諸観点から、財政の機能を考察する。 | |
22 | 租税 |
直接税と間接税の比較を中心に税制度を分析する。国債累積・財政破綻の現状を分析し、税制改革のあり方を考察する。 | |
23 | 社会保障 |
日本の社会保障制度・年金制度の問題点を分析し考察する。 | |
24 | 貿易 |
日本の貿易の特徴を分析する。日本企業の生産拠点海外移転、多国籍企業化を分析し考察する。 | |
25 | EU・自由貿易圏 |
市場統合、ユーロによる通貨統合、加盟国拡大へと進むEU経済の現状と課題を分析し考察する。自由貿易圏(FTA)の潮流を理解する。 | |
26 | 中国経済と日中経済関係 |
近年著しい発展を遂げつつある中国経済の現状を分析し、日中経済関係のあり方を考察する。 | |
27 | 技術革新と産業構造 |
ペティ・クラークの法則が示す産業構造の変動を日本経済の歩みを通じて実証する。 | |
28 | 技術革新と産業構造 |
戦後日本の技術革新を、高度成長期の大量生産型、オイルショック期の省エネ型、80年代以降の情報通信型に類型化して特徴を考察し、技術革新と産業構造の変遷の連関性を分析する。 | |
29 | 技術革新の新しい潮流 |
情報通信革命、環境との調和などのコンセプト、注目される技術革新の新しい潮流を考察する。 | |
30 | 総括:日本経済の現状と課題 |
全授業の総括として、日本経済が置かれている現状と諸課題を考察する。 | |
備 考 |
時事経済テーマを随時導入するため、上記予定テーマの内容・順序は変更可能性あり。定期試験を実施する。適宜レポート・提出物を課する。 |