【 2005 年度 授業概要】

科　　　目			倫理 ( Ethics )
担当教員			手代木 陽
対象学年等			電子工学科・2年・通年・必修・2単位
学習・教育 目標			工学系複合プログラム	ＪＡＢＥＥ基準１（１）
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授業の概要 と方針			現代社会において私たちはいかに生きるべきであろうか。人間として「よく生きる」ことを先人たちの思想や現代社会の問題を通して学び、自らの生き方を考える姿勢を身につける。
到 達 目 標		1	青年期の特徴を理解し、自らの問題として考えることができる。
		2	先人の倫理思想を正しく理解できる。
		3	現代社会における倫理的問題を正しく理解できる。
		4	現代社会における倫理的問題について自分の意見を矛盾なく展開できる。
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評 価 方 法 と 基 準	到 達 目 標 毎	1	青年期の特徴についての理解を中間試験で評価し、自らの問題として考えることができるか、レポート課題で評価する。
		2	ギリシアの思想、キリスト教、イスラーム、仏教、近代における人間の尊厳と自由の思想、民主社会を形成した社会契約説、社会主義の思想の理解度を中間試験、定期試験で評価する。
		3	高齢社会、高度情報社会、国際化、生命倫理、環境倫理の問題について正しく理解できているか、中間試験、定期試験で評価する。
		4	高齢社会、高度情報社会、国際化、生命倫理、環境倫理の問題について自分の意見を矛盾なく展開できるか、中間試験、定期試験の作文問題やレポート課題で評価する。
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	総 合 評 価		中間試験、定期試験成績80％、レポート課題・ノートなどの学習成績20％。自主的に提出されたレポートについては、これらの成績にさらに適宜加点する。
テキスト			「高等学校　倫理」：式部久他（第一学習社） 「新編資料　高校倫理」：高嶋求他編（令文社）
参考書			なし
関連科目
履修上の 注意事項			なし

【授業計画（ 倫理 ）】

週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	倫理とは何か
	「倫理」という言葉の意味を漢字の成り立ちから考える。１年間の授業の概要・評価方法などについて説明する。
2	青年期の意義と課題
	青年期の特徴、青年期の発達課題としてアイデンティティの確立、パーソナリティと性格、欲求と適応などの問題を解説する。
3	現代における青年の生き方
	青年期に固有の恋愛や性の問題について考える。セクシュアル・ハラスメントなどの社会問題も取り上げる。
4	人間としての自覚
	人間の定義や、類人猿などと比較した人間の特徴について考える。
5	ギリシアの思想（１）
	初期自然哲学の形成、ソフィストの思想、ソクラテスの思想について解説する。
6	ギリシアの思想（２）
	ソクラテスの死の意義について考える。国法を尊重するとはどういうことか、憲法９条の問題を通して現代のわれわれの問題として考える。
7	ギリシアの思想（３）
	プラトン、アリストテレスの思想について解説する。
8	中間試験
	青年期の意義と課題、現代における青年の生き方、ギリシアの思想の範囲で試験を実施する。
9	キリスト教（１）
	新約聖書から「放蕩息子の物語」を取り上げ、信仰するとはどういうことか考える。旧約聖書とユダヤ教の思想について解説する。
10	キリスト教（２）
	パレスチナ問題の歴史について解説し、ビデオ教材を用いて和平の問題について考える。
11	キリスト教（３）
	新約聖書とイエスの思想について解説する。
12	イスラーム（１）
	イスラームの成立史と信仰の特徴について解説する。
13	イスラーム（2）
	国際社会におけるイスラームの位置づけについて解説する。
14	仏教（１）
	仏教の母体となったバラモン教の社会と思想について解説する。
15	仏教（２）
	ゴータマ=シッダルタの思想について解説する。
16	現代社会の特質と課題（１）
	科学技術の発達がもたらした諸問題は技術的解決のみならず、社会的合意が必要であることを脳死問題を通して解説する。
17	現代社会の特質と課題（２）
	高齢社会の問題を現代における家族のあり方の変化との関係において解説し、その対策を考える。
18	現代社会の特質と課題（３）
	高度情報社会におけるプライバシー権や知的財産権の問題を解説し、その対策を考える。ビデオ教材も活用する。
19	現代社会の特質と課題（４）
	グローバル化が進む世界の現状をさまざまな視点から取り上げ、レポート課題を通して真の国際化とは何かを考える。
20	人間の尊厳と自由（１）
	人間の「尊厳」とは何か、クローン技術の問題を通して考える。人間の尊厳の思想的源泉をルネサンスの時代にまで遡る。
21	人間の尊厳と自由（２）
	人間の尊厳を「人格」に見出したカントの思想を解説し、自由とは何かを考える。
22	人間の尊厳と自由（３）
	人間の自由には重い責任が伴うことをサルトルの思想を通して考える。
23	中間試験
	現代社会の特質と課題、人間の尊厳と自由の範囲で試験を実施する。
24	民主社会における人間のあり方（１）
	すべての人間の平等を目指す民主社会の思想的源泉を17-18世紀の社会契約説に遡って解説する。
25	民主社会における人間のあり方（２）
	19世紀の労働者の問題に取り組んだ社会主義の思想について解説する。
26	民主社会における人間のあり方（３）
	社会主義国の崩壊後、われわれの社会に残された平等の問題を、南北問題を通して考える。
27	生命倫理と課題（１）
	体外受精や代理母などの新しい生殖医療技術の倫理的問題について解説する。ビデオ教材を通して子供の「出自を知る権利」について考える。
28	生命倫理と課題（２）
	安楽死と尊厳死の問題を解説し、「生命の質」を選ぶ患者の自己決定権の是非について考える。
29	環境倫理と課題（１）
	生態系の保全を目的とする「自然の権利」について解説し、動物にも生きる権利があるかを考える。
30	環境倫理と課題（２）
	世代間倫理の問題を通して、われわれ現代人には未来世代のために環境を守る義務があるかを考える。
備 考	中間試験を実施する。 定期試験を実施する。