教員紹介(機械工学科)
MIYAMOTO Takeshi  メール: TEL:078-795-3227
- 職名
教授
- 専門分野
生産工学,加工学,機械工作
- 現在の研究課題と概要
- 金型用超硬合金の切削
- MLベルトの研磨特性
- 自動車カム研磨に関する研究
- 5軸工作機械の技術継承
- 歯科補綴物の一貫加工技術の提案
- 鉄道レール削正に関する研究
超硬合金は,切削工具に用いられる材料で,金型にも用いられています.その金型製作工程として,切削を行なうことがあります.しかし,超硬合金を切削することは非常に難しく,本研究では,切削機構を調べ,さらに超硬合金の良好な切削が行える方法を調べています.
ML(Multi-Layered)ベルトは,多層式研磨ベルトであり,研磨布の短い羽根をベルトに植え込んでいます.従来の研磨ベルトに比べて,20〜40倍の長寿命であり,一定の切れ味,面粗度を保ちます.そのMLベルトの研磨特性を調べています.
自動車カムの形状を簡単に表現すると卵型であると言えます.そのカムを研削する際には,研削速度80m/min前後での加工能率が求められている一方で,形状が不規則であるために焼けが生じたり,加工硬化層が生じるなどの問題点が指摘されています.本研究では,その問題点が発生する原因を調べ,より効果的な研削条件を調べています.
2010年に5軸工作機械が設置され,技術者の育成が必要となり,技術指導マニュアルやチュートリアル動画の作成を行っている.CAMについてもマニュアルを作成し技術継承に取り組んでいる.
歯科補綴物の加工における工程の集約と歯科技工士による加工技術のデータ化を目的としている.三次元位置測定器をベースに製作したモデリングインターフェースを使い,目的となる物体の形状および成形の軌跡を取得する.得られた情報からボクセルモデルを用いたモデリングに利用することで,歯科技工士の手作業による歯型印象取得技術の保存ならびにマシニングセンタなどの工作機械への加工データとしての活用を行う.
鉄道レールには,激しい走行に伴い波状摩耗が生じており,脱輪や騒音などの原因となっています.その波状摩耗を取り除く方法の一つとしてレールの削正が挙げられますが,これまでは砥石を用いた正面研削により行なわれていました.しかし,この方法では,能率が悪いことからMLベルトによる新しい鉄道レール削正技術に取り組んでいます.
- 研究業績(主要3件)
- T. Miyamoto, J. Fujiwara and K. Wakao, "Influence of WC and Co in Cutting Cemented Carbides with PCD and CBN Tools",
Key Engineering Materials Vols.407-408, 2009, pp.428-431. - 許盛中,宮本猛,花崎伸作,藤原順介,天野祥毅,「耐摩耗工具用超硬合金切削における切削油の効果」,
精密工学会誌,Vol.73, No.8,2007, pp.896-900. - T. Miyamoto, S. J. Heo, J. Fujiwara and S. Hanasaki, "Influence of WC and Co Contents in Cutting of Wear and Impact Resistant Cemented Carbides",
JSME Int. J. Series C, Vol.49, No.1, 2006, pp.90〜93.
- 所属学会,協会
日本機械学会,精密工学会,軽金属学会,砥粒加工学会,高専学会
- 担当教科
機械加工関連科目,設計製図,機械実習,機械実験
- 顧問
硬式野球部
- 受賞学術賞
- 工作機械技術振興賞(奨励賞) 平成15年6月18日
「画像解析(PIV法)の二次元切削への応用」 - 工作機械技術振興賞(奨励賞) 平成14年6月18日
「円筒すくい面工具における高ニッケル合金のねじ旋削」 - 伸銅技術研究会技術論文賞 平成8年11月6日
「電顕内繰返し微小切削における脱亜鉛層を含む黄銅の切削過渡現象」