都市工学を選択するにあたって、最も大事なことはなんですか?
→都市工学系の学科は、「ものづくり」を掲げる高専の中では少し特殊な学科といえるかもしれません。なぜなら、機械工学や電気工学などが扱う「ものづくり」は、ひとつの設計図で、自動車やスマートホンなどを大量生産しますが、都市工学の場合は、橋やトンネルなど基本的には同じものが世の中に二つとないものをつくります。そのため、社会や地域の人が何を必要としているのかに常に関心をもち、それに応えるようなものをつくるという姿勢が大切だと思います。
都市工学科に向いているのはどんな人ですか?
→建設現場では多くの人たちと一緒に働きます。いろんな人と話をするのが好きな人やコミュニケーションをとるのが好きな人にとって、こうした建設現場で働くのは向いていると思われます。また、コンピューターを用いて計算をしたり図面を描いたりすることが好きな人にも、それを活かせるコンサルタントや設計会社などの職場があり、向いていると思われます。
建築学と都市工学の違いはなんですか?
→ひと言で答えるのは難しいですが、都市工学は、どちらかといえば建設工学、土木工学の領域です。大まかなイメージでいうと、土木は社会のみんなが利用するところ(社会基盤といいます)をつくり、建築はみんなが利用する場所というよりも、どちらかというと個人の住宅などを対象とします。著名な建築家が活躍する姿や,凝ったデザインの作品などから、建築には華やかな印象をお持ちのことと思います。一方、土木は地味で目立たないですが、縁の下の力持ちとなって人々の暮らしを支えていて、なくてはならない存在です。「地図に残る仕事」とも言われる都市工学の仕事は、スケールの大きな仕事に関わる機会も多いでしょう。
都市システム工学科と都市工学科の違いはなんですか?
→例えば、明石高専の都市システム工学科と神戸高専の都市工学科はほぼ同じ分野を対象としています。ただし本校は明石高専と異なり、建築学科を持たないので、本校の都市工学科では建築のことも、一部取り入れたカリキュラムになっています。
この学科を希望するにあたって1番必要な教科はなんですか?
→1番必要なもの、というのが難しいですが、都市工学では全ての科目に関りがあります。特に必要なのは、他の学科と同じく、数学や理科といえるかもしれませんが、都市工学の場合はまちづくりとか、人との関わりの中で考えていくことが多いので、必ずしも数学が得意でなくても、例えば社会が好きだという学生なら、社会の切り口から勉強を進めていくことができます。それから、国語についても文章の読解力とあわせて、人に考えを伝えるには文章を書く能力を求められるので大事だと思います。工業高専という理系の学校ですが、理系科目にかたよらず、社会や国語のように、その他の科目もバランスよく学ぶことが大切です。
都市工学科の先生方はどのような研究をされていますか?
→大きく分けると河川・海岸などの水理系、地盤・土質系、構造計算の構造系、都市計画・建築計画などの計画系、環境系、それと、コンクリートや土などの材料系の研究をされています。また、個々の専門分野に関連した防災系の研究をしている先生もいます。このホームページの「スタッフ」のページをご覧ください。
都市工学は高専祭で何をしているのですか?
→都市工学科に限らず、全学科で科展示という企画があります。その年の4年生が中心となって企画を考え、来校される中学生や保護者の皆さんに向けて、学科で学べることなどを説明したり、模擬実験をしたりします。直接質問をすることもできますので、ぜひのぞいてみて下さい。