電子工学科が推奨するPCスペック(2023年1月編)
はじめに
2022年度より、電子工学科ではご家庭で利用できるPCの購入を推奨しております。
ご自宅で使用できるPCがなくても、授業や実験に支障はありませんが、2022年度から電子工学科では、実験レポートをPCで作成し、オンライン提出することが原則となっております。
また、ノートPCをお持ちの場合は、ご自身のPCを持ち込んで実験に使っていただくことも可能となりました。
※PCが必要な実験では電子工学科の共有PCがありますので持ち込みは必須ではありません。
※レポート作成についても学科のPCや、情報センター・図書館などで放課後にPCを利用できる設備がございます。
本記事では、神戸高専 電子工学科への入学に合わせてPCの購入を検討している方や、在校生の皆さまのご参考となればと思い、
電子工学科として推奨するスペックの参考を掲載しております。
※あくまで、電子工学科の方へ合わせた内容となります。その他の学科に入学・在学の方は各学科の教職員までお尋ねください。
なお、この記事は紹介した内容に合致する機種の購入を求めるものではありません。
また、PCが無いからと急いで購入される必要もございません。その他、既に「このPCが欲しい!!」と決まっている方は、そのPCをご購入いただいて結構です。
PC購入時の参考情報の1つとしてご覧ください。
推奨スペック表(メインPCとして利用する場合)
各項目についての詳細な説明は項目をタップクリックするか、ページ下部をご覧ください。
OS | Microsoft Windows 11 (または10) |
---|---|
CPU | Intel / Core i3 (第10世代) 以上 または AMD / Ryzen3 (第4世代) 以上 |
メモリ | 8GB 以上 ※可能であれば16GB以上を推奨 |
HDD / SSD | 256GB 以上 ※可能であれば500GB以上を推奨 |
CD/DVD ドライブ | 好みに応じて選択 ※実験実習等で使用することはありません ※学内で必要となった場合は貸し出します |
重量 | 自分の持てる重さ |
バッテリー 駆動時間 | 特に指定はありません ※ACアダプタがあれば実験室で給電できます ※ACアダプタは少数ですが、貸し出し用も用意しています |
USBポート | USB Type-A, Type-C がそれぞれ1ポート以上を推奨 ※Type-Aは変換アダプタやUSBハブでも可 |
Officeソフト | 不要 ※本校の学生は無料でOffice365が使用できます |
1. OSについて
OSはWindows、MacOS、Linuxといったシステムのことです。OSによって特長や使えるソフトウェアに違いがあります。
WindowsとMac、どっちが良いの?という質問もよくいただきます。
基本的にはどちらでも問題ありませんが、もし、実験にご自身のPCを持ち込んで利用することを考えている場合はWindowsを推奨します。
これは、実験で使用する一部のアプリケーションは、Windows以外のOSに対応していないものがあるためです。
また、実験実習では基本的にWindowsを前提として進めていますので、僅かですが、Mac OSでは操作が異なる部分などがあります。
ただし、卒業研究ではMac OSがメインの研究室などもありますので、一概に駄目というわけではありません。
動作の完全な保証は出来ませんが、Mac OS上でWindowsやWindowsのアプリケーションを実行する方法もありますので、Mac OSの方がお好みであればそちらをご選択いただいても大丈夫です。
2. CPUについて
CPUは人間でいう脳の部分です。あるいは"作業をする人"と例えられることもあります。CPUの性能が高いほど処理が速く、新しいCPUほど処理を効率的にできるように設計されています。
選び方にはあえて、第〇世代 と記載しています。
よく、「Core i7搭載!」などと記載されることも多いですが、実はIntel Core i7シリーズは2008年から発売されています。
同じ i7 でも、発売された年月でシリーズや世代が変わり、もちろん新しい世代の方が性能も良いです。
ちなみに本記事の執筆時点で最新は第13世代です。
現在市場では第10世代以降のPCを目にすることが多いですが、同じ価格帯でも発売時期の違いなどでCPUの世代が違うというような場合もあります。
購入の際は少し意識してチェックしてみましょう。
なお、最新の『Windows 11』は Intel Core iシリーズの場合、第8世代以上しか対応していません。(2023年1月時点)
よく、i7だから良いとされることもありますが、実際にはそうとも言い切れません。
作業の内容や動かすプログラムにもよりますが、例えば「第11世代のi7よりも第12世代のi5の方が性能が高い」というような場面もよくあります。
(気になる方は詳しくは「CPU ベンチマーク」などで調べてみてください)
「i7」「i3」といった部分にだけこだわらず、世代も合わせて選んでみてください。
3. メモリについて
メモリは人間でいうと作業する机です。机が大きければ大きいほど多くの材料を置いたり、他の作業に使うものを置いておくことが出来るのと同じです。
PCを快適に使うのであれば、8GBは必須と言っても良いでしょう。
電子工学科の実験実習用PCでは、2020年度以降に導入したPCについてはメモリは16GBに、それ以前のPCについても8GB以上に上げるようにしています。
メモリは多い方が良いのですが、カスタマイズ可能なPCなどでもメモリを増やすと価格が跳ね上がることも多いので、予算を見ながら無理をしないように選択してください。
また、分解や改造によって保障がどうなるかについてはそれぞれですので置いておくとしますが、機種によっては、メモリの交換や増設も可能です。
メモリ交換・増設については、機種によってかなり変わってきます。
たとえば、オンボードメモリと言われるような基板(マザーボード)にメモリが固定されているものがありますが、これはどう頑張っても交換することは出来ません。
しかし、オンボードメモリに加えて、メモリが搭載できるスロットが付いているものもあります。
メモリスロットがあるPCであれば、そこにメモリを追加することでメモリを「増設」することができます。
オンボードメモリがないPCも多くあります。これは、メモリの「交換」が可能です。
『メモリ2スロット(空き:1)』と書かれているようなものもありますが、これはメモリを交換することも、空いているスロットに増設することも可能です。
ただし、メモリの交換や増設には「相性」と呼ばれるものが存在します。簡単に言うと、メモリを買ってきたけどPCと相性が悪く使えない、という場合もあるということです。
一方で、販売時にメモリを増やすことができる機種は相性問題はクリアされていますので、どうしても不安という方は購入時点で増やしておくのは1つの手です。
増設や交換にチャレンジしてみたい人は、PCの構成表・仕様などを確認したり、ネットで同じ機種のメモリ交換した人が他にいないかなどを調べたりしてメモリの増設・交換ができそうかどうかも確認しておきましょう。
4. HDD / SSDについて
一般的に「ストレージ」と呼ばれる部分です。作業したデータはもちろん、ソフトウェアなどを導入する際にも使われます。
基本的には、SSDが搭載されているものを選んでください。PCの起動時間に大きな差があります。
容量は256GB以上を推奨します。
128GB程度のPCもありますが、ソフトウェアをインストールしたり、各種作業などで自分で作成したデータを保存したりしていると、あっという間に容量を使い切ってしまいます。
ちなみに、最近では画像や動画なども高画質なものが多いため、こちらも、余裕があれば500GB以上のものを選択いただいた方が長く使える可能性が高いです。
一方でこちらも、容量が大きいほど便利ではありますが、容量の大きいモデルにすると価格が跳ね上がる場合もありますのでご予算に合わせてお選びください。
SSDやHDDについても基本的には交換可能で、機種によっては複数取り付けるスロットがあり増設が出来る場合もあります。 また、メモリと違い相性による影響はほぼ無いといっても良いです。
PCの内蔵ストレージには HDD と SSD の2種類があります。
ざっくりとした考え方ですが『HDDはデータの読み書きは遅いが大容量で安いものが多い』『SSDはデータの読み書きは速いが大容量のものは高い』と言えるでしょう。
ちなみに、HDDやSSDにも寿命が存在します。
ある程度の年数を使っているとHDDやSSDが突然故障することもあります。
データのバックアップを取ることも忘れないようにしましょう。
データのバックアップ先や本体のストレージを増やす以外の選択肢に、最近はスマートフォンでもおなじみのGoogle DriveやiCloudなどをはじめとした「クラウドストレージ」と呼ばれるオンライン上にデータを保存して管理できるサービスも数多くあります。
特に、神戸高専の在学生は学生用のGoogleアカウントが作成されるため、Google Driveとの連携は便利です。
5. CD/DVDドライブについて
CDやDVDなどのメディアを読み込むためのドライブが搭載されているノートPCもありますが、実験実習で使用することはありません。
CD/DVDドライブを実験実習で使用することはありません。
昔はソフトウェアやドライバのインストールのために必要不可欠な存在でしたが、近年ではメーカー公式サイトから最新版をダウンロードできたり、接続しただけで自動インストールされたりという場合が多く、周辺機器の使用などでCD/DVDドライブが必要不可欠となる場面はほとんどありません。
そのため、実験実習に限って言えば不要となります。
CD/DVDドライブについては、USB接続の外付けCD/DVDドライブも著名で信頼できるメーカーのものが1000円台から購入できます。
もし、音楽を聴いたり映像作品を見るためにCD/DVDドライブが欲しい…という方は、外付けのドライブを購入すると良いでしょう。
また、たとえば英語の参考書に付属のリスニングCDが聴きたいなど、学内で必要になった場合には学科から貸し出しすることが可能です。
6. 重量について
自分のバッグに入り、自分が持ち運んで苦労の無い重さの物を選んでください。
ありきたりな言葉ですが、自分が持ち運べると思う重さの製品を選んでください。
実験で「製作物にPCを積載するから軽くないとダメ!」なんてことはありませんので、各々が好きなPCを選んでもらえればと思います。
例えば電子工学科の在学生でも、小型のモバイル向けPCを片手に持って立ったまま実験を進める学生もいれば、大型で重量のありそうなPCでも毎日軽々と持ってきている学生まで様々です。
一般的には小さくて軽いものが持ち運びやすいとは言われますが、たとえば「持ち運びは頑張るから大きな画面が欲しい」という方は大きな画面で他より重いPCをもってきても問題ありません。
7. バッテリー駆動時間について
電源に接続せずに稼働できる時間は機種や作業内容によって様々です。
バッテリーだけで駆動する時間、いわゆる『コンセントにつながっていない状態』でPCを使用できる時間は、機種や作業内容によって大きく変化します。
これは「高価で性能が良いPCだから電源に繋がなくても長く使える」というようなものでもありません。
逆に、性能が良いPCほど消費電力も多くなるため稼働時間が短くなる場合もあります。
そのため、購入の際にはバッテリー駆動時間もよくチェックして『自分の使い方の場合には書いてある駆動時間で問題ないか』とよく考えてみてください。
学校や家で使用するのがメインであれば多少短くても問題ないと思いますが、例えば飲食店など屋外で長く作業したい方や、遊びに出た先で使用する機会も多そうだという方は駆動時間が長めのものを選んだ方が良いでしょう。
なお、実験実習で使用する際には、ACアダプター(電源)を持ってこればコンセントに刺して給電しながら使用することもできます。
また、少数ですが、充電用のACアダプターも学科に用意がありますので、忘れてしまった場合にはそれを使って給電してもらうことも出来ます。
8. USBポートについて
マウスやキーボードなどの周辺機器から、スマートフォンの充電ポートまで様々な場所に様々な形状のUSBポートがあります。
USBポートは一般的に、USBの「メス」側とも呼ばれています。
PCに搭載されているUSBポートとして一般的なのは、 "USB"と言われてイメージする人も多いであろう長方形のような形をしている「Type A」の端子と、 最近はスマートフォンやタブレットでもよく見る「Type C」の2種類です。
実験実習で使用する器材に付属しているものや、USBメモリ、配布するケーブルなどは基本的にこの「Type A」のコネクタです。
そのため、この「Type A」と呼ばれるポートが付いているPCを選ぶと変換コネクタやUSBハブなどが無くても機器をそのままつなぐことが出来て便利です。

また、実験実習で直接使う機会は今のところありませんが、日常的にPCを使うことを考えれば「Type C」と呼ばれるポートも付いているPCを選んだ方が良いでしょう。
☆ 詳しい理由は↓の「もっと詳しい解説」をチェックしてみてください
最近では薄型モデルなどを筆頭に、この「Type C」ポートだけしか付いていないPCもあります。
Type Cポートだけを備えたPCなどは薄くて軽く持ち運びしやすいものが多く、携帯性は優れていますが、 上述の通り、電子工学科の実験実習で必要となることが多いのは「Type A」ポートとなっています。
そのため、このようなPCを購入した場合には「Type A」ポートを搭載したUSBハブや「Type A」ポートに変換できる変換コネクタを合わせて用意しておくと便利です。

Type Cポートに接続するUSBハブの例。写真のハブの場合、PCに接続するケーブルの先はType C(オス)端子で、本体の側面にはType Aポートが2つ(中央・右)とType Cポートが1つ(左)搭載されています。
Type C端子が付いていることが望ましい理由として、『Type A(オス)からType C(オス)に変換することは出来るが、Type C(オス)からType A(オス)の端子に変換することはできない』という事情があります。
Type C(オス)からType A(オス)へ変換するようなアダプタとして、一部の通販サイトなどでは変換コネクタなども売られていますが、実はUSBの規格としては認められていません。
よって、USB規格として正しく保証されているType Cポートを使用するには、(基本的には)元からType Cポートが付いている製品を利用するしかないのです。
※ポートを基準に考えると『Type CのポートがあればType Aに変換して使える』が『Type AポートがあってもType Cに変換して使うことはできない』ということになります。
上記の解説では『実験でつかうものはType Aがほとんど』と書いていますが、近年では逆に、Type Cポートを備えたPCでないと使えない機器も出てきています。
そのような製品は今後ますます増えていくと考えられますので、Type Cポートも最低1つはあった方が不便なく使用していけるはずです。
9. Officeソフトについて
WordやExcel、PowerPointなどを総称して「Office」と呼びます。
レポートをはじめ、文章を書く際にはWord、データをまとめたりグラフを作成する際にはExcel、プレゼンテーションをする際にはPowerPoint、といったソフトを使うことが多いでしょう。
家電量販店やネットショップでも、これらの入っている「Microsoft Office」や「Office互換ソフト」を追加したり、付属していること場合もあります。
しかし、2023年1月時点で、学生のみなさんは神戸高専に在学中は完全無料でMicrosoft Office 365を使用することが出来ます。
そのため、あえて購入またはサブスクリプションへの加入をする必要はありません。
※ただし、学生1人当たりのライセンスで使用できる台数には限りがあるため、それを超えて使用したい場合には購入やサブスクリプションへの加入を検討してください。
必要な事項の追加や、情報の更新が必要となった場合には順次更新を致します。
この情報は2023年1月25日時点の最新情報です。