【 2026 年度 授業概要】
科   目 環境応用化学Ⅰ ( Environmental Applied Chemistry I )
担当教員 [前期] 濱田 守彦 准教授, [前期] 宮下 芳太郎 教授
対象学年等 環境応用化学科・1年・前期・必修・2単位【講義】 ( 学修単位 )
学習・教育
目標
目標5-環境応用化学科
授業の概要
と方針
工業技術の進歩は我々に多大な貢献をしてきた一方で,地球を構成している物質系のバランスを崩す結果ともなっており,その影響は地域的のみならず地球規模へと拡大している.本講義前半では,環境問題の実態とその影響について正しく理解することにより,原因と対策について解説する.化学実験における操作やそれに用いる物質についての扱いを誤ると大きな事故に繋がる恐れがある.本講義後半では,化学実験を安全に行うために,各種法令や危険・有害物質の性質について解説する.



1 過去に発生した公害問題を学び,そのもたらした影響について理解する.
2 わが国における水環境中の汚染物質濃度の現状について理解する.水質汚濁の発生要因,対策法について理解する.
3 わが国における大気環境中の汚染物質濃度の現状について,また汚染物質の発生原因,対策法とその効果について理解する.さらに,大気汚染物質が雨や霧,雪に溶け込んで生じる酸性雨および酸性霧の原因と対策を理解する.
4 水質・大気環境基準,排出基準について理解する.汚染物質排出規制値の考え方について理解する.
5 地球規模で環境影響を及ぼす地球温暖化物質の排出抑制とエコロジー社会の重要性に関して理解する.排出抑制による地球温暖化対策と期待される効果について理解する.
6 化学物質に関連する法令や資格の概略,危険性・有害性の調査法について理解する.
7 化学実験における潜在危険とその対策,化学物質を混合,廃棄する際の注意点について理解する.
8 高圧ガスや寒剤の扱い方について理解する.
9 毒劇物の扱い方について理解する.
10 放射性物質や環境汚染物質の扱い方について理解する.












1 過去に発生した四大公害事件の原因とそのもたらした影響について理解し説明できるかを中間試験およびレポートで評価する.
2 わが国における水環境中の汚染物質濃度の現状について,また水質汚濁発生要因,対策法について理解し説明できるかを中間試験およびレポートで評価する.
3 わが国における大気環境中汚染物質濃度の現状と環境基準達成状況の変遷,汚染物質の排出原因と対策効果,酸性雨と酸性霧の現状および原因と対策について理解し説明できるかを中間試験で評価する.
4 水質・大気環境基準について,また排水および大気汚染物質排出規制基準設定の考え方について理解し説明できるかを中間試験およびレポートで評価する.
5 地球規模で環境影響を及ぼす地球温暖化物質排出抑制とエコロジー社会の重要性について,また排出抑制対策により期待される効果について理解し説明できるかを中間試験およびレポートで評価する.
6 化学物質に関連する法令や資格の概略,危険性・有害性の調査法について理解し説明できるかを定期試験およびレポートで評価する.
7 化学実験における潜在危険とその対策,化学物質を混合,廃棄する際の注意点について理解し説明できるかを定期試験およびレポートで評価する.
8 高圧ガスや寒剤の扱い方について理解し説明できるかを定期試験で評価する.
9 毒劇物の扱い方について理解し説明できるかを定期試験で評価する.
10 放射性物質や環境汚染物質の扱い方について理解し説明できるかを定期試験およびレポートで評価する.




成績は,試験70% レポート30% として評価する.なお試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.必要に応じて臨時試験を実施することがある.
テキスト 「環境工学 改訂版」:多川正,山崎慎一 編著(実教出版)     
「実験を安全に行うために(第8版)」:化学同人編集部 編(化学同人)
「続 実験を安全に行うために(第4版)」:化学同人編集部 編(化学同人)
参考書 「環境科学 改訂版」:金原粲 監修(実教出版)  
「環境白書 循環型社会白書/生物多様性白書 令和7年版」:環境省
「安全な実験室管理のための化学安全ノート 第4版」:日本化学会 編(丸善出版)
「労働安全衛生法クイックガイド2026」:後藤博俊 著(第一法規)
「放射線安全管理学 (診療放射線技術選書)」:藤淵俊王 編(南山堂)
関連科目 C1 化学,基礎化学概論
履修上の
注意事項
C1 化学, 基礎化学概論を十分学習し,理解しておくことが望ましい.また現在起きている環境問題に関するメディア情報に対して常に関心を持つこと.

【授業計画( 環境応用化学Ⅰ )】
  上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 概要・環境問題およびSDGs
環境化学の全般的な概要について説明する.人間と環境との関わり合いについて述べる.SDGsについても説明する.その後,わが国で発生した四大公害事件について知る.
2 わが国における環境問題の歴史(大気汚染・水質汚濁)
大気汚染と水質汚濁の公害事件の発生要因,そのもたらした影響について学ぶ.公害対策法について説明する.
3 大気環境(1)(大気汚染物質・日本の大気汚染現況)
大気汚染物質として問題となる典型的化学物質について概要を説明する.大気環境基準について解説する.日本における大気汚染物質濃度の現状と大気環境基準値とを対比し,汚染要因を理解することにより今後の大気保全対策のあり方について解説する.
4 大気環境(2)(酸性雨)
酸性雨について説明する.日本における酸性雨の現状を知る.北米,北欧などで顕在化している酸性雨(酸性降下物)による被害と環境影響について解説する.
5 化学物質の構造式の描画
化学分野で多用されている構造式描画ソフト(ChemDraw)を用いて構造式を描画し,構造式を含む報告書を作成する方法について説明する.
6 水質汚濁の環境化学
人の健康と生活環境の保全にかかる環境基準について解説する.水質の生活環境に関わる代表的な指標であるDO,COD測定法について説明する.さらに,水質汚濁物質の発生源と,河川(湖沼),海域(閉鎖性海域)の汚染や富栄養化について説明する.
7 環境アセスメントとミティゲーション
個々の環境対策ではなく,事業前に行う環境アセスメント(調査・予測・評価)とミティゲーション(事業による環境への影響緩和)について説明する.また,近年の環境問題について紹介する.
8 中間試験
1週目~7週目までの範囲で中間試験を行う.
9 中間試験解説,安全管理の基本,関連法令の概要
中間試験の解説を行う.1件の重大事故の背景には多数の軽微な事故が存在することをハインリッヒの法則という.化学の立場から安全管理の概略を説明する.また,化学物質に関連する法令や資格について,それらの概略を説明する.
10 実験室の安全管理,災害対策,事故例と対策
災害が発生した際の被害を最小限に抑えるためには日頃からの備えが必要である.潜在危険を把握することの重要性について説明する.化学実験室内で起こりうる事故を想定し,それを防ぐための対策について説明する.
11 混ぜるな危険,実験廃棄物の処理
化学物質には混合すると爆発したり,有害物質が発生したりする危険な組み合わせがある.混触危険物質の実例を挙げて説明する.化学実験により生じた廃液や固体廃棄物,不要となった試薬類の適切な処理方法について説明する.併せて,本校内におけるルールについても説明する.
12 寒剤,高圧ガス
寒剤として用いられる液体窒素の適切な扱い方について説明する.高圧ガス保安法に基づき,高圧ガスの分類およびボンベの適切な扱い方について説明する.
13 有害物質,応急処置法,危険性・有害性の調査法
毒物及び劇物取締法や労働安全衛生法に基づき,毒劇物の有害性について説明する.薬品による障害の応急処置法についても触れる.化学物質における危険性・有害性をSDS(安全データシート)により調査する方法について説明する.
14 放射性物質
放射性物質の半減期や放射線の種類による人体への影響について説明する.
15 環境汚染物質
環境基本法やPRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)に基づき,環境汚染物質の有害性について説明する.


前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後の自己学習が必要である.事前学習として該当週の内容の予習(テキストの読了),また事後学習として講義内容の復習(ノート内容の精査並びに該当範囲のテキスト読了)が必要である.