【 2024 年度 授業概要】
科   目 放電現象 ( Phenomena of Electric Discharge )
担当教員 赤松 浩 教授
対象学年等 電気工学科・5年・後期・選択・2単位【講義】 ( 学修単位II )
学習・教育
目標
A4-E1(100%)
授業の概要
と方針
気体中における荷電粒子の運動を説明し,気体の絶縁破壊理論を解説する.さらに,放電プラズマとその応用についても講義する.



1 【A4-E1】 気体の状態方程式を説明できる.
2 【A4-E1】 気体中における荷電粒子の運動を説明できる.
3 【A4-E1】 気体の原子分子過程を説明できる.
4 【A4-E1】 気体の絶縁破壊におけるタウンゼント放電およびストリーマ放電を説明できる.
5 【A4-E1】 プラズマの性質として電離度,デバイ長,プラズマ振動を説明できるようになる.
6 【A4-E1】 低気圧および高気圧気体中で発生するプラズマの特徴を説明できる.
7 【A4-E1】 プラズマによる環境改善への応用を説明できる.
8 【A4-E1】 プラズマプロセスについて説明できる.
9 【A4-E1】 プラズマによる核融合発電への応用を説明できる.
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1 気体の状態方程式を利用し,圧力,温度,密度,速度などを計算できるかを後期中間試験およびレポートで評価する.
2 気体中における荷電粒子(正イオン,電子)の運動として,平均自由行程や衝突頻度などを計算できるかを後期中間試験およびレポートで評価する.
3 気体中における励起,電離,再結合,付着,移動度を説明できるかを後期中間試験およびレポートで評価する.
4 気体の絶縁破壊を説明するα作用およびγ作用,さらにストリーマ理論を数式を用いて説明できるかを後期中間試験およびレポートで評価する.
5 プラズマの性質として電離度,デバイ長,プラズマ振動を数式で説明できるかを後期定期試験およびレポートで評価する.
6 低気圧および高気圧気体中で発生するプラズマの特徴を説明できるかを後期定期試験およびレポートで評価する.
7 プラズマによる環境改善への応用を説明できるかを後期定期試験およびレポートで評価する.
8 プラズマプロセスについて,その種類と特徴を説明できるかを後期定期試験およびレポートで評価する.
9 プラズマによる核融合発電への応用を反応式をもちいて説明できるかを後期定期試験およびレポートで評価する.
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成績は,試験90% レポート10% として評価する.総合評価を100点満点として,60点以上を合格とする.
テキスト 「高電圧パルスパワー工学 (実践的技術者のための電気電子系教科書シリーズ)」:高木 浩一, 金澤 誠司, 猪原 哲, 上野 崇寿, 川崎 敏之, 高橋 克幸(理工図書))
参考書 「放電プラズマ工学」:行村健(オーム社)
「放電プラズマ工学」:八坂保能(森北出版)
「気体エレクトロニクス」:金田輝男(コロナ社)
「気体放電論」:原雅則,酒井洋輔(朝倉書店)
「EE Text 高電圧パルスパワー工学」:秋山秀典(オーム社)
関連科目 E3:電気磁気学I,E3:電子工学
履修上の
注意事項
試験時は教科書,ノート,プリントの持ち込みは禁止である.

【授業計画( 放電現象 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 気体の性質
気体の性質を把握し,気体の状態方程式,圧力,熱運動,および熱速度を表す式が説明できるようになる.
2 気体の衝突と反応速度
気体中の粒子の運動として,衝突,平均自由行程,および反応速度を表す式が説明できるようになる.
3 荷電粒子の基礎過程1
気体粒子の励起および電離現象が説明できるようになる.また,電離過程として衝突,光,および熱電離を説明できるようになる.
4 荷電粒子の基礎過程2
荷電粒子のドリフト,拡散,再結合,および電子付着現象が説明できるようになる.
5 気体からプラズマへの移行
気体放電の基礎として,電子放出,非自続放電を説明できるようになる.
6 絶縁破壊理論1
気体放電の基礎として,タウンゼント理論について説明できるようになる.
7 絶縁破壊理論2
気体放電の基礎として,ストリーマ理論について説明できるようになる.
8 中間試験
授業計画1〜7までの範囲の試験を行う
9 試験返却,プラズマの性質
中間試験の解答・解説を行う.プラズマの電離度,デバイ長,およびプラズマ振動を説明できるようになる.
10 低気圧気体中における放電
低気圧気体中で発生するプラズマについて説明できるようになる.
11 高気圧気体中での放電
高気圧気体中で発生するプラズマについて説明できるようになる.
12 特殊な放電
特殊な放電として,水中放電および雷放電について説明できるようになる.
13 プラズマの特徴とその利用の基本
プラズマによる大気環境改善への応用について説明できるようになる.
14 電子デバイス産業への応用
プラズマプロセスについて説明できるようになる.
15 核融合への応用
プラズマを利用した核融合発電への応用について説明できるようになる.


後期中間試験および後期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後の自己学習が必要である.授業の進行によっては試験範囲が前後することがある.事前学習では次回の授業範囲について教科書を読み各自で理解できなところを整理しておくこと.事後学習ではレポートを出題するので指定期日までにレポートを提出すること.