【 2024 年度 授業概要】
科   目 電気機器T ( Electrical Machinery I )
担当教員 加藤 真嗣 教授
対象学年等 電気工学科・4年・前期・必修・1単位【講義】 ( 学修単位III )
学習・教育
目標
A4-E4(100%)
授業の概要
と方針
電気機器では,電磁気現象を利用して,電気エネルギーと機械エネルギーの変換を行なっている.そのために,電気磁気学の知識が必要不可欠であり,まず始めに電気磁気学を復習する.そして磁気回路の性質について説明する.これらの習得した知識を基にして,電気機器のうちの静止器である変圧器および変圧器と同様な原理の回転機である誘導機について説明し,動作原理や特性などを理解する.



1 【A4-E4】 電気機器の動作原理を説明するために必要な電気,磁気および回転機械系の計算問題を解ける.
2 【A4-E4】 変圧器の動作原理を理解し説明できる.また,等価回路による特性計算やベクトル図が作図できる.
3 【A4-E4】 誘導機の動作原理を理解し説明できる.
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1 フレミングの左手および右手の法則,ファラデーの電磁誘導の法則などを理解できているか,前期中間試験およびレポートで60%以上正解を合格として評価する.
2 変圧器の動作原理,等価回路による特性計算,負荷を接続した場合のベクトル図が作図できるか,前期定期試験およびレポートで60%以上正解を合格として評価する.
3 誘導機の動作原理を理解しているか,前期定期試験およびレポートで60%以上正解を合格として評価する.
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成績は,試験75% レポート25% として評価する.なお,試験成績は後期中間試験と後期定期試験の平均点とする.総合成績(試験とレポート)100点満点で60点以上を合格とする.レポートとは,講義復習課題のことである.
テキスト OHM大学テキスト「電気機器学」:白井康之[編著](オーム社)
参考書 「電気機器学」:難波江彰ほか著(電気学会)
「実用電気機器学」:森安正司著(森北出版)
「電気機械工学」:天野寛徳,常広譲著(電気学会)
「エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス [第2版]」:エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会著(森北出版)
関連科目 電気磁気学I(3年),電気回路I(2年),電気回路II(3年)
履修上の
注意事項
レポートは次回講義の初めに回収し,それ以降に提出されたものは減点される.

【授業計画( 電気機器T )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 [1.1]電気機器の歴史,[1.2]電気機器の分類,[1.3]機械系・電気系のエネルギー
電気機器の歴史,回転機と静止器の分類,および機械系のエネルギーと電気系のエネルギーの関係について説明する.
2 [1.4]電磁力と誘導起電力〜[1.7]アンペアの周回積分の法則
電磁気に関する各種法則について説明する.
3 講義復習課題の解説(1),[2.1]磁気回路,[2.2]磁性材料の特性
第1章の講義復習課題(計算問題)について解説し,磁気回路に関する法則,および磁性材料の特性ついて説明する.
4 [2.3]磁気回路におけるエネルギー,[2.4]磁気エネルギーと電磁力,[2.5]電磁エネルギー変換
磁気回路におけるエネルギー,電磁力の発生原理および電磁エネルギー変換について説明する.
5 講義復習課題の解説(2),[3.1]変圧器の必要性,[3.2]変圧器の構造
第2章の講義復習課題(計算問題)について解説し,変圧器の必要性と構造について説明する.
6 [3.3]理想変圧器,[3.4]漏れインピーダンス,[3.5]励磁電流と励磁回路
理想的な変圧器の原理,実際の変圧器で生じる漏れ磁束,および磁束を作るための励磁電流とその回路について説明する.
7 [3.6]等価回路とフェーザ図,[3.7]特性式,[3.8]リアクトルの線形表現,
変圧器の等価回路とそれに基づいたフェーザ図,特性式,およびリアクトルを線形表現する方法について説明する.
8 中間試験
中間試験を実施する.
9 中間試験の解説,[3.9]等価回路定数の決定,講義復習課題の解説(3)
中間試験の解説,等価回路定数を決定するための試験方法について説明し,第3章の講義復習課題(計算問題)について解説する
10 [4.1]変圧器の特性
変圧器の電圧変動率の計算方法,損失の種類,全日効率の求め方,および冷却方法について説明する.
11 [4.2]変圧器結線,[4.3]並行運転,[4.4]電圧調整
三相変圧器・三巻線変圧器・単巻変圧器,変圧器の並行運転法,およびタップ切換え変圧器について説明する.
12 [4.5]計器用変成器,[4.6]突入電流,講義復習課題(4)
高電圧や大電流の測定に用いられる変成器,変圧器の突入電流について説明し,第4章の講義復習課題(計算問題)について解説する.
13 [5.1]回転電気機器〜[5.4]対称三相巻線による回転磁界
回転機の構造および回転機のインダクタンスについて説明する.進行波磁界と回転磁界の違い,三相交流による回転磁界,回転磁界の速度である同期速度について説明する.
14 [5.5]同期速度〜[5.8]回転機のトルク
回転磁界の速度である同期速度,[1]集中巻と分布巻[2]全節巻と短節巻[3]巻線係数[4]重ね巻・波巻,回転機の誘導起電力とトルクの導出過程について説明する.
15 講義復習課題(5)
第4章の講義復習課題(計算問題)について解説する.


前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 15 時間の事前・事後の自己学習が必要である.なお,試験単体の平均点が例年と比べて著しく低いと担当教員が判断した場合は,60点満点の再試験をクラス全体で実施する場合があるが,学生からの再試験要望には応じない.