2024 年度電子工学実験実習シラバス

【 2024 年度授業概要】
科　　　目			電子工学実験実習 ( Laboratory Work in Electronic Engineering )
担当教員			橋本好幸教授, 藤本健司教授, [前期] 尾山匡浩准教授, 髙田崚介講師, [後期] 佐伯崇非常勤講師【実務経験者担当科目】
対象学年等			電子工学科・4年・通年・必修・4単位【実験実習】 ( 学修単位I )
学習・教育目標			A4-D1(10%), A4-D3(10%), A4-D4(20%), B1(10%), C1(10%), C2(10%), C4(20%), D1(10%)
授業の概要と方針			電子工学実験実習1～3年で習得した電子工学に関する基礎原理や測定技術，また，座学を通じて修得した知識を活用し，より高度な実験技術を習得する．前期は1クラスを10程度の班に分け，エンジニアリングデザイン能力を養うために，企業での実務経験教員がテーマを企画し，実務で必要な構想から実現まで一貫したグループワークを行う．後期は4班に分け，班単位で実験実習を行う．
到達目標		1	【B1】実験内容を適切に文章で表現できる．
		2	【C1】実験結果を解析し適切に図・表で表現できる．
		3	【C2】与えられた課題について解決方法を提示できる．
		4	【C4】グループで協調して実験実習に挑み，期限内に実験報告書を提出できる．
		5	【D1】機器の取り扱いに注意し，安全に実験に取り組むことができる．
		6	【A4-D1】簡単な電子回路の動作原理が理解できる．また，簡単な電子回路が設計できる．
		7	【A4-D3】ヒューマンセンシングの動作原理を理解し，簡単なセンシング回路および可視化ソフトウェアを作り，人の動きを認識できる．
		8	【A4-D4】原始プログラムが目的プログラムに変換される仕組みが理解できる．
		9	【A4-D4】 Dockerを用いたLAN環境の構築と深層学習に関する各種実装を行うことができる.
		10
評価方法と基準	到達目標毎	1	適切な文章表現で的確に実験報告書が作成できているかを実験報告書で評価する．
		2	実験結果を解析し適切に図・表で表現できるかを実験報告書で評価する．
		3	前期実験課題のプレゼンテーションにて評価する．
		4	実験への取り組みと達成度，また，実験報告書が期限内に提出されているかどうかで評価する．
		5	機器の取り扱いに注意し，安全に実験に取り組むことができるかどうかを，実験への取り組みと達成度で評価する．
		6	簡単な電子回路の動作原理が理解できているか，また，回路の設計ができるかを実験の取り組みと達成度および実験報告書で評価する．
		7	マイコン，PCを用いてセンシング回路およびソフトウェアを構築できるか，センサ値を適切に処理し人の動きを認識できるかを，実験の取り組みと達成度および実験報告書で評価する．
		8	小数命令セットを持つ仮想CPUのコンパイラを作成することにより，到達目標が達成できているかを，実験の取り組みと達成度および実験報告書で評価する．
		9	Dockerを用いたサーバや深層学習用計算機環境の構築および深層学習を用いた回帰や画像分類を行えるかを，実験の取り組みと達成度および実験報告書で評価する．
		10
	総合評価		成績は，実験報告書50%　各テーマの取り組みと達成度50%　として評価する．成績は，前期と後期をそれぞれ50点とし100点満点で60点以上を合格とする．前期に実施するプレゼンテーションは取り組みと達成度に含まれる．1通でも未提出レポートがあるとき，またはレポート遅れが全体回数の1/3以上のときは，原則として総合評価は不可となる．
テキスト			「電子工学科・第4学年実験実習シラバス(計画書)」：プリント「電子工学科・第4学年実験実習指導書」：プリント「電子工学科・安全の手引き」：プリント
参考書			「知的な科学・技術文章の書き方」：中島利勝，塚本真也(コロナ社) 「神戸高専安全マニュアル」：神戸高専編
関連科目			電子工学実験実習(本科5年)，その他実験テーマの関連教科
履修上の注意事項			履修上の注意等の詳細は第1週目のガイダンスで配付する実験計画書を用いて説明する．前期の実験においてロボットが完成していない学生については，夏季休業中の学習支援期間などを利用して行うこととする．

【授業計画（電子工学実験実習）】
週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	ガイダンス，安全教育，前期実験テーマの概要説明
1	電子工学実験実習シラバス(実験実習計画書前期分)を配付し，実験の進め方，評価方法，レポートの作成・提出方法，班構成，実施日などの説明をする．また，当学年の安全に関する全般的な注意事項を説明する．その後，ロボット製作に必要な電子回路について説明する．
2	基板加工機およびレーザ加工機について
2	回路設計および基板加工機の使用方法について説明する．また，ロボット本体や部品の設計方法およびレーザ加工機の使用方法について説明する．
3	基礎実験1
3	マイコンでモータを制御する実験を行う．
4	基礎実験2
4	マイコンでフォトセンサーを使用する方法について実験を行う．
5	基礎実験3
5	簡易ロボットカーを用いてライントレース機能の実装を行う．
6	創造実験1
6	創造実験の課題を発表するので，各班に分かれて与えられた課題を解決できるロボットの検討を行う．
7	創造実験2
7	各班で作業分担を決めるとともに，作製するロボットの全体設計を行う．
8	創造実験3
8	作製するロボットの回路設計，本体および部品の設計を行う．また，マイコンでロボットを制御するためのプログラムを作成する．
9	創造実験4
9	作製するロボットの回路基板の加工，本体および部品の加工を行う．また，マイコンでロボットを制御するためのプログラムを作成する．
10	創造実験5
10	基板への部品実装，本体の組み立て等を行う．
11	創造実験6
11	作製したロボットの動作試験等を行う．
12	創造実験7
12	作製したロボットの試走および調整を行う．
13	創造実験8
13	作製したロボットの試走および調整を行う．
14	創造実験9
14	作製したロボットの試走および最終調整を行う．
15	プレゼンテーションおよび走行会
15	各班で作製したロボットのプレゼンテーションおよび走行会を行う．
16	後期実験に関する説明と安全教育
16	後期実験に関する説明と，実験における安全教育を行う．
17	センシング環境の構築
17	ArduinoおよびProcessingを用いたセンサの制御環境を構築する．
18	フォトリフレクタを用いたヒューマンセンシングの実験
18	赤外線フォトリフレクタを用いて人の動きをセンシングし，その認識精度を評価することで，センサの振る舞いを理解する．
19	超音波センサを用いたヒューマンセンシングの実験
19	超音波を用いて人の動きをセンシングし，その認識精度が評価することで，センサの振る舞いを理解する．
20	Dockerを用いた環境構築および深層学習に関する実験(1)
20	Dockerを用いたWebサーバ構築と深層学習のための計算環境構築に関する実験を行う.
21	Dockerを用いた環境構築および深層学習に関する実験(2)
21	Deep Neural Network(DNN)を用いた時系列データの回帰や，Convolutional Neural Network(CNN)を用いた画像分類に関する実験を行う.
22	Dockerを用いた環境構築および深層学習に関する実験(3)
22	精度向上のための手法として，データ拡張，ドロップアウトを2回目に作成したCNNに実装する実験を行う.また，転移学習の実装，および，オリジナルデータを用いた画像分類の実験を行う.
23	電子回路の設計(1)
23	発振回路に関する実験を行う
24	電子回路の設計(2)
24	増幅回路に関する実験を行う．
25	電子回路の設計(3)
25	フィルタ回路に関する実験を行う．
26	コンパイラ(1)
26	コンパイラ1（字句解析）
27	コンパイラ(2)
27	コンパイラ2（構文解析1）
28	コンパイラ(3)
28	コンパイラ3（中間コードおよび目的コード変換）
29	特別実験
29	各担当教官が特別に準備した実験を行ったり，企業から講師を招いて講演会を開催したり，工場見学や電子産業に関連した内容のビデオ鑑賞を行う．
30	まとめ
30	各大テーマごとに，実験とレポートの講評を行う．
備考	中間試験および定期試験は実施しない．前期は10程度の班に分かれて，同時進行とする．後期は，4班に分かれて4つのテーマを3週ずつ回る．第1班はA→B→C→D，第2班はB→C→D→A，第3班はC→D→A→B，第4班はD→A→B→Cと大テーマを巡回する．後期の第1週目に，安全教育を行う．