【 2024 年度 授業概要】
科   目 電子回路T ( Electronic Circuit I )
担当教員 [前期] 木場 隼介 准教授 【実務経験者担当科目】
対象学年等 電子工学科・4年・前期・必修・2単位【講義】 ( 学修単位II )
学習・教育
目標
A4-D1(100%)
授業の概要
と方針
エレクトロニクスの技術革新は広範かつ急速である.しかし基礎となるべきことを十分理解しておくことにより,新しい素子・回路・技術に対処することが可能である.本科目ではダイオードやバイポーラトランジスタ(BJT),電界効果トランジスタ(FET)を利用した電子回路の基本的な考え方と解析・設計手法を身につける.本講義は,担当教員が実務を通じて得た知識や経験を踏まえた内容となっている.



1 【A4-D1】 ダイオード・BJT・FETの特徴・電気特性・グラフが理解できる.
2 【A4-D1】 BJT・FETの直流等価回路と交流等価回路が理解できる.
3 【A4-D1】 簡易計算によるバイアス回路の設計ができる.
4 【A4-D1】 基本増幅回路が理解できる.
5 【A4-D1】 周波数特性とボード線図,高周波等価回路が理解できる.
6 【A4-D1】 差動増幅回路およびその性能向上手法が理解でき,基本的な設計ができる.
7 【A4-D1】 増幅回路の多段化や負帰還・位相補償の目的と効果が理解できる.
8 【A4-D1】 基本的な集積アナログ増幅回路やその用途が理解できる.
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1 ダイオード・BJT・FETの特徴・電気特性・グラフが理解できているかを中間試験およびレポートで評価する.
2 BJT・FETの直流等価回路や交流等価回路が理解できているかを中間試験およびレポートで評価する.
3 簡易計算によりバイアス回路の設計ができるかを中間試験およびレポートで評価する.
4 BJTやFETの基本増幅回路が理解できているかを中間試験およびレポートで評価する.
5 BJTやFETの周波数特性やボード線図,および高周波等価回路が理解できているかを中間試験または定期試験およびレポートで評価する.
6 差動増幅回路の原理・動作・利点や,その性能向上のために必要な電流源(カレントミラー)回路・能動負荷等について理解できているかを中間試験または定期試験およびレポートで評価する.
7 増幅回路の多段化や負帰還・位相補償の目的と効果が理解できているかを定期試験およびレポートで評価する.
8 差動増幅回路などの要素技術を集積した集積アナログ増幅回路,特にその代表である演算増幅器の内部回路のうち,基本的なものが理解できるか,またその用途が理解できるかを定期試験およびレポートで評価する.
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成績は,試験90% レポート10% として評価する.なお,試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.担当教員の判断により臨時試験を実施する場合がある.
テキスト 「アナログ電子回路」永田 真(オーム社)
参考書 「LSI設計者のためのCMOSアナログ回路入門」谷口研二(CQ出版)
「アナログ電子回路−集積回路時代の− 第2版」藤井信生(オーム社)
「アナログ電子回路演習」石橋幸男(培風館)
「定本 トランジスタ回路の設計」鈴木雅臣(CQ出版)
「定本 OPアンプ回路の設計」岡村廸夫(CQ出版)
関連科目 D2「電気回路I」,D3「電気回路II,電子デバイス」,D4「半導体工学」,D5「電子回路II」
履修上の
注意事項
電気回路I,電気回路II,電子デバイスの内容を修得していることを前提とする.

【授業計画( 電子回路T )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 電子回路の基礎知識
電子回路の構成要素であるダイオード・バイポーラトランジスタ(BJT)・MOSFETの構造・動作・特性をはじめとして,電子回路の学習に必要な事項を復習も含めて理解する.特に新規事項としてアナログ電子回路とディジタル電子回路の違いや制御電源について理解する.
2 バイアスと小信号等価回路
信号を直流バイアスと交流小信号に分けて計算する考え方,および能動素子であるBJT・FETの増幅作用や直流・小信号それぞれの適切な等価回路表現を理解する.
3 BJT基本増幅回路
エミッタ接地を中心に,BJTの小信号増幅回路の種類と挙動,用途を理解する.
4 MOSFET基本増幅回路・基本増幅回路のまとめ
FETの交流等価回路について理解する.MOSFETを用いた小信号増幅回路の種類と挙動,用途を理解する.BJTおよびMOSFETの基本増幅回路についてまとめる.
5 利得の周波数特性とボード線図
利得の周波数特性とボード線図について理解する.
6 増幅回路の周波数応答
容量成分が回路の周波数特性に影響を与えることを説明し,等価回路の容量成分の影響によるBJTやFETの周波数応答について理解する.特に高周波での等価回路において,ミラー効果も考慮した周波数応答への影響を理解する.
7 演習・復習
第1回から第6回までの内容の復習と問題演習を行う.
8 中間試験
第1回から第7回の授業内容について試験する.
9 中間試験結果のフィードバックと解答解説,差動増幅回路
中間試験の設問の意図,正答率などについてフィードバックを行い,試験問題の解答解説を行う.その後,差動増幅回路の回路構成やその特徴,性能指標であるCMRRについて理解する.
10 負帰還の原理,効果,種類
特性が多少不完全ではあるが大きな利得を有する増幅器と,特性の優れた減衰器を組み合わせて温度変化などに対する全体の特性を改善する技術として負帰還があることを理解する.負帰還により帯域が改善されることを理解する.
11 負帰還の種類と入出力インピーダンスの変化
負帰還の種類と,負帰還の接続方法により入出力インピーダンスも変化することを理解する.増幅回路の利得と帯域幅には積が一定という関係があることを理解する.
12 回路の多段化と位相補償の考え方
回路の多段化により増幅率を増大させられること,2段以上の増幅回路では不安定となる可能性があること,不安定となる回路を安定化させる手法である位相補償について理解する.
13 集積回路の内部回路
BJT・MOSFETそれぞれの増幅回路の構成を用いて,集積回路内での演算増幅器の基本回路構成を理解する.また,MOSFETの演算増幅器について,基本回路を改良した,さらに高性能な増幅器の内部回路について理解する.
14 電子回路の応用
アナログ電子回路は信号増幅の用途で様々な場所で使われている.生体センサフロントエンド回路,CMOSイメージセンサにおけるノイズ低減回路である相関2重サンプリング回路その他について学習し,これらを通じアナログ電子回路応用の重要性を理解する.
15 演習・復習
第9回から第14回までの内容の復習と問題演習を行う.


前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後の自己学習が必要である.事前学習では,次回の範囲の教科書を読み,疑問点をまとめておくこと.事後学習では,授業で課される演習問題を実施し,指示がある場合はレポートとして提出すること.