【 2024 年度 授業概要】
科   目 生物化学T ( Biochemistry I )
担当教員 下村 憲司朗 教授
対象学年等 応用化学科・4年・前期・必修・2単位【講義】 ( 学修単位II )
学習・教育
目標
A2(100%)
授業の概要
と方針
生物化学は生物工学分野における高度な知識や技術を理解するためには必須の科目である.本講義では,生体を構成する主な生体分子について,その種類,化学構造の特徴と化学的性質,そして生体内での主な役割を説明する.また,主要物質の代謝についても解説する.



1 【A2】 糖質の化学構造について理解できる.
2 【A2】 アミノ酸,タンパク質の化学構造と生体内反応について理解できる.
3 【A2】 酵素の性質,種類,触媒機構について理解できる.
4 【A2】 核酸の化学構造と生体内反応について理解できる.
5 【A2】 脂質の化学構造と生体内反応について理解できる.
6 【A2】 細胞の呼吸について理解できる.
7 【A2】 光合成について理解できる.
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1 糖質の種類,基本構造,またそれらが関与する化学反応について記述できるかを中間試験とレポートで評価する.
2 アミノ酸やタンパク質の種類と基本構造について記述できるかを中間試験とレポートで評価する.
3 酵素の種類と一般的性質について記述でき,ミカエリス-メンテンの酵素反応速度式を導けるかを中間試験で評価する.
4 核酸の種類,構造について記述できるかを中間試験で評価する.
5 脂質の種類,基本構造,生体膜構造,膜輸送について記述できるかを定期試験とレポートで評価する.
6 グルコースを基質とした好気呼吸と嫌気呼吸の代謝について記述できるかを定期試験で評価する.
7 高等緑色植物の光合成の仕組みを記述できるかを定期試験で評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.なお,試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「ベーシックマスター生化学」:大山隆 監修・西川一八・清水光弘 共編(オーム社)
「視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録」:数研出版編集部 編(数研出版)
参考書 「ヴォート 基礎生化学 第5版」:D. Voet ・ J. G. Voetら 著・田宮信雄ら 訳 (東京化学同人)
「Essential 細胞生物学第5版」:Bruce Albrts・Karen Hopkinら著・中村桂子ら 監訳 (南江堂)
「ホートン 生化学 第5版」:Moran Laurence A.・Horton H.ら 著・鈴木紘一ら 訳 (東京化学同人)
「コーン・スタンプ 生化学 第5版」:E. E. Conn ・ P. K. Stumpf 著・田宮信雄ら 訳(東京化学同人)
「イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書30版 」:清水孝雄 監訳・五十嵐和彦・内海利男ら 訳(丸善出版)
関連科目 C2 生物
履修上の
注意事項
生物化学Iは生物を対象とした化学であるため,C2の生物を復習しておくことが望まれる.

【授業計画( 生物化学T )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 序論,糖質(1)
生物化学を学ぶにあたり,生物学の基礎を復習する.原核細胞,真核細胞の違いを理解する.糖質の分類,構造,生体内における役割について理解する.
2 糖質(2)
糖質の分類,構造,生体内における役割について理解する.
3 アミノ酸
アミノ酸の基本構造や種類について理解する.
4 タンパク質
タンパク質の高次構造について理解する.
5 酵素(1)
酵素反応の基本的性質について理解する.
6 酵素(2)
酵素反応速度論について理解する.
7 核酸(1)
核酸の基本構造と種類について理解する.
8 中間試験
1週目から7週目までの内容で中間試験を行う.
9 中間試験解答・解説および核酸(2)
中間試験内容に関する解説を行う.加えて,核酸の化学的,物理的性質について理解する.
10 脂質
生体成分となる脂質の構造や種類について理解する.
11 生体膜
生体膜の構造や生体膜を介した物質輸送について理解する.
12 解糖系
グルコース異化に関わる解糖系について理解する..
13 発酵
グルコース異化に関わる発酵について理解する.
14 TCA回路,酸化的リン酸化
好気条件下のATP合成について理解する.
15 光合成
光合成の明反応,暗反応について理解する.


前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後の自己学習が必要である.事前学習では,次回の授業範囲について教科書を読み,理解できないところを整理しておくこと.事後学習では,ノートを読み返すとともに,課題が出されていた場合には,その課題に取り組むこと.