【 2024 年度 授業概要】
科   目 情報処理U ( Information Processing II )
担当教員 阪下 和弘 非常勤講師
対象学年等 応用化学科・4年・前期・必修・1単位【講義・演習】 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A3(100%)
授業の概要
と方針
最近では優れた汎用プログラムが数多く流布しており,通常の用途には十分である.しかし,コンピュータに何かをさせるときに,全くのブラックボックスであるか多少なりとも原理が理解できているかで,対応や結果の評価等,大きく異なってくる.本講義・演習では基礎的な数値計算を通して,モデル化,プログラムの構造・戦略等を理解し,物事をコンピュータ化する際の基本的な考え方を修得することを目標とする.



1 【A3】 数学の問題をコンピュータで計算させるときの基本的な戦略を理解し,戦略の理解の上に,適切なプログラミングができる.
2 【A3】 自然や日常の現象を,コンピュータで処理するための要素に分解することができ,さらに,分解した要素を再構成して,コンピュータ処理の道筋を立てることができる.
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1 基本的な数学の問題を説明し,コンピュータ上の計算を前提に要素に分解し,再構成して,フローチャートにできるもしくはプログラムとして書くことができるかどうかを演習と定期試験を通して評価する.
2 物理学や日常の現象を,コンピュータで処理させるための要素に分解でき,再構成できるかどうかやフローチャートが書けるかどうかを演習で評価する.
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成績は,試験40% 演習60% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「明快入門 C スーパービギナー編」:林 晴比古(SBクリエイティブ)
参考書 「NSライブラリ6 ザ・数値計算リテラシ」:戸川 隼人(サイエンス社)
関連科目 C1 情報基礎, C3 情報処理I, C4 応用数学I
履修上の
注意事項
数値計算とプログラミングの授業であるが,コンピュータを使用する前提として,C1 情報基礎,C3情報処理Iの内容を理解しておく必要がある.

【授業計画( 情報処理U )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 C言語について
実際に実習に使うプログラミング言語であるC言語について,基本的なプログラムの組み方,実行ファイルの作り方等を学ぶ.
2 変数・データ型について
変数やデータ型の性質,代入演算子の使い方,キーボード入力を変数へ格納する方法を学ぶ.
3 数値計算について
算術演算子から整数型と実数型の違いを学ぶ.算術演算子と代入演算子をで処理の順番を学ぶ.
4 選択処理について
比較演算子を使った条件式について学ぶ.if〜else文の使い方について学ぶ.
5 繰り返し処理について
while文,for文による繰り返し処理について学ぶ.
6 関数について
関数に関して,引数・仮引数・関数の定義・関数の呼び出し・戻り値・void型・return文について学ぶ.ローカル変数,グローバル変数について学ぶ.
7 標準ライブラリ関数について
標準ライブラリ関数を用いた文字列処理や数学関数について学ぶ.
8 ファイル処理について
ファイルの入出力について学ぶ.fopen関数,fclose関数について学ぶ.
9 ユークリッドの互除法
二つの整数の最大公約数を求めるためのプログラムを作成して実行する.ユークリッドの互除法を用いたプログラミングを行う.
10 エラトステネスのふるい
ある整数までの素数をエラトステネスのふるいを用いて抜き出すプログラムを作成して実行する.いわゆるフラグ立ての考え方を用いてプログラミングを行う.
11 整数の階乗
整数の階乗を求めるプログラムを作成して実行する.整数型変数でプログラミングした場合と,実数型変数でプログラミングした場合の実行結果を比較し,計算のオーバーフローや,変数の型の違いについて考えながらプログラミングを行う.
12 合計・平均値と分散・標準偏差
合計と平均値と標準偏差を求めるプログラムを作成して実行する.変数の格納方法や計算のあとに変化してしまう変数等に注意しながらプログラミングを行う.
13 級数の計算
与えられた級数の和を求めるプログラムを作成して実行する.マクローリン展開等を実際に計算してみて,有限項で打ち切らざるを得ない数値計算の特徴を考えて,有効なプログラミングを行う.
14 行列の演算
行列の積を求めるプログラムを作成して実行する.二次元配列や,繰り返し計算の順番などに注意してプログラミングを行う.
15 Linuxについて
本校の演習室のマシン群のOSであるLinuxについて,開発秘話等を紹介しながら,本校のマシンの使用法や管理体制について学ぶ.


前期定期試験を実施する.