【 2023 年度 授業概要】
科   目 応用物理U ( Applied Physics II )
担当教員 熊野 智之 准教授
対象学年等 機械工学科・5年E組・前期・選択・2単位【講義】 ( 学修単位II )
学習・教育
目標
A2(100%)
授業の概要
と方針
先端技術に深く関わるナノテクノロジーや各種分析装置の原理を理解することを目的として,量子力学および固体物性の基礎を現代物理の誕生・発展の過程に基づいて学習し,定性的に理解できる能力を養う.



1 【A2】 原子の構造と光の二重性について,基本的な概念が理解できる.
2 【A2】 電子の二重性と不確定性について,基本的な概念が理解できる.
3 【A2】 量子力学について,基本的な概念が理解できる.
4 【A2】 固体物理の基礎が理解できる.
5 【A2】 原子核と核エネルギーについて,基本的な事柄が理解できる.
6 【A2】 素粒子や加速器について,基本的な事柄が理解できる.
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1 原子の構造や光の二重性について,それらを実証する実験結果を含めて理解しているか中間試験と提出物で評価する.
2 電子の二重性とハイゼンベルグの不確定性原理について,基礎的な内容および応用について理解しているか中間試験と提出物で評価する.
3 ボーアの理論を基に,シュレディンガー方程式およびその解について理解しているかを中間試験と提出物で評価する.
4 各種材料の物性がどのような物理現象に起因し,どのように応用されているかについての理解を定期試験と提出物で評価する.
5 核の崩壊と放射線,基本的な核反応や核分裂・核融合について理解しているか定期試験と提出物で評価する.
6 素粒子の種類と特徴,加速器の原理等について理解できているか定期試験と提出物で評価する.
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成績は,試験80% レポート10% プレゼンテーション10% として評価する.試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「物理学基礎」:原康夫著(学術図書出版)
参考書 「高専の応用物理」:小暮陽三編(森北出版)
関連科目 物理,応用物理I,応用光学
履修上の
注意事項
 

【授業計画( 応用物理U )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 原子の構造
原子論の成り立ちや電子,原子核の発見について述べる.
2 光の二重性
光の粒子性を証明する現象とアインシュタインの光量子仮説について説明する.
3 電子の二重性
電子の波動性を証明する現象と物質波について説明する.
4 不確定性関係
ハイゼンベルグの不確定性原理について説明する.
5 原子の定常状態と光の線スペクトル
ボーアの理論を通して,水素原子における電子のエネルギー準位および電子軌道半径の求め方について説明する.
6 元素の周期律
定常状態のシュレディンガー方程式を解析的に解くことができるモデルについて紹介し,解の意味を説明する.
7 金属,絶縁体,半導体
材料のエネルギーバンドについて説明する.金属,絶縁体,半導体の電気伝導率の差はどのようにして生じるのかを学習する.
8 中間試験
中間試験までの授業の内容について出題する.
9 半導体の利用
半導体の特徴と応用について説明する.
10 レーザー
レーザーの発振原理と応用について説明する.
11 原子核の構成
原子核は,核力によって結合した陽子と中性子から構成されることを説明する.
12 原子核の結合エネルギー
結合エネルギーと質量欠損との関係について説明する.
13 原子核の崩壊と放射線
原子番号の大きい元素が放射性を有する理由と放射線の種類について説明する.
14 核エネルギー
核分裂や核融合の原理,エネルギー問題について説明する.
15 素粒子
素粒子や加速器の種類や特徴について説明し,応用例を紹介する.


前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後の自己学習が必要である.事前学習では,次回の授業範囲について教科書を読むなどして各自で理解できないところを整理しておくこと.事後学習では,授業内容を復習し,興味を持ったことを調べてノートなどにまとめておくこと.