【 2023 年度 授業概要】
科   目 倫理 ( Ethics )
担当教員 山本 舜 助教
対象学年等 電気工学科・2年・通年・必修・2単位【講義】 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
C3(20%), D1(80%)
授業の概要
と方針
我々はなぜ生きているのか,どう生きるべきなのか,何に動かされているのか.我々の身の回りにはこうした哲学的な疑問があふれている.この授業では先人の思想や哲学を歴史的に学びつつ,現代のさまざまな倫理的問題に触れることで,他でもない自分自身がどう生きていくべきなのかを考察していく.



1 【C3】 青年期の特徴を理解し,自分自身の問題として考えることができる.
2 【C3】 東西の源流思想を正しく理解できる.
3 【C3】 西洋近現代哲学の展開と日本思想から日本哲学への進展を正しく理解できる.
4 【C3】 現代社会における倫理的問題を正しく理解できる.
5 【D1】 現代社会における倫理的問題について自分の意見を矛盾なく展開できる.
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1 青年期の特徴についての理解度と,自分自身の問題として考えることができるかを授業プリントや定期試験で評価する.
2 ギリシア思想,ユダヤ・キリスト教,イスラーム,仏教,中国思想の理解度を定期試験で評価する.
3 近代以後の西洋哲学および日本思想の史的展開の理解度を定期試験で評価する.
4 現代技術や生命倫理,環境倫理といった応用倫理の諸問題についての理解度を授業プリントや定期試験で評価する.
5 現代社会における倫理的問題について自分の意見を矛盾なく展開できるかを授業プリントや定期試験で評価する.
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成績は,試験70% レポート(授業プリント)30% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 村上隆夫『高等学校現代倫理』(清水書院)
『アプローチ倫理資料PLUS』(東京法令)
参考書 濱井修(監修)・小寺聡(編)『倫理用語集』(山川出版社)
関連科目 哲学A,哲学B
履修上の
注意事項
授業では多くの思想家や哲学者の名前が出てきますが,それらは単なる記号ではなく,歴史的に生きた実在の人物です.実際に彼らの書いたものを読むことで,みなさんの中にそれが宿ることになります.興味を持った思想家・哲学者の文章に,積極的に触れるようにしましょう.

【授業計画( 倫理 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンス:倫理とは何か,倫理から何を学ぶべきか
哲学を導入に,倫理という分野の位置づけを扱う.授業の進め方なども説明する.
2 青年期の課題(1)
青年期の特徴を学び,自分自身の今のあり方と照らし合わせて考える.
3 青年期の課題(2)
欲求や葛藤といった人間の根源的な悩みと向き合い,どういう時代に生きているかを把握する.
4 ギリシア思想(1)
初期自然哲学やソフィストといったソクラテス以前のギリシア思想について学ぶ.
5 ギリシア思想(2)
ソクラテス・プラトン・アリストテレスを概観し,ギリシア哲学の枠組みを理解する.
6 ギリシア思想(3)
プラトンとアリストテレスの思想に踏み込み,細かい用語や考え方などの理解を深める.
7 ギリシア思想(4)
その後のギリシア思想の展開を学び,ギリシア思想全体の総括を行なう.
8 前期中間試験
前期のそれまでの内容について中間試験を実施する.
9 ユダヤ・キリスト・イスラーム(1)
旧約聖書とユダヤ教について学び,イエス登場の経緯を押さえる.
10 ユダヤ・キリスト・イスラーム(2)
新約聖書とキリスト教について学び,その後の発展を理解する.
11 ユダヤ・キリスト・イスラーム(3)
前回を踏まえてスコラ哲学への進展を検討した後,コーランとイスラーム教について学ぶ.
12 仏教(1)
仏教の成立とガウタマ=シッダールタの思想を学び,原始仏教の基本を理解する.
13 仏教(2)
部派と大乗への分裂について学び,大乗仏教の展開を押さえる.
14 中国思想
孔孟,老荘といった諸子百家の思想について学ぶ.
15 源流思想のまとめと展開
ギリシア思想,ユダヤ・キリスト・イスラーム,仏教,中国思想を振り返る.
16 日本思想(1)
日本思想のルーツとしての古神道と仏教伝来を学び,神道と鎌倉仏教への展開を押さえる.
17 日本思想(2)
近世日本思想として江戸時代の儒学や国学を学び,近代化以前の日本思想の特徴を理解する.
18 ルネサンスと近代化
西洋における近代の成立を宗教改革やモラリストの登場,近代科学の成立を通して学ぶ.
19 イギリス経験路と大陸合理論
近代哲学を特徴づけるイギリス経験論と大陸合理論の概要を学ぶ.
20 カント哲学(1)
カントの理論理性に関する考えを学び,カント認識論の基本を押さえる.
21 カント哲学(2)
カントの実践理性に関する考えを学び,カント倫理学の要点を押さえる.
22 西洋近代認識論の総括とその後の展開
ヘーゲルを中心にドイツ観念論への展開を学び,これまでの西洋近代哲学を振り返る.
23 後期中間試験
後期のそれまでの内容について中間試験を実施する.
24 ヘーゲル以後の哲学思想
マルクス,フロイト,ニーチェを代表に,戦後構造主義の土台となった哲学・思想を学ぶ.
25 生の哲学・現象学・新カント学派・実存思想
19世紀から20世紀にかけての哲学的諸潮流を概観する.
26 近代日本哲学(1)
日本の近代化と個人の自覚,日本哲学の成立について学ぶ.
27 近代日本哲学(2)
京都学派の成立を概観しつつ,西田幾多郎の哲学と和辻哲郎の倫理学について学ぶ.
28 近代日本哲学(3)
昭和から現代にかけての日本哲学の展開を押さえ,理解を現代日本の状況に接続する.
29 現代と倫理的諸問題(1)
生命倫理や環境倫理の諸問題について学び,現代を生きる上で留意しておくべき課題を認識する.
30 現代と倫理的諸問題(2)
情報倫理や技術者倫理について学び,AIなどの科学技術のあり方について考える.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.