【 2023 年度 授業概要】
科   目 数値流体力学 ( Numerical Fluid Dynamics )
担当教員 柿木 哲哉 教授
対象学年等 全専攻・2年・前期・選択・2単位【講義】
学習・
教育目標
A2(100%)
JABEE
基準1(1)
(c),(d)1
授業の概要
と方針
本講義は水,空気などの流体運動を数値的に解くための基礎式やその解法を説明し,具体的なテーマの課題を解く.



1 【A2】 流れの現象を物理的観点から理解し,数学的に方程式で表現できる.
2 【A2】 テイラー展開を応用し,微分方程式の解を求めることができる.
3 【A2】 有限差分法の基礎を理解し,有限差分法を用いて偏微分方程式の離散化ができる.
4 【A2】 有限差分法を用いて完全流体の数値計算ができる.
5 【A2】 有限差分法を用いて粘性流体の数値計算ができる.
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1 流れの現象を物理的観点から理解し,数学的に方程式で表現できるか定期試験とレポートで評価する.
2 テイラー展開を応用し,微分方程式の解を求めることができるか定期試験とレポートで評価する.
3 有限差分法の基礎を理解し,有限差分法を用いて偏微分方程式の離散化をできるか定期試験とレポートで評価する.
4 有限差分法を用いて完全流体の数値計算をできるか定期試験とレポートで評価する.
5 有限差分法を用いて粘性流体の数値計算をできるか定期試験とレポートで評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.総合評価は100点満点で60点以上を合格とする.総合評価のレポートの比率は試験に比べ低いが,レポートが少ないわけではない.提出期限を超過したレポートは評価しない.未提出のレポートがある場合はレポート成績を評価しない.
テキスト 「工学基礎技術としての物理数学I:導入編」:由比政年・前野賀彦(ナカニシヤ出版)
参考書 「流体力学の数値計算法」:藤井孝藏(東京大学出版)
「流体力学」:日野幹雄(朝倉出版)
「明解水理学」:日野幹夫(丸善)
関連科目 数学IおよびII,応用数学IおよびII,水理学I〜III,その他の流体力学系の科目
履修上の
注意事項
受講にあたっては,水理学などの流体の力学を習得していることが望ましい.題材は土木工学・建築学における諸現象を扱う.課題ではプログラミングをする必要があるが,講義ではプログラム言語に関する基礎的な説明はしない.従って,受講段階でプログラム言語を自由に扱える必要がある.また,出欠の取扱いは本科に準ずる.授業の進度は理解度に応じて調整することがある.S科情報処理室の設備の都合により,受講者数を制限する場合があります.

【授業計画( 数値流体力学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 数値流体力学の概要,流体(水理)現象の数学的記述
数値流体力学の概要,流体の連続式,加速度,運動量の保存則等の数学的記述について学習する.
2 テイラー展開とその応用(1)
テイラー展開を用いて複雑な関数の一部を簡単な関数で局所的に近似し,少し先の近似値を予測する方法について学習する.
3 テイラー展開とその応用(2)
テイラー展開を用いて複雑な関数の一部を簡単な関数で局所的に近似し,少し先の近似値を予測する方法について学習する.
4 有限差分法(1)
テイラー展開を利用して微分方程式を近似的(数値的)に解く方法を学習する.
5 有限差分法(2)
差分式に対する近似精度の評価,所定の精度を持つ近似式の誘導について学習する.
6 波動方程式の数値解析(1)
波の伝搬を表す波動方程式を例に,差分法による解析例を通して波動方程式の性質を学び,差分近似を選択する際の考え方や注意点について学習する.
7 波動方程式の数値解析(2)
波の伝搬を表す波動方程式を例に,差分法による解析例を通して波動方程式の性質を学び,差分近似を選択する際の考え方や注意点について学習する.
8 前半のまとめと演習(プログラミング)
1〜7回までのまとめと演習を行う.
9 拡散方程式の数値解析(1)
拡散現象を表す拡散方程式を例に,差分法による解析例を通して拡散方程式の性質を学び,差分近似を選択する際の考え方や注意点について学習する.
10 拡散方程式の数値解析(2)
拡散現象を表す拡散方程式を例に,差分法による解析例を通して拡散方程式の性質を学び,差分近似を選択する際の考え方や注意点について学習する.
11 有限差分法を用いた完全流体の数値解析(1)
完全流体の支配方程式と有限差分法を用いた離散化について学習する.
12 有限差分法を用いた完全流体の数値解析(2)
完全流体の支配方程式と有限差分法を用いた離散化について学習する.
13 有限差分法を用いた粘性流体の数値解析(1)
粘性流体の支配方程式と有限差分法を用いた離散化について学習する.
14 有限差分法を用いた粘性流体の数値解析(2)
粘性流体の支配方程式と有限差分法を用いた離散化について学習する.
15 後半のまとめと演習(プログラミング)
9〜14回までのまとめと演習(プログラミング)を行う.


前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後自己学習が必要である.換算欠課時数が授業数の1/3を超えた場合は成績を評価しない.なお,換算欠課時数の算定法は本科のものを準用する.事前学習では,次回の授業範囲について教科書を読み,各自で理解できないところを整理しておくこと.事後学習では,レポートを作成したり,授業範囲の教科書や講義内容を復習し,理解できないところがあれば整理し,質問すること.