【 2023 年度 授業概要】
科   目 現代思想文化論 ( A Study of Modern Thinking and Culture )
担当教員 山本 舜 助教
対象学年等 全専攻・1年・前期・必修・2単位【講義】
学習・
教育目標
D2(100%)
JABEE
基準1(1)
(a)
授業の概要
と方針
「他人と話す」「ものを作る」「私が私自身を見つめる」…….こういった我々の行為は「目の前に何かがあることを知ること」としての《認識》と深い関係を持っている.この授業では,この《認識》をめぐって近代以後の西洋哲学や日本哲学などを参照しつつ,現代を生きる上で我々は「私」や「もの」とどう向き合い,どう付き合っていくことができるかを考察していく.



1 【D2】 認識という観点を通じて諸問題を考えることの意義を理解し,実際にそこから問題を考える.
2 【D2】 認識に関する問題について,自分の意見を矛盾なく展開する.
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1 認識の意義をどのように理解し,そこから諸問題をどのように考えているか,定期試験および授業レポートで評価する.
2 自分の意見を矛盾なく展開しているか,定期試験および授業レポートで評価する.
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成績は,試験50% 授業レポート50% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 授業プリントを使用する.
参考書 授業で随時紹介していくが,特にカントと西田に関しては以下の二つを挙げておく.
石川文康『カント入門』(ちくま新書)
藤田正勝『西田幾多郎――生きることと哲学』(岩波新書)
関連科目 応用倫理学
履修上の
注意事項
受講者の内容理解や進捗に応じて,スケジュールや内容を多少変更する可能性がある.

【授業計画( 現代思想文化論 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンス:近代=現代の問題とは?
現代思想文化論として,「現代」の意味を考察する.
2 「認識論」入門
身近な例を通じて,「認識」に関する問題を広く理解する.
3 「認識論」概論
哲学の歴史の中で整理されてきた「認識論」に触れ,より精密な理解を目指す.
4 カントの超越論的観念論(1)
認識批判理論としてカントの認識論を概略的に学ぶ.
5 カントの超越論的観念論(2)
カント哲学の「物自体/現象」「感性/悟性」などの詳細な枠組みに触れ,理解を深める.
6 「同じである」とはどういうことか?
同一性に関する哲学的な諸見解を学び,「同じであること」の意味についての理解を深める.
7 復習と展開:「ものを見る」から「私を見る」へ
これまでの対象認識の問題を復習し,以降で主題化する自己認識の問題との差異に触れる.
8 近代日本哲学の成立
近代日本哲学の成立を確認し,その中で「近代的自我」という問題が浮上してきたことを学ぶ.
9 西田幾多郎の「純粋経験」
西田幾多郎が『善の研究』で提示した「純粋経験」という経験のあり方を検討する.
10 西田幾多郎の「自覚」(1)
西田幾多郎が「純粋経験」をさらに押し進めて達した「自覚」を検討する.
11 西田幾多郎の「自覚」(2)
「自覚」の認識論的な意義と問題点を考察する.
12 西田幾多郎の「場所」/時間論
西田幾多郎が「自覚」から至った「場所」の論理を,彼の時間論や「自覚」との関係で理解する.
13 「自覚」から考える科学,道徳,芸術
「自覚」を通じて科学や道徳,芸術のあり方を検討する.
14 認識を考える意義:自覚的認識論の展望
実際に日常において「認識」を考えることのメリットや展望を考える.
15 全体の総括
これまでの内容をまとめ,「現代」の問題について再考する.


前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後自己学習が必要である.本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後自己学習が必要である.事前学習においても事後学習においても,自分が日頃目にし,手に触れたり使ったりしているものをどのように認識しているかを考え,実際の認識の現場を耕すことが重要である.哲学的な議論については,プリントを中心に適宜参考文献を確認し,個別の理解を深めておく.