【 2022 年度 授業概要】
科   目 応用数学T ( Applied Mathematics I )
担当教員 河田 祥太郎 非常勤講師
対象学年等 都市工学科・4年・通年・必修・2単位【講義】 ( 学修単位III )
学習・
教育目標
A1(100%)
JABEE
基準1(1)
(c),(d)
授業の概要
と方針
線形代数とベクトル解析の基本的な概念を理解し,それらを道具として使えることを目標とする.抽象的な話になり過ぎないように具体的な例と実際の計算を豊富に扱う.



1 【A1】 行列を用いた連立一次方程式の解法について理解できる.
2 【A1】 ベクトルの1次独立と行列のランクの関係を理解できる.
3 【A1】 行列式の基本的な概念と行列式に関する諸計算について理解できる.
4 【A1】 ベクトル空間と線形写像の基本的な概念と諸計算について理解できる.
5 【A1】 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念と諸計算について理解できる.
6 【A1】 ベクトルの内積・外積の概念と計算が理解できる.
7 【A1】 空間曲線や曲面の形や性質をベクトルを用いて表現できる.
8 【A1】 スカラー場・ベクトル場の概念と勾配,発散,回転の概念を理解できる.
9 【A1】 線積分,面積分の概念を理解し,発散定理,ストークスの定理の概要を理解できる.
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1 行列を用いた連立一次方程式の解法について理解できているか,前期中間試験およびレポートで評価する.
2 ベクトルの1次独立と行列のランクの関係を理解できているか,前期中間試験およびレポートで評価する.
3 行列式の基本的な概念と行列式に関する諸計算について理解できているか,前期中間試験およびレポートで評価する.
4 ベクトル空間と線形写像の基本的な概念と諸計算について理解できているか,前期定期試験およびレポートで評価する.
5 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念と諸計算について理解できているか,前期定期試験およびレポートで評価する.
6 ベクトルの内積・外積の概念と計算が理解できているか,後期中間試験およびレポートで評価する.
7 空間曲線や曲面の形や性質をベクトルを用いて表現できているか,後期中間試験およびレポートで評価する.
8 スカラー場・ベクトル場の概念と勾配,発散,回転の概念を理解できているか,後期中間試験およびレポートで評価する.
9 線積分,面積分の概念を理解し,発散定理,ストークスの定理の概要を理解できているか,後期定期試験およびレポートで評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.なお,試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.総合評価は100点満点で60点以上を合格とする.レポートは,提出期限を厳守すること.
テキスト 前期:「リメディアル線形代数」:桑村雅隆著(裳華房)
後期:「新 応用数学」:佐藤志保 他 著(大日本図書)(応用数学IIと共通)
後期:「新 応用数学 問題集」:嶋野 和史 他 著(大日本図書)(応用数学IIと共通)
参考書 「わかる線形代数」:有馬哲,石村貞夫(東京図書)
「キーポイント ベクトル解析」:高木隆司(岩波書店)
関連科目 数学I・II(2年),数学I(3年),応用数学II(4年)
履修上の
注意事項
内容が多岐にわたっており,進捗ペースも速いと思われるので,予習・復習を行い,そのつど授業内容を理解するように努めること.

【授業計画( 応用数学T )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ベクトル・行列・1次変換の復習と固有値や固有ベクトル
ベクトルや行列や1次変換について復習を行い,2次正方行列における固有値や固有ベクトルの性質を説明し,演習する.
2 ベクトルの1次独立性
線形代数の理論の出発点となるベクトルの1次独立性について説明し,演習する.
3 連立1次方程式と掃き出し法
連立1次方程式の掃き出し法による解法を説明し,演習する.
4 行列の基本変形とランク
行列の基本変形の方法を説明する.またランク(階数)の定義と求め方を説明し,演習する.
5 連立1次方程式の解の構造
行列のランクと連立1次方程式の解の種類の関係について説明し,演習する.
6 行列式の定義と性質
行列式の定義と性質について説明し,演習する.
7 行列式の計算
行列式の計算方法を説明し,演習する.簡単な応用についても説明する.
8 中問試験
1〜7回までの内容について試験する.
9 中間試験の解答・解説,行列式の余因子展開とクラメルの公式
中間試験の解答・解説を行う.余因子行列と連立方程式のクラメルの公式による求め方を説明し,演習する.
10 ベクトル空間
ベクトル空間とはどういうものかを説明し,演習する.
11 ベクトル空間の基底と次元
一般的なベクトル空間におけるベクトルの1次独立性を説明し,さらにベクトル空間の基底と次元について説明し,演習する.
12 線形写像
ベクトル空間における線形写像の概念を説明し,さらに行列による表示の方法を説明し,演習する.
13 固有値と固有ベクトル
n次正方行列に対する固有値,固有ベクトルの求め方を説明し,演習する.
14 行列の対角化
固有値,固有ベクトルを利用して,行列の対角化をする方法を説明し,演習する.
15 対称行列の対角化とその応用
対称行列での固有値と固有ベクトルの性質を説明し,その応用として2次曲線の標準化について説明し,演習する.
16 空間のベクトル
空間のベクトルの性質や内積について,復習する.
17 ベクトルの外積
ベクトルの外積とその応用のスカラー3重積について説明し,演習する.
18 ベクトル関数
ベクトル空間に値をとる関数とその微分について説明し,演習する.
19 ベクトルと曲線
ベクトルによる曲線の表示とその微分や積分を,力学における速度・加速度や曲線の長さとの関連で説明し,演習する.
20 ベクトルと曲面
ベクトルによる曲面の表示とその微分や積分を,接平面・法線ベクトルや曲面の面積との関連で説明し,演習する.
21 スカラー場とベクトル場および勾配・方向微分
スカラー場とベクトル場およびスカラー場での勾配・方向微分について説明し,演習する.
22 発散と回転(1)
ベクトル場での発散と回転を説明し,演習する.
23 中問試験
16〜22回までの内容について試験する.
24 中問試験の解答・解説,発散と回転(2)
中問試験の解答・解説を行う.発散と回転の基本公式,さらにそれらを用いることによって得られる関係式を説明する.
25 スカラー場での線積分
スカラー場での線積分の意味を説明し,演習する.
26 ベクトル場での線積分
ベクトル場での線積分の意味を説明し,演習する.
27 グリーンの定理
グリーンの定理の意味を説明する.
28 スカラー場・ベクトル場での面積分
スカラー場・ベクトル場の曲面上での面積分の意味を説明し,演習する.
29 発散定理
発散定理の意味を説明する.
30 ストークスの定理
ストークスの定理の意味を説明する.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する. 本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の事前・事後の自己学習が必要である.