【 2022 年度 授業概要】
科   目 機械工学実験U ( Laboratory Work in Mechanical Engineering II )
担当教員 橋本 英樹 准教授, 福井 智史 教授, 高峯 大輝 助教, 田邉 大貴 准教授
対象学年等 機械工学科・5年E組・前期・必修・2単位【実験実習】 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-M1(10%), A4-M2(10%), A4-M3(10%), A4-M4(10%), B1(20%), C1(10%), C4(20%), D1(10%)
授業の概要
と方針
4学年より専門性の高い実験を通して,機械工学における基本的な解析能力と表現能力を身につける.材料,熱,潤滑,流体の分野について実験を行なう.本実験の一部は,企業での材料研究の実務経験教員が担当し,実務で必要な報告書の作成方法も含めて指導します.



1 【A4-M1】 材料力学で学んだはりのたわみ理論を実験で確認し,たわみ理論の理解を深める.また,金属やプラスチック,複合材料の機械的特性を実験で確認し,理解を深める.
2 【A4-M2】 熱力学Iで学んだオットーサイクルを実験で確認し,熱機関の理解を深める.また,計測データからポンピングロスや図示熱効率を求め,理論と正味出力の関係を理解する.
3 【A4-M3】 流体計測法を各班で調べる. 管摩擦圧力損失を機械的あるいは電気的に測定し,アナログおよびデジタル処理し,その統計処理を行う. これらは,プレゼンテーションとレポートで報告し,それらの能力を高める.
4 【A4-M4】 機械要素設計の4項目(折損,疲労,焼付き,潤滑)のうち,耐焼付き設計に関する理論解析を行い,その結果を実験で確認し,耐焼付き設計に関する理解を深める.
5 【B1】 実験レポートを論理的に作成する.
6 【C1】 応用・解析ができること.
7 【C4】 実験に真摯に取組むことができる. レポートの提出期限を守ることができる.
8 【D1】 実験等安全に気を配り,作業を進めることができる.
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1 実験内容を理解できているかをレポート内容で評価する.
2 実験内容を理解できているかをレポート内容で評価する.
3 実験内容を理解できているかをプレゼンテーションおよびレポート内容で評価する.
4 実験内容を理解できているかをレポート内容で評価する.
5 レポートの書式や論理性をレポート内容で評価する.
6 レポート内容や実験に対する取組み状況で, 応用・解析ができているか評価する.
7 実験に対する取り組み,出欠状況およびレポート提出状況で評価する.
8 実験に対する取り組みで評価する.
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各テーマ毎の実験実習への取組み・達成度, レポートの提出状況およびレポートの内容で総合的に評価する. 各テーマ毎の評価基準および本科目の総合評価の基準は1週目のガイダンスで説明する. 100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト テーマ毎にプリントを配布
参考書 「材料力学入門」:深澤泰晴ほか8名著(パワー社)
「有限要素法入門」:三好俊郎著(培風館)
「熱機関工学」:越智・老固・吉本(コロナ社)
「機械計測」:谷口修著(養賢堂)
「大学演習機械要素設計」:吉沢武男著(裳華房)
関連科目 機械工学実験(4年)
履修上の
注意事項
 

【授業計画( 機械工学実験U )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンス
機械工学実験のテーマの紹介と班分け及び実験を行う際の諸注意
2 材料の強度に関する実験
材料力学で学んだはりのたわみ理論に対する理解を深めるために,金属やプラスチック,複合材料の曲げ試験を行ない,理論予測と実測値を比較・考察する.
3 材料の強度に関する実験
複合材料の諸特性について理解を深めるために,繊維強化複合材料についての強度試験を行い,得られた実験値について考察する.
4 材料の強度に関する実験
前2週で取得した実験データを整理させる.また,レポートの作成方法について指導する.
5 熱機関に関する実験
熱力学Iで学んだオットーサイクルの理論に対する理解を深めるために,単気筒ガソリンエンジンを用いた実験を行う.実験の実施に先立ち,ガソリンエンジンの分解組立を行い,実際のエンジンの構造について学ぶ.
6 熱機関に関する実験
単気筒ガソリンエンジンを用いて,回転数や出力を変えて実験を行い,正味熱効率と図示熱効率の関係を理解する.
7 熱機関に関する実験
実験データを整理して,熱機関の熱効率についての理解を深める.また,PV線図よりポンピングロスを算出し,理論サイクルと実際のサイクルの違いを理解する.
8 報告書特別指導
中間報告として特別指導する.
9 潤滑工学に関する実験
高速四球型摩擦試験機を用い,機械要素の強度設計における4項目(折損,疲労,焼付き,潤滑)のうち,耐焼付き設計に重点をおき,耐焼付き設計式の導入並びに計算結果と実際の焼付き条件の確認を行なうことにより,焼付きに関する諸問題に対処できる基礎知識を養うことを目的としている.
10 潤滑工学に関する実験
高速四球型摩擦試験機を用い,焼付き条件を変えて実験する.
11 潤滑工学に関する実験
高速四球型摩擦試験機を用い,焼付き条件を変えて実験を行い,焼付きに関する諸問題に対処できる基礎知識を学習する.
12 流体計測
3名程度の3班に分かれ,計測工学,流体工学,統計工学の各分野において,それぞれ計測概論と全計測対象を,圧力,流量などの流体計測法を,1変量および2変量の母集団の表し方などを各班で調べ,報告会を開き質疑応答を行い,プレゼンテーション能力を高める.翌週に各自の分担した領域をレポートで報告する.
13 流体計測
管摩擦圧力損失を圧力の測定対象として,マノメータおよび電気式圧力変換器により測定する.また電気信号についてアナログとデジタルで処理し,その統計処理を行う.これらを各班ごとに行い報告会を開き,質疑応答を行う.翌週までに実験精度を上げる工夫を検討すると共に,各自の分担した領域をレポートで報告する.
14 流体計測
各グループで測定精度上の問題点を指摘し,その改善策を提案し議論する.そのあと,それに基づいて再実験を行い,精度が向上したか報告会・質疑応答を行なう.翌週に各自の分担した領域をレポートで報告する.
15 まとめと授業評価
4実験をとおしての全体評価


中間試験および定期試験は実施しない.