【 2022 年度 授業概要】
科   目 社会と文化の歴史 ( Social and Cultural History )
担当教員 町田 吉隆 教授
対象学年等 全学科・5年・前期・選択・1単位【講義】 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
C3(80%), D2(20%)
授業の概要
と方針
17世紀から20世紀前半の中国史を扱う.具体的には「伝統中国」の完成期である清朝の成立から,現代中国の原型を形作った辛亥革命から中華民国・中華人民共和国の成立までを対象とする.巨大な隣国の実像を学ぶことを通して,日本社会を考える視点を得ることを目的とする.



1 【C3】 中国の前近代史から近代成立にかけての歴史的事象を理解することができる.
2 【C3】 漢民族社会のしくみや文化と多民族社会としての清代の中国の社会と文化を理解できる.
3 【D2】 17世紀から20世紀の中国を含む世界の動向と関連させて,日本史上の歴史的事象を理解することができる.
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1 中国の前近代史から近代成立にかけての歴史的事象について理解できているかどうかを,プリントと定期試験で評価する.
2 漢民族社会のしくみや文化と多民族社会としての清代の中国の社会と文化を理解について理解できているかどうかを,プリントと定期試験で評価する.
3 17世紀から20世紀の中国を含む世界の動向と関連させて,日本史上の歴史的事象を理解できているかどうかを,プリントと定期試験で評価する.
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成績は,試験80% プリント20% として評価する.到達目標1,2,3については授業中に作業するプリントおよび定期試験の平均点で評価する.これらを総合して100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト ノートおよびプリント講義
参考書 高島敏男『中国の大盗賊・完全版』(講談社現代新書)
宮崎市定『雍正帝』(中公文庫)
上田信『人口の中国史』(岩波新書)
岡本隆司『袁世凱』(岩波新書)
横山宏章『中華民国』(中公新書)
関連科目 歴史(1年生),歴史(2年生),日本史学A(5年生),日本史学B(5年生),社会と文化の歴史(5年生)
履修上の
注意事項
参考文献,視聴覚資料については授業中に紹介する.

【授業計画( 社会と文化の歴史 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 導入
参考文献をいくつか紹介し,今後の授業の前提となる中国の前近代史を概観する.
2 華夷変態(1)
16世紀後半から17世紀前半にかけての明代の中国社会とユーラシア東方地域の動向について理解する.
3 華夷変態(2)
満洲族の後期と清朝建国までの歴史的事象について理解する.
4 華夷変態(3)
中国における王朝交替が漢民族社会に与えた影響とモンゴル,チベット,朝鮮,日本,台湾などユーラシア東方地域の歴史的事象について理解する.
5 雍正帝の時代(1)
康熙帝の治世から雍正,乾隆への帝位継承の過程を通じて,皇帝独裁制のしくみについて理解する.
6 雍正帝の時代(2)
18世紀における中国社会,特に中央政権と地方社会の関係を雍正帝の統治を例にして理解する.
7 雍正帝の時代(3)
前近代中国社会の学術と文化および中国社会の伝統と変容について理解する.
8 演習
今までの講義内容を動画とプリントで整理し,その内容を構造的に理解する.
9 清朝の動揺(1)
18世紀後半における中国社会の状況と国際関係の変化を学ぶことによって,近代世界システムにおけるユーラシア東方地域の変容を理解する.
10 清朝の動揺(2)
19世紀前半から19世紀末までの歴史的事象(アヘン戦争から日清戦争まで)を理解する.
11 清朝の動揺(3)
19世紀後半から20世紀初頭にかけての中国の内発的な変容を日本を含む国際関係と関連させて理解する.
12 革命と戦争の時代(1)
辛亥革命から軍紳政権に至る20世紀前半の中国の動向を,世界史における歴史的事象と関連させて理解する.
13 革命と戦争の時代(2)
1920年代から1930年代の中国の政治と社会の動向を日本を含む国際関係と関連させて理解する.
14 革命と戦争の時代(3)
第二次世界大戦から国共内戦にかけての歴史的事象を,20世紀の世界の動きと関連させて理解する.
15 まとめ
世界史における歴史的事象を通じて,巨大な隣国・中国と日本社会の関係を理解した上で,21世紀の世界について展望する.


前期定期試験を実施する.